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エルデリオンの過去の夢
エルデリオンの夢 3
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ああそう…。
私が、12になった頃…。
それまでほんの遊び程度だった剣の講師が、変わったのをきっかけに。
剣術は一段と厳しくなり。
側付きの従者らが、常に付き従うようになっていた。
以前はずっと居なかったのに。
城の外に出る時とか。
別の国の客人が訪問した時とか…。
デルデロッテ始め遊び相手らは皆、城からは下がるように言い渡され、それまでの状況から、取り巻く者達は変わり始め…。
“王となるため”
物々しい取り巻き達が周囲を固め始め、皆、厳しい顔をした大人だらけ…。
私はその時も、必死に抗議した。
デルデロッテを従者にしてくれるように。
デルデロッテは14才。
それでは従者になれる資格は無い。
若すぎる…と。
けれど私があまりに言い続けるので、とうとう…試験をする事となった…。
三人の剣豪と戦い、勝てば従者と認めると。
広い…円形の闘技場で、その戦いは始まった。
デルデロッテは年の割に背は高かったとはいえ、まだ細く…相手の剣豪は筋肉隆々…。
父王と、母王妃の横で。
ハラハラしながら、見守った。
相手は林で出会った時の、盗賊と同じ。
餓鬼と…デルデロッテをニヤニヤ笑って…侮った。
二度…三度と、デルデロッテは剣を派手に弾かれ…圧倒的な強さを剣豪は見せつけ…。
それからも幾度も嬲られるように剣をブツけられ、デルデロッテは剣を合わせるけれど…体格差で、止めた剣毎吹っ飛ばされる…。
転んだところに剣を振られ、それでもデルデロッテは転がって避け…。
剣は幾度も掠り、彼は掠り傷をあちこちに負い、傷だらけで圧倒的不利…。
見物人達は、首を横に振って
「どだい、無茶な試験だ」
「なんだって、やらせたんだ?
結果は見えてたのに」
と呟いてる。
私はもう…デルデロッテが砂埃と掠り傷から滴る血で汚れ、今また剣を振り込まれてるのを見て…。
“もう、止めて…!
これ以上、怪我しないで…!
私が…悪かったんだ!!!我が儘言ったから…!”
そう心の中で叫びながら、デルデロッテがこれ以上苦しまないよう…必死で祈った。
デルデロッテはチラ…と…私に視線を投げた。
私は必死に、デルデロッテを見つめた。
デルデロッテから返された視線。
それは…折れぬ強い濃紺の瞳だった…。
次の瞬間。
デルデロッテは相手に突進しながらも低く…腰が下の砂につかんばかりに低く身を下げ、相手の間近で下から剣を、思いっきり突き出した。
砂が舞い散り、デルデロッテの剣を剣豪は避けられず…。
デルデロッテが、勝った…。
円形の見物席から、おおっ!と驚愕の声が飛ぶ。
たった一人の剣豪ですら、嬲り斬りつけられて、倒す事などあり得ず、討ち取られる。
皆、そう思っていたから…。
けれど私は、両手を合わせ、祈るようにデルデロッテを見つめる。
勝っても、デルデロッテは顔色を変えない…。
“後、二人…!”
デルデロッテの厳しい顔付きは、そう告げていた。
思ってた。
デルデロッテに一言も“従者になりたい”と聞いていない。
私の我が儘で、こんな事態になった。
けれどデルデロッテはその事について、一言も言わず…。
ただ黙って、試験の日取りと取り決めを聞き…そして今、あの場に立っている。
砂で覆われた闘技場に…。
私が、12になった頃…。
それまでほんの遊び程度だった剣の講師が、変わったのをきっかけに。
剣術は一段と厳しくなり。
側付きの従者らが、常に付き従うようになっていた。
以前はずっと居なかったのに。
城の外に出る時とか。
別の国の客人が訪問した時とか…。
デルデロッテ始め遊び相手らは皆、城からは下がるように言い渡され、それまでの状況から、取り巻く者達は変わり始め…。
“王となるため”
物々しい取り巻き達が周囲を固め始め、皆、厳しい顔をした大人だらけ…。
私はその時も、必死に抗議した。
デルデロッテを従者にしてくれるように。
デルデロッテは14才。
それでは従者になれる資格は無い。
若すぎる…と。
けれど私があまりに言い続けるので、とうとう…試験をする事となった…。
三人の剣豪と戦い、勝てば従者と認めると。
広い…円形の闘技場で、その戦いは始まった。
デルデロッテは年の割に背は高かったとはいえ、まだ細く…相手の剣豪は筋肉隆々…。
父王と、母王妃の横で。
ハラハラしながら、見守った。
相手は林で出会った時の、盗賊と同じ。
餓鬼と…デルデロッテをニヤニヤ笑って…侮った。
二度…三度と、デルデロッテは剣を派手に弾かれ…圧倒的な強さを剣豪は見せつけ…。
それからも幾度も嬲られるように剣をブツけられ、デルデロッテは剣を合わせるけれど…体格差で、止めた剣毎吹っ飛ばされる…。
転んだところに剣を振られ、それでもデルデロッテは転がって避け…。
剣は幾度も掠り、彼は掠り傷をあちこちに負い、傷だらけで圧倒的不利…。
見物人達は、首を横に振って
「どだい、無茶な試験だ」
「なんだって、やらせたんだ?
結果は見えてたのに」
と呟いてる。
私はもう…デルデロッテが砂埃と掠り傷から滴る血で汚れ、今また剣を振り込まれてるのを見て…。
“もう、止めて…!
これ以上、怪我しないで…!
私が…悪かったんだ!!!我が儘言ったから…!”
そう心の中で叫びながら、デルデロッテがこれ以上苦しまないよう…必死で祈った。
デルデロッテはチラ…と…私に視線を投げた。
私は必死に、デルデロッテを見つめた。
デルデロッテから返された視線。
それは…折れぬ強い濃紺の瞳だった…。
次の瞬間。
デルデロッテは相手に突進しながらも低く…腰が下の砂につかんばかりに低く身を下げ、相手の間近で下から剣を、思いっきり突き出した。
砂が舞い散り、デルデロッテの剣を剣豪は避けられず…。
デルデロッテが、勝った…。
円形の見物席から、おおっ!と驚愕の声が飛ぶ。
たった一人の剣豪ですら、嬲り斬りつけられて、倒す事などあり得ず、討ち取られる。
皆、そう思っていたから…。
けれど私は、両手を合わせ、祈るようにデルデロッテを見つめる。
勝っても、デルデロッテは顔色を変えない…。
“後、二人…!”
デルデロッテの厳しい顔付きは、そう告げていた。
思ってた。
デルデロッテに一言も“従者になりたい”と聞いていない。
私の我が儘で、こんな事態になった。
けれどデルデロッテはその事について、一言も言わず…。
ただ黙って、試験の日取りと取り決めを聞き…そして今、あの場に立っている。
砂で覆われた闘技場に…。
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