森と花の国の王子

あーす。

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記憶を無くしたレジィリアンス

レジィリアンスの状態

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 エウロペは室内に入り、寝室の扉を少し開けて、レジィの様子を確認する。

…熟睡していた。

扉を閉めるとラステルに振り向く。
「お尻に入れられた棒に、塗られた薬の種類が知りたい」

ラステルはす…っごく、言い淀む。
つい、デルデロッテは知ってる媚薬の名を上げた。
「ドッコ?」

エウロペは目を見開き、ラステルを見る。
なのにラステルは、顔を下げてる。

「…まさかもっと強烈な…?!」

デルデもため息吐いた。
「ラスガルか?」

ラステルはもっと、顔を下げる。

とうとうデルデロッテもエウロペ同様、目を見開く。

「サルドバ?!!!!」

ラステルが、やっと頷き、デルデロッテは額に手をやった。
「…道理で…縋り付いてくる訳だ」

エウロペがデルデに振り向く。
「レジィの方から?」

デルデは頷く。
「濡れた瞳で。
欲しくてたまらない風情で」

ラステルは思いっきり、顔を下げて告げた。
「サルドバなんて塗られたら…誰だって、そうなる」

エウロペも俯き加減で呟く。
「放って置いても差し出され…抱きたい男は、頂きたい放題だな」

ラステルとデルデロッテがエウロペに振り向くと、エウロペは顔を下げていたが、怖い程きつい表情を見せていた。
頷いて、言葉を続ける。
「…道理で、抱いてくれた侯爵にすら。
好意を持つはずだ」

デルデロッテは頷く。
が、ラステルがぼやく。
「抱いてくれればナンでもいい…相手の侯爵より。
そんな状態でも、君は“良かった”と、レジィに言われたんだな?」

デルデは言い訳る。
「…イイ場所をうんと、刺激したから。
嬉しかったんだろう?」

エウロペが鋭い緑の瞳を自分に向けるので、デルデは再び、言い訳る。
「痒いのにちっとも掻いてくれず、じらされるより。
思いっきり掻いてくれる相手の方が、好印象だろう?
君だって」

その言い草に、エウロペは呆れてぼやく。
「君もラステル同様、相手を言いくるめるのが上手いな」

エウロペに皮肉られ、デルデロッテは顔下げる。
「保身に回って、どこが悪い?
君、レジィを抱く男全部、細切れにしたいと思ってるんだろう?」

エウロペは軽く幾度も頷きながら、それでもデルデに言った。
「君は、例外だ。
エルデリオンが大好きなのに。
恋敵に回りかねない、気の進まない役割を、引き受けてくれたしな」

ラステルが思わずデルデを見ると。
厚顔無恥な男が少し、項垂れて見えた。

「…やっぱりエルデリオンに、恋敵扱い、されかねないかな?」
ラステルは目を見開く。
「君っくらい頭の良い男が。
そこを理解してない?
問答無用で、君を対抗馬と考えるに、決まってるし。
君相手じゃ、敗北確実だと。
すっごく落ち込むと思う。
…それでもレジィに面と向かって、“嫌い”と言われるよりは、マシだけど」

デルデロッテは、がっくり首を下げた。

ラステルが、苦笑いしてデルデの腕に軽く触れて慰める。
「エルデリオンに、レジィがどんな目にあったかを報告して。
無理無い事で、君しか相手が出来なかった理由を、ちゃんと言って聞かせるから」

エウロペは真剣な真顔で、呟く。
「…薬が切れた頃に、薬の影響下にあった時の記憶を消せないか?」

ラステルは目を見開いて、エウロペを見た。
「…記憶は消せますが。
体は覚えてる。
多分しばらくは、挿入が快感だと知っているので。
欲しくなるでしょうね?」

気が進まない様子で、エウロペは頷いた。
「どっかで女性と、体験させたい」

ラステルは、デルデロッテを見た。
なのでデルデロッテがラステルに代わり、見解を告げる。
「…抱かれる快感の記憶が、もう少し薄れないと。
抱こうとしても、勃たないかも」

エウロペががっくり首を下げ、ラステルとデルデロッテは気遣うように、両側からエウロペの、下がった腕に手を添えた。


エウロペに
「当分は君に託す」
と言われたので、デルデロッテは寝室に戻る。

背を向けてるレジィの横に身を倒すと。
寝ていたレジィは身を返して振り向き、ぴったりとデルデロッテに体を寄せた。

デルデが肩を抱き寄せると、抱きついて来て…次に目を覚まし、頬を真っ赤にする。

それでデルデは、そっ…とレジィの股間に触れてみる。
勃っていて、腰を欲しそうに、もぞ…と動かすので、デルデは顔をレジィの股間へと下げて行き、半勃ちの可愛らしい男の印を、口に含んだ。

「ぁ…んっ!」

甘い喘ぎ声。

それでデルデは、レジィがこれをされるのが、凄く好きなんだと分かった。
口に含んで先端を舌で刺激すると、腰をくねらせる。
蕾に指二本を挿入し、掻き混ぜると…レジィの身は、狂おしくくねりまくった。

「…っあ…ぁ…んっ!
ぁぁ…っ」

口と指で、彼を絶頂に導く。
舌で刺激され、レジィは直ぐ解き放った。

吐息を吐き、ぐったりするレジィを見つつ、デルデは素早く口の中で出されたレジィの液を、横の壺に吐き出し、布で口を拭う。

けれどレジィリアンスが、ぐったりしつつもまだ微かに腰を揺すっているので、小声でレジィに囁いた。

「…残念だけど…私が興奮状態じゃ無いと。
君に、挿入出来ない」

優しい声でそう言った後。
「興奮状態に…君が口を使って、してくれたら…抱けるんだけど」
と提案してみた。

レジィは言われて手を付いて寝台から身を起こし、腰の辺りで四つん這いになってる、デルデロッテを見た。

レジィは手を付いてデルデロッテの前に来ると、膝立ちしてるデルデロッテの、股間に視線を落とす。

ガウンを払い、デルデの股間に顔を埋めようとして…一瞬で激しい吐き気を思い出し、身を震わせて、屈み込んだ。

「…口でするの…嫌?」

デルデに優しい声で尋ねられ、レジィはポロポロと涙を頬に伝わせ、震えながら囁いた。
「貴方…はぼく…に、し…て…くれたの…に………。
ボク、凄く吐き気がして、出来ない………」

そう言って、泣くので。
デルデはレジィの腕を掴み、体を起こして囁く。
「…でも…お尻には、挿入れて欲しい?」

レジィは次から次々と頬へ涙を伝わせながら、頷いた。

「…うん…と…突いて…欲し…い」

デルデは優しく抱きしめ
「大丈夫。
口で咥えなくても、突いてあげるから」
そう言った途端。
レジィにぎゅっ!と強く、ガウンを握られ縋り付かれて、ため息を吐いた。

「(エルデリオンが拒絶されず、レジィの相手が出来てたら。
彼にとっては、天国だったな………)」

もう一度ため息を吐くと、レジィリアンスの両手首を握り、顔を上げるレジィの、真っ赤に染まってぷるん…とした甘い唇に、口づけた。
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