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第13話 『勇者も住み着いた』
しおりを挟むなんやかんやで勇者まで住み着いた。元々敵であったが凄い友好的に接してくる。しかもセクハラもしてくる。
しかし、三人がここに寝泊まりするとなると、流石に狭い。勇者には外で寝泊まりしてもらっていたが、ある朝、怒鳴り声が聞こえた。
それは女性の声。女性は怒っており、勇者は誤っているようだ。
私とアベルが気になって外を覗くとそこには金髪にドレス姿の麗しい女性がいる。
「あ、お母さん」
アベルはそう言った。もうここまで来たらどこかのお姫様だろうともう驚かない。
しかし、あれほどに美しくドレスを着こなしていると、どのような人物なのか気になる。
「ねぇ、あなたのお母さんは何者なの?」
「ん、お母さんはですね。お父さんの幼馴染でコスプレ好きなんです。だから、いろんな服を持ってるんです」
そっちのルートだったらしい。というか紛らわしい。
しかし、朝から騒がしい。私が注意しようと外に出ると、奥さんは私を睨んできた。
「あなたが私の旦那をたぶらかしたのね」
そう言い奥さんは私に腹を立てながら近づいてくる。今にも殴ってきそうな危険な感じだ。
「い、いえ、そうじゃなくて。突然住み着いてきたと言うか。私的には帰って欲しいと言うか」
実際それが本心だ。私は勇者となんか暮らしたくない。
その時、家の入り口が開き、今度はアベルが現れた。
「お母さん。待って!」
アベルが誤解を解こうとやって来るが、このタイミングで来られるとさらに誤解を招きそうだ。
しかし、奥さんはアベルを見ると、少し落ち着きを取り戻す。
そしてアベルが説明を始め、なんだかんだで納得したお母さんは、勇者を縄で縛る。
「ごめんなさいね。誤解しちゃって~。じゃあ、うちの息子を魔王にしてくださいね」
そして帰って行った。てか、息子も連れて帰って欲しい。
というか、この子に私が教えられることはないんだが!!
こうして私は親公認の師匠になってしまった。
【後書き】
魔王にしないと怒られるんじゃないかな。
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