森と花の国の王子

あーす。

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ゾーデドーロ(東の最果て)

エルデリオンの現在の事情を聞き、怒りまくるデルデロッテ

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 船はかなりの速度で突っ走って行く。
「…なんか、凄いな…」
ギュンターの感想に、ローフィスも頷く。
「まず、こんなデカい物が飛んでること自体、びっくりだ」

けれどエドウィンが、頬を真っ赤に染めた。
シュアンが尋ねる。
“これ、ナニしてるの?”

ラステルもロットバルトも、デルデロッテもが。
集まって船の中央に座ってる三人のル・シャレファ金の蝶を見た後、船のへりに立つ赤毛の神聖神殿隊騎士と、三人のル・シャレファ金の蝶の側に立つ銀髪の神聖神殿隊騎士の二人を、交互に伺う。

銀髪の神聖神殿隊騎士がため息吐く。
“これ…他に見せて良いかディアヴォロス左将軍が俺に尋ねてて、全員に見せないようワーキュラス殿の介入を、今現在ストップさせてるけど”

“なんで見せられない”
金髪美貌のギュンターが、心話で憮然として尋ねる。

デュバッセン大公は目を見開く。
“なんで頭の中で、声がしてる?”
ラステルが返答した。
“アースルーリンドの魔法使い二人の他、そっちに三人もいるから。
なんで博士の船が、こんなに速く飛んでると思ってる?”
“あり得ない。
高速で飛ぶだけで無く、頭の中で声?”
デュバッセン大公の疑問を置き去りにし、ロットバルトが心話で喚く。
“それより、エルデリオンの行方が辿れたんですか?!”

神聖神殿隊騎士二人は、ロットバルトに振り向くと同時に頷く。
「意識の中継、していいかどうかでエドウィンが凄く困って、アースルーリンドにいる左将軍ディアヴォロスにお伺いを立ててる」

テリュスが呻く。
“なんで困る?
凄くスケベな事、されてるから?”

途端、デルデロッテが大音響で怒鳴った。
“どういう状況で、ナニされてるって?!!!!”

全員が眉間寄せまくり、頭に手をやり首を振る。

「…ごめん」

全員の会話を中継してる、ラフィーレが謝る。

「脳に直接響くって…こたえる…」
デュバッセン大公が頭を押さえながら呻くと、ラステルも頷いた。
「デルデロッテ、心話じゃ無く、声に出して怒鳴ってくれない?!」

けれどデルデロッテは、エドウィンに詰め寄ると
“見せ…”

大音響は途中でプツ…と切れ、皆内心、ラフィーレに拍手を送った。

テリュスが振り向くと、エウロペは船のへりに背をもたせかけて腕組みし、顔を下げてる。
けれど突然…脳裏に映像が流れて来てるらしく…眉間を寄せた。

赤毛の神聖神殿隊騎士が囁く。
「ディアヴォロス殿が、君に判定して貰えと。
オーデ・フォール中央王国の皆は多分、理性が飛ぶから」

皆、一斉にエウロペに振り向く中、ラステルが文句を言った。
「デルデロッテとロットバルトはともかく。
私は飛びませんよ?理性」

デルデロッテはじりじりし、とうとう怒鳴った。
「なぜ、見せられない?!」
ロットバルトも呻く。
「まさかお怪我をされてるのか?!」

ラステルの脳裏にも、映像が見えてるらしく…一旦途切れた後。
エウロペとラステルは顔を見合わせ、同時にため息吐いて、顔を下げた。

ロットバルトはラステルに詰め寄り、デルデロッテは今度、エウロペに詰め寄る。

「どうなんだ?!」

声は同時に揃った。

ラステルが、チラ…とエウロペを見るので、エウロペはため息交じりに囁く。
「乳首に金のリング。
それと一物なんて、四つも付けられてるから…理性が完全に飛んで、自分からねだりまくってる」

ロットバルトは、ほっとして笑顔を見せた。
「傷付いてはいない?!」

けれどデルデロッテはますます怒り狂って怒鳴りつける。
「…エルデリオンは射精止められると理性が飛ぶのに、四つ?!」

ラステルが、言いにくそうに小声で告げる。
「…しかもしてるのは…ノルデュラス公爵で…」

その名を聞いた途端、デルデロッテの目は殺気を帯び、ぎん!!!と光り、ロットバルトは眉を寄せて嘆く。
「エルデリオンにどうこうしたい、一番危険な男じゃないですか?!
貴公子中の貴公子だから、むごいマネはしないでしょうが…。
デルデロッテの前の、宮廷一の美丈夫で垂らし…。
つまりそんな男相手に、エルデリオンは…無防備でされたい放題…?!」

エウロペは暗い表情で頷く。
「…エルデリオンは快感を餌にされ、落ちまくってる」

デルデロッテはル・シャレファ金の蝶三人の横に立つ銀髪の神聖神殿隊騎士に詰め寄ると、胸ぐら掴んで揺すりまくって怒鳴る。
「今直ぐ飛ばしてくれ!!!
俺をエルデリオンの元に!!!」

銀髪の神聖神殿隊騎士は、揺すられまくりながらも呻く。
「…だから…人間なんて重い物は俺達じゃ飛ばせないし!!!
飛ばした途端、俺達は力使い果たして船も操れないし、西の聖地に戻る力すら、無くなるから絶対無理…」

赤毛の神聖神殿隊騎士が怒鳴る。
“ワーキュラス殿が神聖騎士を送る!!!
ラフィーレとエドウィンの意識を支えろ!!!”

途端、がっくん!!!と船の速度が落ち、全員ぐらつきまくって転ぶまいと、そこらに掴まりまくる中。
空間が白く光り始め、その場に真っ白な隊服に金刺繍の…素晴らしく美しく崇高な騎士が二人。
空間に現れた。
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