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エルデリオンの過去の夢
エルデリオンの夢 6
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エルデリオンは寝台に横たわりながら…囁く声を聞いた。
「…森と花の王国〔シュテフザイン〕の者達は…?」
「起きていらっしゃって、もう食事を取ってる」
ロットバルトとラステルだ…。
そして、声をひそめ囁く声。
「…もう少し…起きるまで、寝かせた方が…」
「同感だ。
ちゃんと睡眠を取れば、正常な状況判断も、戻って来る…」
パタン…扉が閉まる。
エルデリオンは起きようとした。
けれど…あまりに眠すぎて、目が開けられない…。
気づくと深い眠りに就いて、横に…成長したデルデロッテが居た。
あれから…ずっと側に居てくれた。
厳しい大人達の従者に混じって。
少しずつ…背が伸び、他の従者らに見劣りしない体格となり…。
その頃には宮廷舞踏会で毎度、美女らに口説かれていて…。
どんどん大人になっていくデルデロッテに…置いて行かれないよう必死で…大人の、フリをした。
一線引くように接しられ…寂しかったけど、城から出た際、不逞の輩に襲いかかられると…デルデロッテはいつも真っ先に前に飛び出し、私を背に回し、命がけで戦ってくれる。
それが…その時が。
どれ程嬉しかったか…。
私は、変だ。
なぜ…あれ程恋い焦がれたレジィリアンスでは無く、デルデロッテの事を思い返してるんだろう…?
そう…寂しかった。
デルデは美女らに乞われ、時間がある時はいつも…彼女らと過ごしていたから…。
デルデロッテと二人の冒険の時は…王となるため、修行の旅へと変わり…。
従者らと厳しい土地へ、出向く旅へとなった。
時には過酷で、食料も手に入らない事すらあった…。
けれどデルデロッテは。
いつも無言で側に居てくれる。
深い森で深夜、狼の群れに囲まれ、正直膝が震って恐怖に力の抜けそうだった時も。
高い崖から足を滑らせ…深い渓谷に、落ちて行きそうだった時も。
助けてくれたのは、いつもデルデロッテ…。
けれどそんな危機の時以外、彼は…美女達のもの…。
言葉使いも丁寧になり、距離を感じたけれど…従者の地位にいるから、仕方無い…。
“けれど、ずっと寂しかった…。
昔みたいに…”
そう、思った時横に、デルデロッテが居た。
いつか湯殿で見たみたいに、上半身裸…。
見事に引き締まった…男らしい裸体。
従者らの中でも、一番の長身で、どんな美女すら虜にしてしまう美丈夫…。
けれどその時。
エルデリオンは自分も裸だと、突然気づく。
朝陽の中の寝台。
「…目覚めたのか…?」
デルデロッテはそう言って…寝台に横たわる、私にのし掛かり、その長い腕で抱きしめて…美貌の顔を傾け、甘い…口づけをする。
エルデリオンはそこで、あんまりびっくりして、目を覚ます。
ぱっちりと目は開き、けれど暫く…裸のデルデロッテと、しとねを過ごしたかのような…。
夜の情事の、後の朝陽の中のような…。
情景が、あんまり鮮明で…周囲を見る。
デルデロッテは居ない。
そして自分は…裸では無く、服を着ていた………。
両扉を開け、応接間を覗くと。
ロットバルトもラステルもが、食事をテーブルに並べ、デルデロッテは横の一人掛け用ソファにかけ、グラス片手にチラ…と艶を帯びた濃紺の瞳を向ける。
どんな女も見惚れる程の、美しい男らしさ。
けれどその時。
夢で見たデルデロッテの裸の上半身が思い浮かび、エルデリオンは咳払って自重し、囁く。
「寝過ごしたか?」
けれどラステルは、微笑んだ。
「よく眠っていらっしゃったので」
