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エルデリオンの過去の夢
気まずい昼食
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その後四回。
食事の間、エルデリオンは視線をレジィリアンスにふと向け…。
昨日の夢のように幸せだった、レジィリアンスを腕の中に抱き、挿入した感触を思い返しては幸福感に浸り、ヘイゼルの瞳を夢見心地に潤ませ。
レジィリアンスはエルデリオンの視線と思惑に気づき、かっ!と頬を染めて俯き。
次の瞬間、エウロペは咄嗟顔を上げ、エルデリオンに鋭い視線を送る。
が、当のエルデリオンはレジィリアンスに見とれ、気づかず。
横のデルデロッテがフォークを持ち上げながら気づくと、隣のエルデリオンにそっ…と肘を触れさす。
デルデロッテの腕の温もりを感じた途端、エルデリオンの関心はレジィリアンスから離れてデルデロッテへと向き…。
デルデロッテは肉を頬張りながら、エウロペにチラと
“もう安全だ”
と視線を送って合図する…。
を繰り返した。
エリューンはエルデリオンを睨もうと顔を振るが、エルデリオンの手前に居るラステルが必ず振り向き、にっこり笑って気をそらす。
ロットバルトはレジィリアンスが恥ずかしげに頬を染める度、グラスを取ろうと、もしくはフォークを口に運びかけ、一瞬でその手をピタリと止め、固まり。
横のテリュスは突然固まるロットバルトを見て、ぎょっ!とし、慌ててレジィリアンスに振り向いて様子を伺い。
レジィリアンスの横のエウロペは、覗うテリュスに毎度安心させるように頷き、テリュスはその後周囲を見回し、レジィリアンスから視線を、横のデルデロッテに向けるエルデリオン。
呪縛が解けたように、ほっとするレジィリアンス。
そしてレジィリアンスの気持ちを解きほぐすように、優しく語りかけるエウロペ。
固まりの溶けたロットバルト。
ラステルの笑顔に阻まれ、睨みそびれてふてくされるエリューン。
…を見、その気まずい食事風景に、ため息を吐き出した。
レジィリアンスはエルデリオンに熱い視線を向けられる度、昨日の出来事を生々しく思い出し、意識した途端恥ずかしさでどうにかなりそうで、一気に気持ちがざわつくけど。
エウロペに優しく話しかけられ、ほっとして自分を取り戻した。
デザートが終わった頃、ようやくエルデリオンが真っ直ぐレジィリアンスを見つめ、囁く。
「あの…もし良ければ…この後庭園を少し、散歩しませんか?」
けれど横のエウロペにきつい緑の瞳で見つめられ、流石のエルデリオンもやっとエウロペに視線を向けた。
「レジィリアンス殿はまだ、混乱状態。
これ以上貴方に嫌悪感を持てば、貴方の思惑である花嫁になる事など、到底無理」
エルデリオンはエウロペのその言葉の一語一語が、はっきり心に刻み込まれるように響き、心臓がどくん…!と跳ねた。
障壁は申し出を蹴った、レジィリアンスの父王だけだと…勘違いしてた。
まさか焦がれたレジィリアンスに…それ程嫌われるなんて、考え及びもしなかった…。
エルデリオンが気落ちしたように、顔を下げて囁く。
「…そちらの事情も気遣えず、申し訳無い事をした」
…けれど。
自国の父母ですら、味方の筈の従者らですら…。
“無理は止めて、彼の事は忘れろ”
と…自分の欲する心が間違ってると、立ちはだかる。
エルデリオンは反対されればされる程、狂おしくレジィリアンスを求める渇望を激しく感じ、心の中で彼らに、思い切り首を横に振った。
レジィリアンスはエルデリオンの謝罪の言葉を聞き、どれほどほっとした事か…。
微笑みすら、浮かべかけたものの、その後エルデリオンがきついヘイゼルの瞳をエウロペに向けるのを見て、一気に不安そうに、エウロペに振り向いた。
まるで、挑戦状を叩きつけるように…エウロペに突きつける。
「が、どうしても二人きりで、話がしたい」
エウロペがエルデリオンの挑戦を受けるかのように、鋭い緑の瞳で見つめ返し、口を開きかけた時。
レジィリアンスが慌てて叫ぶ。
「どうかエウロペを…!」
エルデリオンはびっくりして、叫ぶレジィリアンスに視線を向ける。
「エウロペを私の側から…下がらせないで下さい…!
