森と花の国の王子

あーす。

文字の大きさ
上 下
179 / 418
記憶を無くしたレジィリアンス

我を無くす快感

しおりを挟む
 けれど突然。
レジィリアンスは腰をもぞ…と動かし、頬を真っ赤にする。

デルデは察すると
「私も我慢、出来ない…。
挿入れて、突いてもいい?」
と尋ねた。

レジィリアンスは欲望で濡れた瞳でデルデロッテを見上げ、首に回した腕を引き寄せ、唇に軽く唇を触れさせ、そして…両足をデルデの腰に巻き付け、腿の上にお尻を落とし始める。

デルデロッテは下がり始めるレジィリアンスの双丘の間の蕾に、自身の先端を当てた。

「下から突かないから。
自分で身を沈めて」

レジィリアンスは頷き、小刻みに震えながらゆっくり、腰を沈め始める。

「っ…ん…っ………」
「動いて欲しかったら、そうするから…。
自分が良いように、腰を動かして…」

レジィは睫を震わせ、また頷くと、ゆっくり…自身の身を上下させる。

ぬぷ…。

最初はとてもゆっくり…。
けれど直ぐ没頭し始め、ぬちゃっ。ぬちゃっ!
と、抜き差しする毎に卑猥な音がするけど、それすら聞こえてないかのよう。

「あ…あ…ぁ…んっ!」

片腕をデルデの首から外し、自身で胸を触り始めるので、デルデは囁く。
「乳首を刺激して欲しい?」

レジィは睫を震わせながら、青く潤んだ瞳を開け、頷く。

一瞬、侯爵にいたぶられた記憶が脳を掠める。
けれどデルデの吸い方は…侯爵とは違う…。

胸に手を這わせ、囁く。
「…吸って?」

デルデは微笑むと、片手寝台に付き、うんと頭を傾けて、レジィのぷくん…と赤く膨らんだ可愛らしい乳首を口に含む。
舌先で敏感な乳首の先端をつつくと、レジィの背が仰け反った。

「ぁ…っ」

自身で自分の男の印を握り込み、ゆっくりと上下させながら。
デルデロッテに乳首を口で愛撫され、軽く吸われ、ゆっくりと蕾にデルデの一物を挿入したまま、腰を上下させる。

「ぅ…んっ…」

「気持ちいい?」
デルデロッテに尋ねられた時。
とうとうレジィはデルデの首に再び両腕巻き付け、縋り付いてねだった。
「…うんと…突いて?」
「このまま?」

レジィは首を、横に振る。
それでデルデは、レジィの背を抱き込んだまま寝台に押し倒し、きつく抱きしめて腰を使い始めた。

「んっ…あ!
ぁっ…ぁあんっ!
あんっ!」

思い切り貫かれて揺さぶられ、レジィリアンスは快感の甘い喘ぎ声を上げる。

「んんんっ!
っ…ぁあ!
ぁああああっ!!!」

はぁ…はぁはぁ…。

レジィは荒い吐息を吐いて、抱きすくめるデルデの腕に縋り付き、ぐったりと力を抜いた。

デルデも突然の絶頂で、軽く息が切れてそのままの姿勢で動かなかった。

が、一つだけ、分かった。

「(…初心者対応を心がけても…出来なかったのは…。
レジィに性急に求められ…彼に合わせて絶頂を迎えようと、腰を使うからか………)」

デルデは片手寝台に付き、レジィの上に倒した身を浮かせ、彼の蕾から自身を抜く。

顔を下げて仰向けのレジィを見つめ、顔を傾け、そっと口づけた。

レジィは可愛らしい唇を、僅かに動かす。
それでデルデは…舌を入れない、優しいキスをした。

肩を抱き寄せ、一緒に休む。
レジィリアンスはデルデの胸に手を添え、身をぴったりと寄せて思った。

“凄く、安心…”

けれど…脳裏を掠める、ぞっとする出来事。
それが自分の身に起こって無いよう、どうしても…祈ってしまう。

デルデはそれを感じたのか…レジィリアンスを見ないまま、口を開く。
「君は、母親似だろう?
とても、美しい人だった」

レジィはふ…と、母の顔を思い出そうとする。
ふわっ…と脳裏に、金髪で青い瞳の、とても綺麗でとても優しそうな女性が思い浮かび、ほっとする。

「…ええ。
とても綺麗です」

“思い出した?”

そう、聞かれると思ったけど…デルデは聞かなかった。

「私も、母親似なんだ」

レジィは直ぐ横の、デルデの整った横顔を見つめる。
「きっととっても…美人なんですね?」

デルデは振り向くと、笑う。
「そう。凄い美人だよ」

レジィはやっぱり…と、デルデのとても綺麗な顔に見とれた。

「お父さんには…全然似てない?」

レジィに問われ、デルデは考え込むように、寝台の天蓋を見つめる。

「多分。
父は母にベタ惚れでね。
私が母の膝に座っていると、私を追い払って言うんだ。
『オレの女にベタつくんじゃない。
さっさと自分の女を見つけろ!』

…その時私は、六歳だった」

レジィが、それを聞いてくすくす笑う。

「…そう…そんな父でも…。
私を案じ、血相変えた事があったな…」

デルデが思い出を辿るようにそう呟くので、レジィはデルデの肩に顔を寄せ、囁く。

「私の父は…。
本来自分に付く、国最高の護衛を…私に付けてくれた。
それに…とても大切な指輪も下さった…」

「ずっと側に居られないから?」

レジィは、こくん。と頷く。

「エウロペに護られてる度、父の心を感じる…。
一生懸命…自分の身を削ってまで…護ってくれようとする」

デルデロッテはため息を吐いた。

「…凄い男だ」

レジィはこくん。と小さく頷いた。

「私は…直接護られてないけど…。
父様は戦の時、いつも部下を庇うんだって…」

デルデロッテはそれで、エルデリオンが攻め込んだ戦で王は、負傷したのだと…解った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愛しているからこそ、彼の望み通り婚約解消をしようと思います【完結済み】

