森と花の国の王子

あーす。

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エルデリオンの辛い毎日

困窮するエウロペの救い手

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 正直言って、エウロペの方が。
実は進退窮まってた。

それでも息を吐き、そっ…と動いて引く。
意を決し、裂けないよう少し進むのが精一杯。

「あっ!!!…っぅうっ!!!」

とうとうエルデリオンが、激しい声を上げて身をのたうたせた。
一気に勃ち上がったエルデリオンの一物は、再び放って萎えている。

エウロペも方も…裂けず出し入れするのは、到底無理だと悟る。

なにより自身の一物が。
これ以上埋め込ませていると、激しい痛みに襲われそうになり…。
とうとうゆっくり…裂けないよう引き抜くので精一杯。

抜く時、一瞬押し…そしてそろそろと引き抜いて行った。

が、僅か押しただけで。
エルデリオンは再び一気に股間を反り返らせる。

「…っくっ!!!」

首振ってその刺激に耐えてる。

エウロペが、裂けないよう細心の注意を払い、ゆっくり引き抜いて行く課程で。
エルデリオンの一物は数度、ピン!と上向いては下がり、上向いては下がって…。

すっかり引き抜いた時。
再び放って萎えていく。

引き抜ききった後。
肩で息をしたのはエウロペの方。

エルデリオンは放心状態で、手足の先から、全身から。
緊張が解けたように、力を抜ききっているから。
目を開けて気絶してないか?
とエウロペはエルデリオンを伺う。

エルデリオンは顔を近づけてくるエウロペに振り向く。
凄まじい苦行に、ヘイゼルの瞳を潤ませながら、なおもせがむ。

「…どう…か…。
私をめちゃめちゃに…あの…方がされたように………」

そしてとうとう、瞳から涙を頬に伝わせる。

結局、降参したのはエウロペの方。

「…昼食がまだだ。
食事を取った後、また来るから。
今は貴方も少し体を休め、食事を取るべきだ」

言った後、わざと意地悪な物言いをした。

「…ちゃんと食べてくれないと…反応が悪くて楽しめない」

エルデリオンは嗜虐を与えるには、相応ふさわしくないと言われ、顔を小刻みに震わせ、瞳をうるませて唇を噛む。

「…ちゃんと食事を取って…。
貴方に楽しんで頂けるよう…務めます」

エウロペは頷く。
「食事を取ったら、また来る」

それだけ言うと、素っ気無く手足の枷を外し、さっさとその場を立ち上がる。

戸口で振り向くと、言い捨てた。

「食後、蕾に薬草を挿入れて休んでおきなさい」

解放されたエルデリオンは寝台に横たわったまま。
微かに、頷いた。

今度、だかだかと足早にエルデリオンの部屋を出、廊下を進んでラステルの部屋の扉を叩いたのは、エウロペの方。

が、扉を開けたのは別人。
「すみません。
ラステル殿はもう出られました。
大物の名が上がり…その、捕り物の指揮に…」

エウロペは頷くと、廊下を進み、王子居室の一角を出、王宮内の豪華な正面階段を降りて行った。


トラーテルに戻ると、中はすっかり静か。
居間のテーブルに、デルデロッテとテリュスがガウン羽織り、向かい合って腰掛け、果実酒をあおってた。

テリュスが振り向く。
「…エウロペ、あんたの分、ちゃんと残し……どした?」

デルデロッテも、苦渋のエウロペの表情に気づく。
が、顔を上げたエウロペは、いつもの信頼感溢れる男に戻る。

「エリューンとレジィは?」
「主寝室で、ぶっ倒れて寝てる…。
まさか大公が…王が負傷してるのいい事に、とうとう反乱起こした…とか?」

テリュスに問われ、エウロペはラステルからの報告を思い浮かべる。
「いや。
幸い、この国から幾度も、大量の物資を送られ。
最初は王子を奪った賄賂だ。
と受け取らなかった者まで、今は花嫁としてでは無く、王妃の客人待遇だと知れ渡り…。
喜んで受け取ってる。
この国でしか取れない食材から、この国が他国から輸入してる珍しい果物まで、皆気に入って。
わざわざ買う者まで現れ、国民は王子が女扱いされる陵辱を、され続けていないと知って、ほっと胸をなで下ろしてる」

