森と花の国の王子

あーす。

文字の大きさ
上 下
139 / 418
誘拐されたレジィリアンス

逼迫し始める状況に、焦るレガート

しおりを挟む
 レガートは、男らがレジィを嬲ってる間。
腕組みし、見ていたが。
ノックの音で扉に寄る。

「…地下道に続々、奴らが詰めかけ、仲間が捕らえられてる。
このままでは地下道は、全て封鎖される」

部下の報告に、レガートはチッ!と舌打つ。
「…もっと時間が、あると思っていたが…。
こうなると、アルトバルデの屋敷に、一刻も早く運び込まないと…。
ここには、来そうか?」

部下はもっと顔を寄せ、小声で囁く。
「囮の、他の屋敷の通路にも…ラステルの手の者が入り込んでいる様子で…」
レガートは部下の汚くごつい顔を見つめ返し、囁く。
「…が。罠だらけで幾人かは命を落としているはず」

けれど部下は、真顔で囁く。
「他の…ぼんくらな騎士なら、そうなる。
が、ラステル配下らは罠に慣れた男達で、せいぜい怪我を負う程度。
直ぐからくりを暴き、押し寄せ来て…。
お陰でこちらの部下らは皆、逃げ出す始末。
殆どは捕らえられ、逃げ出した者ですら、報告に来るので精一杯」

レガートは唇を噛み、思わず声を荒げる。
「…アルトバルデは陽動を始めてないのか?!
ラステルがかかりきりで指揮してると…ここも直ぐ、暴かれる」

部下は顔を下げ、声を落とす。
「城に入り込んだ部下の話では。
ラステル直属配下が、動き始めてるそうで…」

レガートは頷く。
「…城内で指揮をする…毛並みの良い部下共か」

部下の男は抑揚を消していたけど。
吐き捨てるように呟く。
「“四天王”と呼ばれる、有能で鳴らした男達…。
ラステルの部下は層が厚い。
あいつを敵に回すのは…ヤバ過ぎる。
あの男は国中に。
どころか他国にも大勢の部下を配置する、一大組織のトップ。
紅蜥蜴ラ・ベッタに出会った時ですら。
迂闊に敵対せず、情報収集に徹する知恵者。
一度ひとたび火蓋を切れば…たちまち、滅ぼされる」

レガートは部下の顔を、じっ…と見た。
「…そんなにラステルに、心酔してるのか?!」

部下は言葉を一旦飲み込み…そして吐き出した。
「…それだけ厄介な男。
我々ですら…仲間内に幾度も潜り込まれ、計画を邪魔されてる」

レガートはため息を吐いた。
「分かった。
さっさと調教を終え、アルトバルデの屋敷に逃げ込もう。
あそこはさ程、調査が入ってない。
幾つもある逃げ道のどれかから。
いざとなれば、逃れられるはず」

部下は頷くと、即答した。
「部下を撤退させる」

レガートが部屋に視線を落とした時。
調教してた男らは、ぐったりと頭を垂れて気絶する、レジィリアンスを覗き込んでいた。

「…気付けを嗅がせろ」
「けどこいつ、強情ですぜ?」
「薬でも使わないと…」

レガートは時間が切迫してる事を考え、短く舌打ちし、顎をしゃくる。
「…使え。
後ろから突っ込んで、口を開かせろ。
噛まなくなったら、直ぐ移動させる」

男らは頷くと、薬を取りに、扉を開けて出て行く。

レガートは気絶するレジィリアンスの金の長い髪を見つめ、ため息を吐いた。

「…御姫様はあいつの到着を、お待ちか…。
果たして、来るかな?
エウロペは…」

レガートは、くっ!と笑う。

「ここへの道を突き止めても。
どこもかしこも罠だらけ。
どこかの穴に落ち、串刺しになるか。
羽目板を踏んで、巨大な刃物で首が落ちる!
…だから、待っても無駄だ。
大人しく、されるがままの、人形に成るんだな。
どんな男でもヨダレ垂らす、美味しそうな果実に仕上げてやる!」

けれど気を失ってるレジィリアンスにその声は届かず。
首を垂れて微動だに動かない。

男達が薬を手に戻って来ると、レガートはレジィに向かって、顎をしゃくる。
「非常事態だ。
思い切り突き上げて、せいぜい感じさせてやれ。
緩んだ穴は後始末に、薬草をしっかり塗り込んで。
初物同然に締めとけ。
客達はそれでたいそう、喜ぶからな」

男らは頷くと、レジィの吊り上げていた腕の鎖を下ろす。
鉄の手かせも外し、今度は後ろ手に縄で縛り上げる。
膝を付かせ、尻を突き出させた後、前に付いた男は、髪を掴んで顔を持ち上げ。

…そして気付けの薬を、レジィの鼻の近くに寄せた。

間もなく、きつい香りにレジィが意識を取り戻し、首を振る。
が、きつく髪を掴まれてると気づく。

「…さっさと始めろ」

レガートの声と共に、背後の男は蕾に突き刺された棒を抜き取る。

「…っ!!!」

レジィは何が始まったのかと、身を起こそうとしたけれど。
膝を付かされたまま背に手を当てられ、下に沈められ。
腕を動かそうとしても、背中で両手首揃えて縛られていて、目を見開く。

「…今度は自分から咥えろとは言わない。
せいぜい、味わいな!」

髪を掴む男の、下卑た顔。
その直後。
いきなり蕾に男の一物が強引に捻り込まれ、レジィは喉を詰まらせ身を跳ね上げた。

「…ぁあっ!!!」

「しっかり、抉れ…」
レガートの声が響く。

暗がりで殆ど姿の見えないその男に、レジィかは首を振って、視線を送ろうとした。
が、背後から激しく連続して突き上げられ、体中にびりびりと激しい刺激が駆け抜けて、身もがくので精一杯。

「…あ…あっ!!!
ぅ…ぁあああっ!!!」

抜かれる寸前で、再び激しく突き上げられる…!

「っ!!!」

跳ねるように背を反らす。
が、直ぐ横の男の手が、反った背を押し戻す。

「…ぅ…ぅんんっ!!!
あ…う゛っ!!!」

貫かれる度、びりびりと激しい刺激に曝され、更に男の固くて太い一物は、もっと奥へと差し込まれ、感じる場所を激しく抉り出す。

「ぁあああああっ!!!」

レジィは首を激しく振り、必死に逃れようと身もがくが、がっちり腰を掴まれ、背は身を跳ね上げる度、下に押し下げられ…。

涙を滴らせて、必死に首を振る。

「止めて!!!…っうっ!!!
お願…い!!!
止め…ぁああああっ!!!」

「…どうだ?
薬ナシで、行けそうか?」

レガートの問いに、髪を掴んでた男はレジィの表情を見つめ、呟く。
「…これだけ暴れられては…何かの拍子に、思い切り噛まれそうだ」

レガートはとうとう、頷いた。
「時間が無い。
薬を飲ませろ」

背を押さえていた男は頷き、突き上げていた男は、動きを止める。

レジィは飛び上がらんばかりに感じる場所を、太く固いモノで抉られ続け、激しすぎる刺激にぐったりしながら、息切れで肩を上下させていたけれど。

突然顎を掴まれ、顔を上げさせられて…。
陶器のコップから、水を口に注がれ
「ご…ほっ!!!」
と、激しく咳き込む。

男はちっ!と舌を鳴らした後、今度は少しずつ、水を注ぎ始めた。

喉は渇いていたし、口の中が放たれた液でねちゃつき、気持ち悪かったので。
とうとうレジィは、コクン…。と喉を鳴らし、それを飲み込んでしまった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