皇 翼
恋愛
「俺は、お前の様な馬鹿な女と結婚などするつもりなどない。だからお前と婚約するのは、表面上だけだ。俺が22になり、王位を継承するその時にお前とは婚約を解消させてもらう。分かったな?」 お見合いの場。二人きりになった瞬間開口一番に言われた言葉がこれだった。 初対面の人間にこんな発言をする人間だ。好きになるわけない……そう思っていたのに、恋とはままならない。共に過ごして、彼の色んな表情を見ている内にいつの間にか私は彼を好きになってしまっていた――。 好き……いや、愛しているからこそ、彼を縛りたくない。だからこのまま潔く消えることで、婚約解消したいと思います。 ****** ・感想欄は完結してから開きます。

後宮にて、あなたを想う

じじ
キャラ文芸
真国の皇后として後宮に迎え入れられた蔡怜。美しく優しげな容姿と穏やかな物言いで、一見人当たりよく見える彼女だが、実は後宮なんて面倒なところに来たくなかった、という邪魔くさがり屋。 家柄のせいでら渋々嫁がざるを得なかった蔡怜が少しでも、自分の生活を穏やかに暮らすため、嫌々ながらも後宮のトラブルを解決します!

【完結】欠陥品と呼ばれていた伯爵令息だけど、なぜか年下の公爵様に溺愛される

ゆう
BL
アーデン伯爵家に双子として生まれてきたカインとテイト。 瓜二つの2人だが、テイトはアーデン伯爵家の欠陥品と呼ばれていた。その訳は、テイトには生まれつき右腕がなかったから。 国教で体の障害は前世の行いが悪かった罰だと信じられているため、テイトに対する人々の風当たりは強く、次第にやさぐれていき・・・ もう全てがどうでもいい、そう思って生きていた頃、年下の公爵が現れなぜか溺愛されて・・・? ※設定はふわふわです ※差別的なシーンがあります

私の彼氏は義兄に犯され、奪われました。

天災
BL
 私の彼氏は、義兄に奪われました。いや、犯されもしました。

部室強制監獄

裕光
BL
 夜8時に毎日更新します!  高校2年生サッカー部所属の祐介。  先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。  ある日の夜。  剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう  気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた  現れたのは蓮ともう1人。  1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。  そして大野は裕介に向かって言った。  大野「お前も肉便器に改造してやる」  大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…  

3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福論。〜飯作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

西園寺若葉
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。 転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。 - 週間最高ランキング:総合297位 - ゲス要素があります。 - この話はフィクションです。

国外追放者、聖女の護衛となって祖国に舞い戻る

はにわ
ファンタジー
ランドール王国最東端のルード地方。そこは敵国や魔族領と隣接する危険区域。 そのルードを治めるルーデル辺境伯家の嫡男ショウは、一年後に成人を迎えるとともに先立った父の跡を継ぎ、辺境伯の椅子に就くことが決定していた。幼い頃からランドール最強とされる『黒の騎士団』こと辺境騎士団に混ざり生活し、団員からの支持も厚く、若大将として武勇を轟かせるショウは、若くして国の英雄扱いであった。 幼馴染の婚約者もおり、将来は約束された身だった。 だが、ショウと不仲だった王太子と実兄達の謀略により冤罪をかけられ、彼は廃嫡と婚約者との婚約破棄、そして国外追放を余儀なくされてしまう。彼の将来は真っ暗になった。 はずだったが、2年後・・・ショウは隣国で得意の剣術で日銭を稼ぎ、自由気ままに暮らしていた。だが、そんな彼はひょんなことから、旅をしている聖女と呼ばれる世界的要人である少女の命を助けることになる。 彼女の目的地は祖国のランドール王国であり、またその命を狙ったのもランドールの手の者であることを悟ったショウ。 いつの間にか彼は聖女の護衛をさせられることになり、それについて思うこともあったが、祖国の現状について気になることもあり、再び祖国ランドールの地に足を踏み入れることを決意した。

龍の寵愛を受けし者達

樹木緑
BL
サンクホルム国の王子のジェイドは、 父王の護衛騎士であるダリルに憧れていたけど、 ある日偶然に自分の護衛にと推す父王に反する声を聞いてしまう。 それ以来ずっと嫌われていると思っていた王子だったが少しずつ打ち解けて いつかはそれが愛に変わっていることに気付いた。 それと同時に何故父王が最強の自身の護衛を自分につけたのか理解す時が来る。 王家はある者に裏切りにより、 無惨にもその策に敗れてしまう。 剣が苦手でずっと魔法の研究をしていた王子は、 責めて騎士だけは助けようと、 刃にかかる寸前の所でとうの昔に失ったとされる 時戻しの術をかけるが…

処理中です...