テリュスは笑顔を見せた。
後、呆け
「じゃなんで。
悩んでる?」

エウロペは苦笑した。
その後、デルデロッテをチラ…と見る。
ラステルの
“困ったら、デルデに相談を”
と言う助言を思い出して。

間もなく、ロットバルトが玄関開けて姿を見せる。
「今朝あんな風だったので、気になって」

エウロペは背後に振り向く。
が、どうしても気になって、デルデロッテに視線を戻した。

「私にお話があるご様子。
どこで話します?」
察しのいいデルデにそう申し出られ、エウロペは頷くと、廊下の先、空いてる南側の部屋に首振る。

立ち上がるデルデロッテと入れ替わりに、ロットバルトが椅子に座り、テリュスに尋ねる。
「…どうです?
その後…。
実は王妃様に、どんなご様子かお聞きするまで、顔を出してはいけませんと言い渡されて。
その…今朝の様子では…報告すると心配される」

テリュスは笑顔で請け負った。
「さっき池で、水かけっこをレジィと…エリューンとデルデロッテも一緒に、一戦交えたところです。
私はエリューンの助っ人で……」

エウロペはその声を聞きながら、元のテリュスの部屋。
一番南の空き部屋の扉を開け、デルデロッテを通す。

中の、炊かれてない暖炉の前の椅子に腰掛けると、デルデロッテは向かいに腰掛けた。

「…で?」

聞かれるが、デルデロッテが持って来た、ハムやチーズ、野菜が挟まったバンズの入った籠を手渡され、エウロペは返答せず、目を見開く。

デルデは笑顔で“取れ“と言うように差し出して言った。
「まだでしょう?
昼食」
「我が国では昼はほとんど取らないので。
耐えられるが…」

デルデは笑顔を消して
「では…」
と素っ気無く籠を下げるので。
下げる隙に、エウロペは素早く一個取って、口に運んだ。

デルデは再び笑顔を浮かべ、サイドテーブルに乗った瓶のコルクを歯で開け、グラスを取って注ぐと、エウロペに差し出し、自分のグラスにも注いだ。

エウロペがバンズを食べ終わった頃。
「…まさか貴方が情事の相談?
レジィ殿でしたら…一番嫌な記憶を塗り替えましたので」
と、デルデロッテは笑顔で報告する。

エウロペは果実酒のグラスを口に運びながら、尋ねた。
「どんな?」
「口は男の一物で塞がれ、背後から挿入されたって言う…。
叫び、取り乱す程の、例の記憶ですよ」

エウロペが目を見開くので、デルデは説明を続けた。
「口でエリューンのを。
背後からは私が挿入した」

エウロペはびっくりした。
「…エリューンのは…口に挿入れたのか?」

デルデは頷く。
「私みたいな大きめのは、まだ怖がってるけど。
慣れ親しんだエリューンのは、大事で怖くも汚くも無いそうだ」

エウロペは感心して、濃い栗毛で濃紺の瞳の、美丈夫を見つめた。

「で?
そっちは?」

いつもの…少し、からかうような悪戯っぽい表情で、デルデロッテに尋ねられ…。
エウロペは、重い口を開いた。


説明し始めると、余裕だったデルデロッテの表情は、どんどんキツくなる。

とうとう、エウロペは聞いた。
「私に…怒ってる?」
「怒ってるが、貴方にでは無い。
それで?」

続きを促され、エウロペは今日の昼の話をした。

「…それで…実際、私の方が…いや彼も大変だったとは思う。
が、とても挿入れておけなくて…」

デルデは真顔だったけど。
とうとう、ぷっ!と吹き出す。

その後、くすくすくす…と肩揺らして笑い始めるので、エウロペは憮然とした。
「おかしいか?」
「貴方の持ちモノが、おっきいとはレジィから聞いたが…。
まさかそんな…!
いやだって!
エルデリオンは自分を、酷い目に遭わせてと頼んでるのに!
酷い目に遭ってるの、貴方の方じゃありませんか!」

そしてとうとう、くくくくくっ!と頭を下げて笑い続ける。

「勝手に笑ってろ!」

エウロペにふてたように言い捨てられ、デルデはもっと、笑い転げた。
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