森と花の国の王子

あーす。

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エルデリオンの幸福な始まり

ラステルの言うとおり、全力でエルデリオンを垂らしにかかるデルデロッテ 8

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 デルデロッテは真っ赤になって怒るエルデリオンを見つめ、くすくす笑う。
「そうやってムキになる所も、変わってない」

エルデリオンは少し俯く。
「…子供っぽいって…。
威厳が無くて、王子らしくないから…って…。
ずっと…しなかった。
でも今は、貴方と居るから」
「私といる時は…どれだけ子供っぽくてもいいですよ?」

エルデリオンはその時、本当に嬉しそうに笑うから…。
デルデロッテはつい、彼の手を引いて囁いた。
「…出ましょう。
食事を取って、少し休んだ方が良い」

エルデリオンは立ち上がるデルデを見た。
そうして戸口に導く彼は、微笑を浮かべ…。
従者してる時の彼…。

エルデリオンはそんな時、自分が王子だったと思い出す。
けれどいつもの…張り詰めて、重圧を感じる王子では無く…。
大切に護られている、王子の気分になった。

ガウンを羽織り、居間に行く。
既に片付けられていて、食事のワゴンが置かれてた。

デルデに促され、先にソファに座る。
デルデは横に座り、グラスに酒を。
食事の皿を目前に並べ、世話を焼いてくれる。

「…どうせエウロペ殿に張り型挿入れてるよう指示されたり…してる間。
ロクに食べて、寝てもいないんでしょう?
ちゃんと食べて。
ヌきたかったら私を呼んで。
二度とエウロペ殿を呼ぶなんて、許しませんから」

エルデリオンは微笑むデルデを見つめ、フォークを取り、肉を刺して持ち上げて聞く。
「…やっぱり…ラステルは知ってる?」

デルデはもうフォークを口に持って行き、けれど口の前でピタリ!と手を止め、沈黙し。
後、エルデリオンに振り向き、言った。
「貴方に関して、ラステルが知らないことって、あると思います?」

エルデリオンは“やっぱり…”と俯いてため息を吐いた。


お腹がいっぱいになると…エルデリオンは眠くなってデルデの肩にもたれかかる。
デルデロッテは食後酒をたしなみながら、気軽な宮中の噂話をしてた途中。
突然エルデリオンが肩にもたれかかるので、笑って振り向く。

けれどエルデリオンは目を閉じ、更に寝息を立てているのを見て。
暫く寝顔を見つめ、そして独り言を言った。

「…やっぱり…眠ってるようですね………」

エルデリオンをお姫様だっこして、寝室に運ぶ。
彼はまるで目を開けない。

「…って事は、真剣に寝てるのか…」

デルデは少し残念だったけど。
エルデリオンを寝台に横たえ、横に潜り込むと、エルデリオンの…子供の頃のような愛らしい寝顔を見つめながら布団を掛け、横に寝転がって、エルデリオンの寝息を聞いた。

やがてそれは子守歌のように眠気を誘い…。
いつの間にか、デルデも眠りについた。


明け方。
気づくとデルデは習慣に習って隣に人がいるので、抱き寄せる。

エルデリオンはデルデの腕に、しなだれかかった。

デルデは顔を傾け…半分夢の中にいて…けれど、気づく。

“今度は、夢じゃ無い…”

