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第27話 【BLACK EDGE 其の27 弟子にならないか?】
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BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第27話
【BLACK EDGE 其の27 弟子にならないか?】
唐突な提案であった。マルクは仮面の集団について聞き出そうとしていると思っていたので予想外のことだった。
「弟子……? …………ですか?」
マルクが聞き直すと、メテオラは目を逸らして、
「そ、そうだ。弟子だ。弟子!」
なぜかメテオラは顔を赤くして恥ずかしがっている。何が恥ずかしいのかはわからないが、動揺しているようだ。
マルクは何がしたいのかわからず首を傾げる。そんなマルクにメテオラは、
「君は本当にあれが仮面の集団による襲撃だと思っているのか?」
そう聞いてきた。さっきまでの動揺している感じとは違い、凛々しい真面目な雰囲気だ。
「違うんですか?」
「ああ、違う。己の胸に手を当てて思い出してみろ」
マルクは言われるがまま、あの時のことを思い出す。
村が騒ぎになっていて、村に行くと村は崩壊していて、そこで仮面の集団が現れる。
どうにか逃げて家に帰ったら、家も…………。
いや、
俺は騒ぎになる前の村にいた。そしてみんな俺から逃げていくんだ。
俺は小さな家を潰して、逃げゆく村人を…………。
何かがマルクの奥から湧き上がってくる。思い出そうとした途端、底から這い上がってこようとする。
突然、マルクは倒れて両手を地面につける。
それを見ていたメテオラは立ち上がる。
「俺は…………俺は!!」
塔の外では騎士達がクロエの指揮のもと剣の稽古をしていた。
剣を振り、素振りをするものや、組み手をするものといろんなもの達がいる。
そんな中、突然塔の中間くらいにある部屋の窓が割れ、ガラスと共に少年が降ってきた。
高さ的には三回くらいの高さだろう。そんな高さから少年が降ってきて下にいたもの達はびっくりする。
だが、それだけの高さから落ちたというのに、少年はほぼ無傷だった。
そして少年はうつ伏せになると、地面を見つめたまま、
「おれは……俺は……!!」
周りの騎士達が訳が分からず見守る中、塔の中からメテオラが出てきた。
メテオラは手を叩いて埃を払う。
「逃げるな! 現実を受け止めろ! それがお前だ、お前が全てやったんだ」
そしてメテオラはうつ伏せになっている少年を蹴り飛ばす。
蹴り飛ばされた少年は地面を転がり、少し先で止まった。
「立て、少年!! お前が何者か、自分で示して見せろ!! 人間か、それとも黒龍か!!」
メテオラはそう言うと腰にかけた剣を抜き、少年に向けた。
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第27話
【BLACK EDGE 其の27 弟子にならないか?】
唐突な提案であった。マルクは仮面の集団について聞き出そうとしていると思っていたので予想外のことだった。
「弟子……? …………ですか?」
マルクが聞き直すと、メテオラは目を逸らして、
「そ、そうだ。弟子だ。弟子!」
なぜかメテオラは顔を赤くして恥ずかしがっている。何が恥ずかしいのかはわからないが、動揺しているようだ。
マルクは何がしたいのかわからず首を傾げる。そんなマルクにメテオラは、
「君は本当にあれが仮面の集団による襲撃だと思っているのか?」
そう聞いてきた。さっきまでの動揺している感じとは違い、凛々しい真面目な雰囲気だ。
「違うんですか?」
「ああ、違う。己の胸に手を当てて思い出してみろ」
マルクは言われるがまま、あの時のことを思い出す。
村が騒ぎになっていて、村に行くと村は崩壊していて、そこで仮面の集団が現れる。
どうにか逃げて家に帰ったら、家も…………。
いや、
俺は騒ぎになる前の村にいた。そしてみんな俺から逃げていくんだ。
俺は小さな家を潰して、逃げゆく村人を…………。
何かがマルクの奥から湧き上がってくる。思い出そうとした途端、底から這い上がってこようとする。
突然、マルクは倒れて両手を地面につける。
それを見ていたメテオラは立ち上がる。
「俺は…………俺は!!」
塔の外では騎士達がクロエの指揮のもと剣の稽古をしていた。
剣を振り、素振りをするものや、組み手をするものといろんなもの達がいる。
そんな中、突然塔の中間くらいにある部屋の窓が割れ、ガラスと共に少年が降ってきた。
高さ的には三回くらいの高さだろう。そんな高さから少年が降ってきて下にいたもの達はびっくりする。
だが、それだけの高さから落ちたというのに、少年はほぼ無傷だった。
そして少年はうつ伏せになると、地面を見つめたまま、
「おれは……俺は……!!」
周りの騎士達が訳が分からず見守る中、塔の中からメテオラが出てきた。
メテオラは手を叩いて埃を払う。
「逃げるな! 現実を受け止めろ! それがお前だ、お前が全てやったんだ」
そしてメテオラはうつ伏せになっている少年を蹴り飛ばす。
蹴り飛ばされた少年は地面を転がり、少し先で止まった。
「立て、少年!! お前が何者か、自分で示して見せろ!! 人間か、それとも黒龍か!!」
メテオラはそう言うと腰にかけた剣を抜き、少年に向けた。
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