あばずれローニャ

黒神譚
恋愛
ちょっとエッチで甘々なTSラブストーリー。 主人公は色欲の魔神シトリーを討伐した際に、いまわの際の魔神に強烈な呪いをかけられてしまう。 その呪いとは女体化および、その女となった体で男性を虜にする色欲の呪い。 女性となった主人公は女性名ローニャと名乗り、各地を転々として最高クラスの司祭でも祓うことができない呪いを解く術を探す旅を続けるのだった。 だが、ローニャにかけられた呪いは太陽の加護が失われた時により強力になる女性化の呪い。日没後に心身ともに完全な女性になってしまった時。ローニャは常に呪いに自我を支配され、往く先々で様々な色男たちと恋愛スキャンダルを巻き起こす。 そんなローニャを人々はいつの間にか「あばずれローニャ」「恋多き女・ローニャ」と呼ぶようになった。 果たしてローニャは無事に呪いを解き、魔神シトリーを討伐した英雄として帰郷し故郷に錦の旗を飾ることができるのだろうか? それとも女性としての生き方を受け入れて色欲の呪いのままに男性を誑し込んで生き続けるのだろうか? TS・恋愛・ファンタジー・魔法・アクション何でもありのラブコメです。 今回は、複雑な設定はなく一般的でありふれたい世界観でとっつきやすい物語になっています。 1話1200文字程度ですので、どうぞお気軽にお読みください。(毎日19時更新)

【完】オメガ騎士は運命の番に愛される《義弟の濃厚マーキングでアルファ偽装中》

市川パナ
BL
オメガの騎士は性別をアルファだと偽っていた。取り巻くのは事情を知らない同僚の騎士たちや社交界の面々。協力者は、添い寝でアルファのフェロモンを付けてくれる義理の弟と、抑制剤を処方してくれるお医者様だ。オメガだとバレたら騎士として認めてもらえない。夢を追うことは、本当は許されない事なのかもしれない。迷う日々の中、運命の番の騎士が赴任してきて、体に熱がともる。 ※総受け・攻め4人(本番Hは本命のみ)。モブレ未遂アリ。サスペンス風味。 ※IFはエロ詰めです。随時追加予定。 リクエスト受付は終了させていただきます……!! ありがとうございました!!

悪役令息はゾウの夢を見る

朝顔
BL
現実世界で過労死した健は、縁あってゾウの神様がいるBLゲームの世界のキャラクターに憑依する。 楽勝主人公を選ぶはずが、見た目が可哀想だと同情して悪役令息のキャラを選んでしまう。 超がつくほど真面目な性格の健は、選んだからにはシナリオ通りに悲劇を迎えるまでちゃんと演じなければと思い込んでしまう。 悪役令息の子供時代に憑依したので、それっぽく我儘で傲慢な子供時代を胃痛を抱えながら、必死に演じていた。 そんな中、ついに因縁の主人公が登場したので悪役として接するのだが、主人公は予想を超える人物だった。 嫌われようとしているのに、全然嫌ってくれなくてむしろどんどん懐いてしまう。 しかも儚げ美人主人公に成長するはずなのに、なぜか正反対に逞しく成長してしまい……。 なんとかシナリオ通りに軌道修正しようと奮闘するのだが思いもよらぬ方向に……。 嫌われ者の悪役令息なのに、他のキャラ達とも仲良くなってしまう。 健は新しい世界で幸せを見つけることができるのか。 ※※※ 悪役令息になりきれなかった主人公が総愛されするお話です。 恋愛面では固定カプ。 子供時代スタートなので、R18シーンは十八歳からなります。 ※他サイトでも同時連載しております。