顔を倒し、エルデリオンの唇に口づけ…。
けれどどうしても抑えが効かず、舌を差し入れてつい、情熱的なキスをした。

「…ぅ…んっ…」

エルデリオンが喘ぎ声を上げると、デルデは彼の股間を探る。
勃ち上がってた。
手でゆっくり、擦り上げる。
巧妙に、一番イイ場所を避けて。

エルデリオンは唇をデルデの唇で、塞がれていたけれど…。
手で握られて気持ち良くって、もっと刺激して欲しくて、腰を押しつけた。

デルデはクス…と笑うと、唇を外して頬に。
そして首筋に唇を這わせながら、エルデリオンの腿を持ち上げ、腰を密着させ始める。

そしてエルデリオンの、勃ってる一物から手を離すと、ゆっくり膝を折らせ、その間に腰を進めた。

エルデリオンは…折角気持ち良かったのに手を離され…更に蕾に、デルデの猛った一物の先端が触れた時。
蕾に感じる熱さに、突然ぱち!と目を開ける。

「…デデデデデデテ…デルデ………」

デルデロッテはクスクス笑いながら身を起こし、目覚めたエルデリオンを組み敷いて、腰を押し進めた。

「…ぁ…んっ!」

腕の中のエルデリオンが、感じたように目を閉じ、顎を曝して仰け反る姿を見つめ…。
デルデはもっとエルデリオンの腿をぐい!と引き寄せ、奥深くまで挿入を果たす。

奥のイイ場所に触れると、エルデリオンはかっ!と頬をピンクに染め、睫を震わせた。

ゆっくり…自身の一物でエルデリオンの蕾の中を擦り上げると。
エルデリオンは喉を鳴らし、気持ち良さげに首を振る。

「…ぁ…ん………っ…」
「…イイ…?ここ…。
凄く?」

問われてエルデリオンは顔を横向け、睫を震わせて蕾にもたらされる刺激に、頷きながらのめり込んだ。

「…気持ち…良い…。
デルデ…のっ…。
熱……い………」

デルデロッテはその返答に微笑を浮かべ、少しずつ強く。
奥を擦り上げ始める。

エルデリオンが乱れ始め…首を振って甘く喘いだ。
「…っぅんっ!…っぁ……。
…っぁぁ…っ!」

くねり始める朝陽の中のエルデリオンは、色白の肌を更に白く、光の中でぼかし…。
愛らしくて、とても綺麗な青年に見えて、デルデロッテは秘かに感激した。

毎朝…目覚めて隣の相手に、倒れ込んで情事をする度…。
最初は、エルデリオンだと思う。

彼を抱いてる気分で、甘く抱き寄せ、キスするけど…。
目覚めてくると、ぼやけた視界はくっきりし出して、相手がはっきり見え…。
大抵は、妖艶な女性に成り替わる。

夢の見せた奇跡が、幻だと分かって…。
毎度毎度、落胆する………。

でも今、彼は本物。

夢から覚めても、尚もくっきり浮かび上がる愛らしい彼。
綺麗な鼻筋も、すんなりした顎の形も…。
丸形に近い、卵形の顔の輪郭も。
上唇も下唇同様の厚さの、ピンクの半開きの唇も…。
茶色の真っ直ぐな睫を震わせて、時折りヘイゼルの瞳が、濡れたようにキラリと輝く様も。
明るいさらりとした栗毛が、枕の上に乱れ散る様子も。

幾度も夢の中で見たのと同様…。

思わず体を倒し込んで、顔を近づける。
エルデリオンの腕が上がり、首に抱きつく。
肩に顔を埋められると…その温かさに、胸がいっぱいになった。

到底…訪れないと諦めてた時間…。

デルデはエルデリオンを抱きすくめ、腿を引き寄せては押しつけ、奥を貫いて自身とエルデリオンが達する為、腰を使った。

だんだん激しくなると。
エルデリオンは快感に浚われつつも、怯えも垣間見せ…。
デルデロッテにしっか、としがみつく。

「ぁんっ!
ぁあんっ!
…っあぅっ!
んん…っあ!」

デルデロッテは腕の中で抱きすくめた彼が、今この時。
…この時だけは、自分の物…。

そう感じ、愛しさを込めて抱き包みながら、絶頂へといざなった。

エルデリオンは押し寄せる快感に包まれ、あんまり気持ち良くって、怖かった。
彼と引き離されたら、どうしよう…!
もう二度と…こんな気持ち良さは訪れない…。

デルデの肌の匂い…。
少し野性味がありながら、上品なライラックのコロンが香る…。

奥を激しく抉られた時。
エルデリオンは声を上げ、放った。

「…ぁあっ!
…ぅ…んっ!!!」

体が熱く戦慄く。
懐かしくって、安心出来る腕の中に抱かれ、エルデリオンはデルデに回した腕を、解けなかった。

そして突然。
気づく。
“デルデはもう、イッたのだろうか…?
また、自分だけ先に……?”

けれど蕾から伝う液の感触に、ほっ…とする。

思わずデルデの肩に埋めてた顔を上げ、掠れた声で尋ねた。

「…今度私…は…早く無かった?」

けれどデルデは、エルデリオンを見下ろし、囁く。

「…じゃなくって。
私が…早かった…」

エルデリオンはそれを聞いて、暫く固まる。

「…いつも朝は。
最初は貴方だけど、目が覚めてくると女性で。
もう少し長く、保つんだけど。
…今日は夢から覚めても、貴方だったから…。
つい盛り上がりすぎて…たもてなかった」

エルデリオンはそれを聞いて、デルデの首に縋り付く。

「…どうしよう…。
どうしよう、私はもう…戻れ…な…い……」

デルデロッテも素早く呟く。
「私もだ…。
いざとなったら、君をさらって逃げる」

言いながら…目に浮かぶ。
ラステルは必ず、探し出す。
エルデリオンは王子に戻り…そして自分は…。

牢に入れられ、悪ければ縛り首………。

それでもデルデロッテは、呟いた。
「貴方を、もう離さない」

エルデリオンはデルデの予想が…分かりすぎてヘイゼルの瞳を潤ませる。
そしてよりいっそう、ぎゅっ!とデルデの首に抱きつき…縋り付いた。
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