BLACK EDGE

ピラフドリア

文字の大きさ
上 下
263 / 352

 第261話  【BLACK EDGE 其の261 王都で見かけた】

しおりを挟む
 BLACK EDGE


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第261話
 【BLACK EDGE 其の261 王都で見かけた】



 フリジア村。そこから少し歩いたところにある一軒の家。そこに一人の女性が住んでいた。



「うーんと、これと、これと、これも入れちゃえ!!」



 鍋の中に次々と食材を入れていく。朝食の調理をしていると、玄関の扉が叩かれた。



 火を消してから玄関に向かう。扉を開けるとそこにいたのは、金髪碧眼に青いコートを着た男。




「ブレイド兄様!」



 それは王都ガルデニアにいるはずの兄だった。



「久しぶりです。ブレイド兄様…………」



 リナはブレイドがやってきたことを驚く。



 ブレイドがここに来るのは久しぶりだ。



「久しぶりだな。リナ……」



「どうしたのですか?」



 リナが聞くとブレイドは答えた。



「王都での騒ぎを知っているか?」



「はい。村でも噂になっていました。兄様が活躍なされたことも聞いております」



 あの事件はグリモワールという組織の赤崎という男が起こした事件だった。そしてそれを捕まえたのは王国兵ということになっている。



 その理由はグリモワールを大々的に世間に晒すことができないのと、グリモワールを倒した人物を隠すことになったからだ。
 なぜかは分からない。王都で過去に有名だった賞金稼ぎ。しかし、なぜそれを王国は隠すのか、そしてグリモワールも隠そうとするのか。



 だが、それ以外にブレイドは驚くことがその事件の時に起こっていた。




「俺はその事件の時、兄さんにあったかもしれない」



 ブレイドの言葉を聞いたリナは驚く。



「兄さんに!? 本当ですか!!」



「ああ、手紙では伝えたが、俺たちの故郷はすでに無くなっており、兄さんの行方も分からなかった。兵士と共に各地を歩き回ったが何の情報も得られなかった。だが、俺はあの事件の時に兄さんに会ったんだ」



 それを聞いたリナは喜ぶ。



 この前にリナもその人物に似た人に出会った。話しかけることはできず、遠くから見ただけだったが、もしかしたらそうだったのかもしれない。



 しかし、喜ぶリナに真剣な表情でブレイドが話しかけた。



「だが、決して兄さんを信用するな」



「どうしてですか? あの優しかった兄さんですよ?」



 ブレイドはあの時の戦いを思い出す。そして黒いオーラを纏い、巨大なゴーレムを倒す姿を思い出した。



「もしかしたらもう、兄さんは俺たちの知る存在じゃ無いのかもしれない。俺が見た兄さんは、俺の知る兄さんじゃなかった。だから、決して信用するな」







しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 ***************************** ***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。*** ***************************** マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜 

八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。 第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。 大和型三隻は沈没した……、と思われた。 だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。 大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。 祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。 ※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています! 面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※ ※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

処理中です...