転生したら第13皇子⁈〜構ってくれなくて結構です!蚊帳の外にいさせて下さい!!〜

白黒ニャン子(旧:白黒ニャンコ)
BL
『君の死は手違いです』 光の後、体に走った衝撃。 次に目が覚めたら白い部屋。目の前には女の子とも男の子ともとれる子供が1人。 『この世界では生き返らせてあげられないから、別の世界で命をあげるけど、どうする?』 そんなの、そうしてもらうに決まってる! 無事に命を繋げたはいいけど、何かおかしくない? 周りに集まるの、みんな男なんですけど⁈ 頼むから寄らないで、ほっといて!! せっかく生き繋いだんだから、俺は地味に平和に暮らしたいだけなんです! 主人公は至って普通。容姿も普通(?)地位は一国の第13番目の皇子。平凡を愛する事なかれ主義。 主人公以外(女の子も!)みんな美形で美人。 誰も彼もが、普通(?)な皇子様をほっとかない!!? *性描写ありには☆マークつきます。 *複数有り。苦手な方はご注意を!

シンギュラリティはあなたの目の前に… 〜AIはうるさいが、仕事は出来る刑事〜

クマミー
SF
 これは未来の話… 家事、医療、運転手、秘書など… 身の回りの生活にアンドロイドが 広まり始めた時代。  警察に事件の一報があった。それは殺人事件。被害者は男性で頭を殴られた痕があった。主人公風見刑事は捜査を進め、犯人を追う最中、ある事実に到達する。  そこで風見たちは知らぬ間に自分たちの日常生活の中に暗躍するアンドロイドが存在していることを知ることになる。 登場人物 ・風見類 この物語はコイツの視点のことが多い。 刑事になって5年目でバリバリ現場で張り切るが、 少し無鉄砲な性格が災いして、行き詰まったり、 ピンチになることも… 酔っ払い対応にはウンザリしている。 ・KeiRa 未来の警察が採用した高性能AI検索ナビゲーションシステム。人間の言葉を理解し、的確な助言を与える。 常に学習し続ける。声は20代後半で設定されているようだ。常に学習しているせいか、急に人間のような会話の切り返し、毒舌を吐いてくることもある。

たまには働かないと、格好がつかないし、ね?

氷室ゆうり
恋愛
さて、今回は異形化、というか融合系ですね。少しばかり男体化要素もあるかなぁ?杏理君はなんだかんだ私の小説では頑張ってくれます。ちょっとばかり苦手な人もいるかもしれませんが、なるべくマイルドに書いたつもりです。…たぶん。 ああ、ダークにはしていないのでそこはご安心ください。 今回も、r18です。 それでは!

A hero from the darkness of chaos. Its name is Kirk

黒神譚
BL
異界の神や魔神、人間の英雄が絡み合う壮大なスケールで描かれる本格的ファンタジー。 人間の欲望や狂気を隠すことなく赤裸々(せきらら)に綴(つづ)っているので、一般的に温いストーリー設定が多いWEB小説には似つかわしくない、かなり大人向けの作品です。(「小説家になろう」からの移行作品。) ※本作は本格的なファンタジー作品で単純にBL作品とは言い難いです。ですが主人公は両性愛者で男女にかかわらず恋愛をし、かなり濃厚な関係を持つのでBL、女性向けタグとさせて頂きました。 ●ストーリー 争いの絶えない人類は魔王ドノヴァンの怒りを買い、粛清(しゅくせい)されるが、そこではじめて人類は戦争をやめて協力し合うことができた。それを見届けた魔王ドノヴァンは人類に1000年の不戦を約束させて眠りについた。 だが、人類は1000年間も平和を保てずに、やがて争いを始めるようになってしまった。 時は流れて1000年の契約期間が終わりそうになってから、人類は自分の愚かさを悔やんだ。 世界が魔王に滅ぼされると恐れていたその時、一人の神官が今から30年後に救いの聖者が現れると予言するのだった。

王太子さま、侍女を正妃にするなど狂気の沙汰ですぞ!

家紋武範
恋愛
侍女アメリアは王宮勤め。宰相の息子のルイスに恋心を抱いていたが、それが叶ってルイスよりプロポーズされた。それを王太子に伝えると、王太子はルイスへは渡さないとさらって軟禁してしまう。アメリアは軟禁先より抜け出そうと苦心する。

処理中です...