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第11話 『お客様じゃァァァァ!!』
しおりを挟む今日も朝からお仕事。駄菓子屋の掃除を終えた俺たちは店主の元へ行く。
「掃除終わりました!!」
「ご苦労じゃ、褒美の飴じゃ」
列に並んだヤクザ達に順番に飴をお婆さんは手渡していく。
そして全員飴を配り終えた時、スキンヘッドの男が疑問に思った。
「なんで俺たち……雨で飼い慣らされてるんだ?」
それに答えるようにヤクザを従えるボスが飴を舐めながら死んだ目で答える。
「もう考えるな。立花……」
「山田です!!」
スキンヘッドはツッコミを入れた後、一呼吸置き、辺りを見渡す。
「それにしても懐かしいですね……」
一部エリアには武器や兵器などが売られているが、前の方にある商品は普通の駄菓子だ。大人となった彼らには縁のない店。そしてお菓子なら今はコンビニなどで購入できる。駄菓子屋などに行く子供も減り、店舗も減っている。
そんなスキンヘッドの言葉に、アキラは力のない声で答えた。
「ああ、店内だけはな……」
この前の万引き犯の騒動でとも子の店は爆発してしまった。それに伴い立て直すことになったのだが……。
「11階建ての鉄筋コンクリート。窓は防弾ガラスを使って、最新の防犯機能……。その点を除けばな」
「ですね……」
スキンヘッドとアキラはお互いに笑ってない顔で笑い合う。
「しかし、こんな店に客なんて来るんでしょうか?」
そんな二人に新入りの男が聞いた。
それは誰しもが思っていたことだ。
今の時代、駄菓子屋なんて流行らない。しかも昔ながらの店ならともかく。外見は住宅街に目立つように聳え立つコンクリートの建物。
こんな店に入ってくる客はいるのだろうか。
怖い顔をした大人達が店を巡回する中、店の扉が開かれた。
「…………」
それは黒いランドセルを背負った小学生。髪の毛は目にかかる程度まで伸びているが、服は蝶ネクタイを締めスーツを着こなしている。
「ここが例の店ですね」
少年はそう言うと、店内を歩き出した。
【後書き】
この少年は一体!?
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