もしエウロペが私から離されて国に帰らせられるのなら…私も彼と一緒に、貴方の元から下がります!」
エルデリオンは“二人きりで話がしたい”から、どうしてそこまで話が飛ぶのか。
さっぱり分からず、それでも打ちひしがれながらも決死で祈るように自分を見つめる、レジィリアンスの可憐な姿を見つめる。
エウロペは横で、低く鋭い声でレジィリアンスに囁く。
「…おっしゃいなさい。
なぜ馬車の中で…どれ程助けを叫びたくとも出来なかったか!
その時の気持ちを!」
レジィリアンスはエウロペの言葉を聞き、狼狽えながらも…言葉を紡ぎ出す。
「…え…あの……。
本当は、貴方に衣服を脱がされた時…エウロペを呼びたかった…。
彼なら…いつでもどんな時でも、私を助け出してくれるから…!」
言い切った後、その時の気持ちを鮮明に思い出したのか…とても気落ちしたように顔を俯け、涙を我慢し、掠れた声で囁く。
「…でも…大国の王子である貴方の行為を阻んだと…エウロペは貴方に処分されてしまうかもしれない…!
ですから…彼を…どれほど呼びたくても、呼べなかった…」
エルデリオンはその言葉を聞き、愕然として顔を下げる。
「…つまり私の行為が…さほど嫌では無く、ただ恥ずかしくって声を殺していらっしゃったのでは無く…」
レジィリアンスは俯いたまま頷く。
「出来るのなら…馬車から直ぐ、逃げ出したかった………」
テーブルに両手を付き、顔を下げるエルデリオンを、従者らは沈黙の中、見つめる。
テリュスだけが、飲みかけのグラスを手に、突然始まった攻防とレジィリアンスの本心の吐露に驚きすぎて、ひゃっくりを始めた。
「ひっ!ひっ…ひっひっ…!」
そして首を横に捻り、また
「…ひっ!」
食事の間、エルデリオンは視線をレジィリアンスにふと向け…。
昨日の夢のように幸せだった、レジィリアンスを腕の中に抱き、挿入した感触を思い返しては幸福感に浸り、ヘイゼルの瞳を夢見心地に潤ませ。
レジィリアンスはエルデリオンの視線と思惑に気づき、かっ!と頬を染めて俯き。
次の瞬間、エウロペは咄嗟顔を上げ、エルデリオンに鋭い視線を送る。
が、当のエルデリオンはレジィリアンスに見とれ、気づかず。
横のデルデロッテがフォークを持ち上げながら気づくと、隣のエルデリオンにそっ…と肘を触れさす。
デルデロッテの腕の温もりを感じた途端、エルデリオンの関心はレジィリアンスから離れてデルデロッテへと向き…。
デルデロッテは肉を頬張りながら、エウロペにチラと
“もう安全だ”
と視線を送って合図する…。
を繰り返した。
エリューンはエルデリオンを睨もうと顔を振るが、エルデリオンの手前に居るラステルが必ず振り向き、にっこり笑って気をそらす。
ロットバルトはレジィリアンスが恥ずかしげに頬を染める度、グラスを取ろうと、もしくはフォークを口に運びかけ、一瞬でその手をピタリと止め、固まり。
横のテリュスは突然固まるロットバルトを見て、ぎょっ!とし、慌ててレジィリアンスに振り向いて様子を伺い。
レジィリアンスの横のエウロペは、覗うテリュスに毎度安心させるように頷き、テリュスはその後周囲を見回し、レジィリアンスから視線を、横のデルデロッテに向けるエルデリオン。
呪縛が解けたように、ほっとするレジィリアンス。
そしてレジィリアンスの気持ちを解きほぐすように、優しく語りかけるエウロペ。
固まりの溶けたロットバルト。
ラステルの笑顔に阻まれ、睨みそびれてふてくされるエリューン。
…を見、その気まずい食事風景に、ため息を吐き出した。
レジィリアンスはエルデリオンに熱い視線を向けられる度、昨日の出来事を生々しく思い出し、意識した途端恥ずかしさでどうにかなりそうで、一気に気持ちがざわつくけど。