エルデリオンはラステルに開けられた横に腰掛けると、正面のデルデロッテを極力見ないようにして、フォークを取り上げ食事を始めた。
「…森と花の王国〔シュテフザイン〕の者達は…?」
「起きていらっしゃって、もう食事を取ってる」
ロットバルトとラステルだ…。
そして、声をひそめ囁く声。
「…もう少し…起きるまで、寝かせた方が…」
「同感だ。
ちゃんと睡眠を取れば、正常な状況判断も、戻って来る…」
パタン…扉が閉まる。
エルデリオンは起きようとした。
けれど…あまりに眠すぎて、目が開けられない…。
気づくと深い眠りに就いて、横に…成長したデルデロッテが居た。
あれから…ずっと側に居てくれた。
厳しい大人達の従者に混じって。
少しずつ…背が伸び、他の従者らに見劣りしない体格となり…。
その頃には宮廷舞踏会で毎度、美女らに口説かれていて…。
どんどん大人になっていくデルデロッテに…置いて行かれないよう必死で…大人の、フリをした。
一線引くように接しられ…寂しかったけど、城から出た際、不逞の輩に襲いかかられると…デルデロッテはいつも真っ先に前に飛び出し、私を背に回し、命がけで戦ってくれる。
それが…その時が。
どれ程嬉しかったか…。
私は、変だ。
なぜ…あれ程恋い焦がれたレジィリアンスでは無く、デルデロッテの事を思い返してるんだろう…?
そう…寂しかった。
デルデは美女らに乞われ、時間がある時はいつも…彼女らと過ごしていたから…。
デルデロッテと二人の冒険の時は…王となるため、修行の旅へと変わり…。
従者らと厳しい土地へ、出向く旅へとなった。
時には過酷で、食料も手に入らない事すらあった…。
けれどデルデロッテは。
いつも無言で側に居てくれる。
深い森で深夜、狼の群れに囲まれ、正直膝が震って恐怖に力の抜けそうだった時も。
高い崖から足を滑らせ…深い渓谷に、落ちて行きそうだった時も。
助けてくれたのは、いつもデルデロッテ…。
けれどそんな危機の時以外、彼は…美女達のもの…。
言葉使いも丁寧になり、距離を感じたけれど…従者の地位にいるから、仕方無い…。
“けれど、ずっと寂しかった…。
昔みたいに…”
そう、思った時横に、デルデロッテが居た。
いつか湯殿で見たみたいに、上半身裸…。
見事に引き締まった…男らしい裸体。
従者らの中でも、一番の長身で、どんな美女すら虜にしてしまう美丈夫…。
けれどその時。
エルデリオンは自分も裸だと、突然気づく。
朝陽の中の寝台。
「…目覚めたのか…?」
デルデロッテはそう言って…寝台に横たわる、私にのし掛かり、その長い腕で抱きしめて…美貌の顔を傾け、甘い…口づけをする。
エルデリオンはそこで、あんまりびっくりして、目を覚ます。
ぱっちりと目は開き、けれど暫く…裸のデルデロッテと、しとねを過ごしたかのような…。
夜の情事の、後の朝陽の中のような…。
情景が、あんまり鮮明で…周囲を見る。
デルデロッテは居ない。
そして自分は…裸では無く、服を着ていた………。
両扉を開け、応接間を覗くと。
ロットバルトもラステルもが、食事をテーブルに並べ、デルデロッテは横の一人掛け用ソファにかけ、グラス片手にチラ…と艶を帯びた濃紺の瞳を向ける。
どんな女も見惚れる程の、美しい男らしさ。
けれどその時。
夢で見たデルデロッテの裸の上半身が思い浮かび、エルデリオンは咳払って自重し、囁く。
「寝過ごしたか?」
けれどラステルは、微笑んだ。
「よく眠っていらっしゃったので」
エルデリオンはラステルに開けられた横に腰掛けると、正面のデルデロッテを極力見ないようにして、フォークを取り上げ食事を始めた。
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