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第10話 『願望』
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アナザー
著者:ピラフドリア
第10話
『願望』
ウィングは一足先に最上階へと辿り着く。
そこに居たのは顔に傷のあるヴィラン、ダークネス。そして奥には鎖で縛られたフードを被った男がいる。
情報ではそのフードの男が組織のリーダーとされていた。しかし、様子がおかしい。
どう見てもリーダーという感じではなく。拘束されて囚われている。
「ダークネス。これはどういうことだ?」
ウィングはダークネスに問う。すると、ダークネスは囚われた男に近づき頭を撫でる。
「俺はコイツを飼ってるのさ」
仲間ではないということだろう。しかし、なぜ、この男を飼っているのか。
ウィングの疑問にダークネスはすぐに答えてくれた。
「コイツは俺の本体さ。いわば、願望の発生源」
そういえば、フードの男の情報を聞いた時はヴィラン名はなく本名である。稲葉 久一(いなば きゅういち)で教えられた。
ヴィランのボスであるのに、なぜ名前がないのか。その理由は……。
「この男は現実世界からこの鏡の世界へ迷い込んだ。別世界の人間。イレギュラーだ!!」
このフードの男は現実世界から来た男で、その男を利用してダークネスはヴィランになったということか。
ウィングは剣を構える。
そう分かった以上、その男を救うのがヒーローの務めだ。
ウィングの敵意に気づいたダークネスも構える。
武器は持たない。拳を前に突き出し、空手家のような構えだ。
「お前の能力は資料で知っている。降参するなら今のうちだぞ」
ダークネスの能力は「先読み」。未来予知のような能力だ。
簡単な未来を見ることができる。しかし、先読みは未来予知とは違い、確定する事象を読み取るのではなく、ダークネスの思考が一時的に加速し、相手の動きを予想するというもの。
ダークネスの知識を超える範囲や知り得ない情報は予測できない。
その能力を使っていれば、自分自身が勝てないことにも気づけるはずだ。
しかし、ダークネスは降参しない。
これはどういうことなのだろうか。
ダークネス自体には戦闘能力はない。
だが、この自信はどういうことなのか。
「警戒してるのか。ウィング?」
ダークネスは言う。
「……」
ダークネスの言う通り、ウィングの警戒心は強くなる。
「なぜ、俺が中村を倒せたのか? 気になるか?」
ダークネスはそう言うとニヤリと笑ってみせた。
そしてウィングに向かって右手を突き出す。
「見せてやろう。俺の力を!」
すると、ウィングの身体が突如重くなる。これはまるでグラビティの重力を操作する能力!!
「どういうことだ?」
「さっき言った通りよ! 俺が願望を支配してる。それだけのことだ!!」
その時、ウィングは理解した。ダークネスの力の理由を!!
ダークネスの現実世界での姿はあそこで捕まっている人間だ。
迷い込んだ自分の本体を捕まえ、願望を要求している。
普通ならちょっとした願望じゃ能力にならない。
だが、この世界に直接本人がいることで、その願望を捜査できる。
普通であれば、能力は空を飛びたいや相手から見えなくなりたいなどの願望が、能力になる。
しかし、この世界にいることで、戦闘の様子を見ていれば、この攻撃を防ぎたい、ここで攻撃したいなどの感情をコントロールすることができる。
そのため、すぐに能力へと変化する。しかし、ただ捕らえているわけではないようだ。
しっかりと、この男の感情をコントロールするために教育してある。
ダークネスはこの男がいる限り、最強でいられる。
ウィングがダークネスの重力により、動けずにいると階段から上がってくる音が聞こえる。
その足音は二つ。
「お前の仲間はやられたようだな。ヒーローのご到着だ」
ウィングはそう言い、ダークネスを睨みつける。
ダークネスの仲間の可能性もある。だが、ウィングは信じている。イナズマとグラビティだと!!
そして、
「ウィングさん、お待たせしました!!」
「ウィング!! 待たせたな!!」
イナズマとグラビティが到着した。
そしてイナズマは素早く能力を使い、ダークネスに奇襲仕掛ける。
ダークネスはイナズマには気づいていたようだが、対処できずにイナズマの蹴りを受ける。
そして蹴られた衝撃で転んだところをグラビティが重力で拘束した。
ダークネスは二人の攻撃を受けたことで、ウィングを拘束していた重力を倍にする能力を解除する。
「助かった!!」
ウィングは二人に礼を言う。すると、二人は頷いてダークネスと対峙する。
ダークネスは重力を倍にされ、普通なら動くことのできない状態のはずなのに、ゆっくりと立ち上がる。
「役立たずどもが……」
ダークネスはイナズマたちが現れたことで、仲間がやられたことを理解したようだ。
「降参するか?」
イナズマたちも男が拘束されてる姿から、主犯はダークネスだと分かったようだ。
そして男を助けようと行動する。
「降参? するわけないだろ……」
ダークネスはイナズマの言葉に反応する。やはり、降参することはないか……。
ダークネスと三人のヒーローの戦いが始まる。
【後書き】
ついに最終決戦か!?
