41 / 350
第40話 【BLACK EDGE 其の40 殴りと握手】
しおりを挟む
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第40話
【BLACK EDGE 其の40 殴りと握手】
王都ガルデニアに到着したブラッドとフェアは王都を探索していた。予定よりも早く着くことができた。
ここで必要なものを購入してさらに先に進む。
今から出ても次の村までは日が出ている間にはつかないので、今回は王都に泊まる。そのための宿も探していた。
「ねー、ねー、あそこなんでどう?」
フェアは初めての王都に興奮気味だ。走り回って王都をキョロキョロしているフェアはちょっとお高そうな宿を指差した。
ブラッドはその宿を見るが、少し悩んだ後、
「そこはちょっと高いな。もう少し安いところで頼む」
ブラッドがそう言うとフェアはまたキョロキョロした後、今度はボロボロな宿を指差した。王都の中でも特にボロい宿だ。今にも崩れそうな見た目をしている。
「そこまで安くなくて良い……。金はそこそこあるから……」
「えー、面白そうなのにー」
何が面白いのだろうか。極端すぎるフェアだが、楽しんでいるのだからとブラッドはやれやれと様子を見守る。
その後もいろんな宿をくるくると周り、良い宿を見つけることができた。
「ここは?」
「ま、ここなら良いか。早速部屋を取ってくる。その後は買い出しに行くぞ」
部屋を借りるために宿の中に入り、店主にお金を払う。部屋を二つ借りて、ブラッドとフェアが荷物を置いて外に出ようとすると……。
入口から大柄な男が入ってきた。ツンツン頭の背中に大剣を背負っている男。
その男とブラッドは顔を合わせると、
「「あ……」」
と二人して腑抜けた声を出した。
しばらく二人は何も言わずに睨み合う。それを見ていたフェアはおどおどしだす。
この男が何者なのか知らない。ブラッドの知り合いなのだろうか。
何か因縁のある相手なのだろうか。
二人は睨み合った後、二人とも右手でお互いの顔を殴った。
何も分からないフェアは悲鳴をあげる。
ブラッドは店の中に吹っ飛び、男は店の外まで吹っ飛んだ。
倒れていた二人だが、二人同時に笑い出した。
二人とも顔を抑えて爆笑する。その様子を見てキョトンとしているフェア。
笑い合った後、男は立ち上がった。
「久しぶりだな。ブラッド。元気そうだな」
ブラッドも立ち上がる。
「ああ、お前もな。ヒューグ」
二人は立ち上がった後、近づいて熱い握手をする。
二人の握手は凄い力が入っているようで、にこにこしているが握りつぶそうとしているのがわかる。
「また会うことがあるとはな。王都になんのようだ?」
「立ち寄っただけだ」
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第40話
【BLACK EDGE 其の40 殴りと握手】
王都ガルデニアに到着したブラッドとフェアは王都を探索していた。予定よりも早く着くことができた。
ここで必要なものを購入してさらに先に進む。
今から出ても次の村までは日が出ている間にはつかないので、今回は王都に泊まる。そのための宿も探していた。
「ねー、ねー、あそこなんでどう?」
フェアは初めての王都に興奮気味だ。走り回って王都をキョロキョロしているフェアはちょっとお高そうな宿を指差した。
ブラッドはその宿を見るが、少し悩んだ後、
「そこはちょっと高いな。もう少し安いところで頼む」
ブラッドがそう言うとフェアはまたキョロキョロした後、今度はボロボロな宿を指差した。王都の中でも特にボロい宿だ。今にも崩れそうな見た目をしている。
「そこまで安くなくて良い……。金はそこそこあるから……」
「えー、面白そうなのにー」
何が面白いのだろうか。極端すぎるフェアだが、楽しんでいるのだからとブラッドはやれやれと様子を見守る。
その後もいろんな宿をくるくると周り、良い宿を見つけることができた。
「ここは?」
「ま、ここなら良いか。早速部屋を取ってくる。その後は買い出しに行くぞ」
部屋を借りるために宿の中に入り、店主にお金を払う。部屋を二つ借りて、ブラッドとフェアが荷物を置いて外に出ようとすると……。
入口から大柄な男が入ってきた。ツンツン頭の背中に大剣を背負っている男。
その男とブラッドは顔を合わせると、
「「あ……」」
と二人して腑抜けた声を出した。
しばらく二人は何も言わずに睨み合う。それを見ていたフェアはおどおどしだす。
この男が何者なのか知らない。ブラッドの知り合いなのだろうか。
何か因縁のある相手なのだろうか。
二人は睨み合った後、二人とも右手でお互いの顔を殴った。
何も分からないフェアは悲鳴をあげる。
ブラッドは店の中に吹っ飛び、男は店の外まで吹っ飛んだ。
倒れていた二人だが、二人同時に笑い出した。
二人とも顔を抑えて爆笑する。その様子を見てキョトンとしているフェア。
笑い合った後、男は立ち上がった。
「久しぶりだな。ブラッド。元気そうだな」
ブラッドも立ち上がる。
「ああ、お前もな。ヒューグ」
二人は立ち上がった後、近づいて熱い握手をする。
二人の握手は凄い力が入っているようで、にこにこしているが握りつぶそうとしているのがわかる。
「また会うことがあるとはな。王都になんのようだ?」
「立ち寄っただけだ」
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
放置された公爵令嬢が幸せになるまで
こうじ
ファンタジー
アイネス・カンラダは物心ついた時から家族に放置されていた。両親の顔も知らないし兄や妹がいる事は知っているが顔も話した事もない。ずっと離れで暮らし自分の事は自分でやっている。そんな日々を過ごしていた彼女が幸せになる話。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
[完結]思い出せませんので
シマ
恋愛
「早急にサインして返却する事」
父親から届いた手紙には婚約解消の書類と共に、その一言だけが書かれていた。
同じ学園で学び一年後には卒業早々、入籍し式を挙げるはずだったのに。急になぜ?訳が分からない。
直接会って訳を聞かねば
注)女性が怪我してます。苦手な方は回避でお願いします。
男性視点
四話完結済み。毎日、一話更新
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる