BLACK EDGE

ピラフドリア

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 第190話  【BLACK EDGE 其の190 美しき鳥】

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 BLACK EDGE


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第190話
 【BLACK EDGE 其の190 美しき鳥】




 スワンはロジョンの攻撃を受けて、それにより術が発動。肉体が強化されたのだ。



「…………はい。あなたの能力は情報通りです」



 ロジョンはそう言うと、今度は三回連続で箒でスワンの顔面を殴る。左右から交互に殴り、そのどれもが一撃必殺の威力を持っていた。



 しかし、スワンはロジョンの攻撃を受けても、身体を動かすことはない。だが、一切ダメージがないわけではない。スワンの頬は赤く腫れており、口からは血も出ている。
 だが、それでもスワンは一歩も引かなかった。そして腕も組んだまま動かさなかった。



 ロジョンが三回攻撃した分、スワンの肉体は大きく膨れ上がる。さらに筋肉が大きくなり、スワンの着ていたワンピースはパツパツだ。



「…………分かっているのに攻撃するのね。舐められたものね。私も…………」



 ついにスワンが動いた。腕組みを止めて、右手を握り締めるとその手を天高く上げた。



「今までの分、お返しするわよ」



 スワンは太い拳を振り下ろした。狙うはロジョンの頭部。スワンの拳骨がロジョン目掛けて襲いかかる。



 ロジョンはスワンの振り下ろされる腕を見ると、身体を一歩後ろに後退させる。それは単純に退がったのではなく、スワンの拳をギリギリまで引き寄せて、それから避けたのだ。



「……その動きも想定範囲内です」



 スワンの拳はロジョンの鼻をスレスレで通過する。ロジョンが避けたと思った。しかし、



「っ!?」



 ロジョンが避けたと同時にロジョンの目の前から右手が消えた。そしてロジョンの腹にスワンの太い拳が突き刺さった。



 ロジョンはスワンの攻撃を喰らい、宿の天井に激突すると壁を突き破った後、一つ上の階で失速し、空いた穴から落下してきた。



 倒れたロジョンを見下す。



「私の力はパワーだけじゃないの。スピードも上昇するのよ。…………あなた達はそんな情報も知らなかったの?」



 ロジョンは倒れた状態のまま、落ちた箒に手を伸ばす。そして掴むとそれを引き寄せて、箒を杖代わりにして立ち上がる。



「……想定以上のスピード。赤崎博士の計算にミスがあるとは…………。しかし、これで新たに計測できました。もうあなたに負ける要素はありません」



 ロジョンは箒を握りしめて通常の立ちに戻る。簡単に治るような攻撃ではなかったはずだ。しかし、ロジョンはダメージを感じさせない立ち振る舞いをした。



「さぁ、あなたの削除を行いましょう」








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