著者:ピラフドリア
第10話
『願望』
ウィングは一足先に最上階へと辿り着く。
そこに居たのは顔に傷のあるヴィラン、ダークネス。そして奥には鎖で縛られたフードを被った男がいる。
情報ではそのフードの男が組織のリーダーとされていた。しかし、様子がおかしい。
どう見てもリーダーという感じではなく。拘束されて囚われている。
「ダークネス。これはどういうことだ?」
ウィングはダークネスに問う。すると、ダークネスは囚われた男に近づき頭を撫でる。
「俺はコイツを飼ってるのさ」
仲間ではないということだろう。しかし、なぜ、この男を飼っているのか。
ウィングの疑問にダークネスはすぐに答えてくれた。
「コイツは俺の本体さ。いわば、願望の発生源」
そういえば、フードの男の情報を聞いた時はヴィラン名はなく本名である。稲葉 久一(いなば きゅういち)で教えられた。
ヴィランのボスであるのに、なぜ名前がないのか。その理由は……。
「この男は現実世界からこの鏡の世界へ迷い込んだ。別世界の人間。イレギュラーだ!!」
このフードの男は現実世界から来た男で、その男を利用してダークネスはヴィランになったということか。
ウィングは剣を構える。
そう分かった以上、その男を救うのがヒーローの務めだ。
ウィングの敵意に気づいたダークネスも構える。
武器は持たない。拳を前に突き出し、空手家のような構えだ。
「お前の能力は資料で知っている。降参するなら今のうちだぞ」
ダークネスの能力は「先読み」。未来予知のような能力だ。
簡単な未来を見ることができる。しかし、先読みは未来予知とは違い、確定する事象を読み取るのではなく、ダークネスの思考が一時的に加速し、相手の動きを予想するというもの。
ダークネスの知識を超える範囲や知り得ない情報は予測できない。
その能力を使っていれば、自分自身が勝てないことにも気づけるはずだ。
しかし、ダークネスは降参しない。
これはどういうことなのだろうか。
ダークネス自体には戦闘能力はない。
だが、この自信はどういうことなのか。
「警戒してるのか。ウィング?」
ダークネスは言う。
「……」
ダークネスの言う通り、ウィングの警戒心は強くなる。
「なぜ、俺が中村を倒せたのか? 気になるか?」
ダークネスはそう言うとニヤリと笑ってみせた。
そしてウィングに向かって右手を突き出す。
「見せてやろう。俺の力を!」
すると、ウィングの身体が突如重くなる。これはまるでグラビティの重力を操作する能力!!
「どういうことだ?」
「さっき言った通りよ! 俺が願望を支配してる。それだけのことだ!!」
その時、ウィングは理解した。ダークネスの力の理由を!!
ダークネスの現実世界での姿はあそこで捕まっている人間だ。
迷い込んだ自分の本体を捕まえ、願望を要求している。
普通ならちょっとした願望じゃ能力にならない。
だが、この世界に直接本人がいることで、その願望を捜査できる。
普通であれば、能力は空を飛びたいや相手から見えなくなりたいなどの願望が、能力になる。
しかし、この世界にいることで、戦闘の様子を見ていれば、この攻撃を防ぎたい、ここで攻撃したいなどの感情をコントロールすることができる。
そのため、すぐに能力へと変化する。しかし、ただ捕らえているわけではないようだ。
しっかりと、この男の感情をコントロールするために教育してある。
ダークネスはこの男がいる限り、最強でいられる。
ウィングがダークネスの重力により、動けずにいると階段から上がってくる音が聞こえる。
その足音は二つ。
「お前の仲間はやられたようだな。ヒーローのご到着だ」
ウィングはそう言い、ダークネスを睨みつける。
ダークネスの仲間の可能性もある。だが、ウィングは信じている。イナズマとグラビティだと!!
そして、
「ウィングさん、お待たせしました!!」
「ウィング!! 待たせたな!!」
イナズマとグラビティが到着した。
そしてイナズマは素早く能力を使い、ダークネスに奇襲仕掛ける。
ダークネスはイナズマには気づいていたようだが、対処できずにイナズマの蹴りを受ける。
そして蹴られた衝撃で転んだところをグラビティが重力で拘束した。
ダークネスは二人の攻撃を受けたことで、ウィングを拘束していた重力を倍にする能力を解除する。
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ダークネスは重力を倍にされ、普通なら動くことのできない状態のはずなのに、ゆっくりと立ち上がる。
「役立たずどもが……」
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そして男を助けようと行動する。
「降参? するわけないだろ……」
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