エウロペに優しく話しかけられ、ほっとして自分を取り戻した。
デザートが終わった頃、ようやくエルデリオンが真っ直ぐレジィリアンスを見つめ、囁く。
「あの…もし良ければ…この後庭園を少し、散歩しませんか?」
けれど横のエウロペにきつい緑の瞳で見つめられ、流石のエルデリオンもやっとエウロペに視線を向けた。
「レジィリアンス殿はまだ、混乱状態。
これ以上貴方に嫌悪感を持てば、貴方の思惑である花嫁になる事など、到底無理」
エルデリオンはエウロペのその言葉の一語一語が、はっきり心に刻み込まれるように響き、心臓がどくん…!と跳ねた。
障壁は申し出を蹴った、レジィリアンスの父王だけだと…勘違いしてた。
まさか焦がれたレジィリアンスに…それ程嫌われるなんて、考え及びもしなかった…。
エルデリオンが気落ちしたように、顔を下げて囁く。
「…そちらの事情も気遣えず、申し訳無い事をした」
…けれど。
自国の父母ですら、味方の筈の従者らですら…。
“無理は止めて、彼の事は忘れろ”
と…自分の欲する心が間違ってると、立ちはだかる。
エルデリオンは反対されればされる程、狂おしくレジィリアンスを求める渇望を激しく感じ、心の中で彼らに、思い切り首を横に振った。
レジィリアンスはエルデリオンの謝罪の言葉を聞き、どれほどほっとした事か…。
微笑みすら、浮かべかけたものの、その後エルデリオンがきついヘイゼルの瞳をエウロペに向けるのを見て、一気に不安そうに、エウロペに振り向いた。
まるで、挑戦状を叩きつけるように…エウロペに突きつける。
「が、どうしても二人きりで、話がしたい」
エウロペがエルデリオンの挑戦を受けるかのように、鋭い緑の瞳で見つめ返し、口を開きかけた時。
レジィリアンスが慌てて叫ぶ。
「どうかエウロペを…!」
エルデリオンはびっくりして、叫ぶレジィリアンスに視線を向ける。
「エウロペを私の側から…下がらせないで下さい…!
もしエウロペが私から離されて国に帰らせられるのなら…私も彼と一緒に、貴方の元から下がります!」
エルデリオンは“二人きりで話がしたい”から、どうしてそこまで話が飛ぶのか。
さっぱり分からず、それでも打ちひしがれながらも決死で祈るように自分を見つめる、レジィリアンスの可憐な姿を見つめる。
エウロペは横で、低く鋭い声でレジィリアンスに囁く。
「…おっしゃいなさい。
なぜ馬車の中で…どれ程助けを叫びたくとも出来なかったか!
その時の気持ちを!」
レジィリアンスはエウロペの言葉を聞き、狼狽えながらも…言葉を紡ぎ出す。
「…え…あの……。
本当は、貴方に衣服を脱がされた時…エウロペを呼びたかった…。
彼なら…いつでもどんな時でも、私を助け出してくれるから…!」
言い切った後、その時の気持ちを鮮明に思い出したのか…とても気落ちしたように顔を俯け、涙を我慢し、掠れた声で囁く。
「…でも…大国の王子である貴方の行為を阻んだと…エウロペは貴方に処分されてしまうかもしれない…!
ですから…彼を…どれほど呼びたくても、呼べなかった…」
エルデリオンはその言葉を聞き、愕然として顔を下げる。
「…つまり私の行為が…さほど嫌では無く、ただ恥ずかしくって声を殺していらっしゃったのでは無く…」
レジィリアンスは俯いたまま頷く。
「出来るのなら…馬車から直ぐ、逃げ出したかった………」
テーブルに両手を付き、顔を下げるエルデリオンを、従者らは沈黙の中、見つめる。
テリュスだけが、飲みかけのグラスを手に、突然始まった攻防とレジィリアンスの本心の吐露に驚きすぎて、ひゃっくりを始めた。
「ひっ!ひっ…ひっひっ…!」
そして首を横に捻り、また
「…ひっ!」
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