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155話、朝食はカカオケーキとカカオマスドリンク
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カカオの村で夕食を取った後、私達は村近くで野宿をした。
カカオの村は観光に力を入れてない普通の村なので、宿がなかったのだ。
民家が連なる近くで野宿をするのは中々不思議な気分だったが、その分安心感があったのかぐっすりと眠る事ができた。
そうして迎えた朝。すっきりとした目覚めを迎えた私は軽く伸びをする。
「うーんっ……」
野宿をするとどうしても全身の筋肉が硬くなってしまう。それをこうしてほぐすと思わず声が漏れてしまう。
私の微かな声に反応したのか、まだ寝ていたベアトリスがぱちりと目を開けた。
「……おはよう」
「おはよう」
軽く挨拶をかわすと、ベアトリスはもそもそ起き出した。吸血鬼だからか、朝はそこまで得意では無いようだ。半目で寝ぼけているようにも見える。
しかし、そんな吸血鬼ベアトリスよりも、ライラの方が朝は苦手かもしれない。
いや、苦手というよりも自由気ままというか。
ライラはまだぐっすりと寝ていた。
朝が苦手というより、ただ単純に眠りが深いだけなのだろう。
実際、いつも寝起きは意識がはっきりしているし。
起き上がったベアトリスは数分ほど身動きを全くせず、ただぼーっとしていた。
このまま、また寝るつもりかな? と思ってしまうほど微動だにしない彼女だったが、やがて頭を振って動き出し、自分のクーラーボックスを開け出した。
そこから取り出すのは、昨日カカオの村で買っていたカカオケーキ。
まさか、朝ごはんはそれなのだろうか?
そう思って聞いてみる。
「朝からケーキ?」
「……村の人が言うにはあまり甘くないらしいから、朝食代わりによく食べるらしいわよ」
包丁を取り出してケーキを切り分けつつ、そう答えるベアトリス。
話しかけたおかげで意識が覚醒し始めたようだ。ぼんやりしていた瞳がしゃっきりと開かれている。
「へえー、朝からケーキ食べるんだ……カロリー高いからケーキが朝食も悪くないのかもね」
「朝こそ糖分を補給して頭を回したいものね。結構有りかもしれないわ。問題は、朝から甘い物を食べたいかという所だけど」
確かに。朝から甘いケーキは中々胃に来そう。
今回のカカオケーキはそんなに甘くないらしいからいいけど、これが生クリームたっぷりのケーキだったら、朝からはちょっと辛いかも。
「それよりリリア、何か飲み物でも用意してちょうだい。昨日村で謎の粉買ってたでしょう? あれお湯で溶かして飲むやつじゃなかった?」
「ああ、そうそう。買ってたんだった」
でも謎の粉って言い方はやめて欲しい。
謎じゃないよ。カカオマスの粉末だよ。
カカオマスは、カカオをこう……色々してできたペーストを固めた物だ。
いわばチョコの原型。
私が買ったのは、そのカカオマスを細かくきざんで粉末にした物。
この村での名称は、カカオの元、らしい。
……カカオから作ったのにカカオの元なのか?
そう思ってしまうけど、まあ細かい事はいいだろう。
これは料理などにも使うらしいが、お湯で溶かして牛乳で割ってドリンクにもするらしい。
多分、ココア的な感じなのだろう。
カカオケーキとカカオマスのドリンク。うん、今日の朝食はこれで行こう。
なので早速ケトルでお湯を沸かし始めた。
ベアトリスの方は、ケーキをもう切り分けてそれぞれのお皿に盛りつけている。
暇なのか、ライラを起こそうとして指先で彼女の頬をつつきはじめていた。
「朝ごはんだから起きなさいライラ。起きないと噛むわよ」
「吸血鬼が言ったら冗談になってないよ」
ライラは初めてベアトリスと会った時はあんなに警戒心を抱いていたのに、今や飼い猫のように無防備だ。
起こそうとして体をつつくベアトリスの指を、寝返りをうってはね返している。
……ま、ドリンクが出きる頃には起きるだろう。
数分ほど待っていると、ケトルの中のお湯がこぽこぽ沸きはじめた。
それぞれのカップにカカオマスを入れて、お湯を三分の一ほどそそぐ。
カカオマスの分量は適当だ。とりあえずティースプーン三杯ほど。これを基準に次から調節していこう。
お湯でカカオマスを溶かすと、カカオの香ばしい匂いが漂ってきた。
チョコっぽいと言えばチョコっぽい。
ココアっぽいと言えばココアっぽい。
それがカカオマスの匂いだった。
まあこの三つ、ほぼ同じような物だろう。
カカオマスの粉末が解けたのを確認したら、ベアトリスのクーラーボックスから牛乳を取りだす。
これも村で売っていた。三百ミリリットルの紙パックで、使い切りに良い。
カカオマスを溶かした液体に牛乳をそそぐと、色合いはココアになった。
ただ、お湯の量も適当だったため、冷たくもなく熱くもない、ぬるま湯になってしまった。
……朝だからこれくらいの温度が胃に優しいだろう。私は前向きに解釈した。
「はい、ドリンク作った」
「ライラもちょうど起きたわ」
「おはよ~……あら、朝はケーキなんだ?」
なんて、今起きたライラはすでに私達がした話題を提供してくれた。
三人揃ったので、早速頂きます。
フォークをカカオケーキに刺し入れ、ぱくっと一口。
……うん、甘くない。カカオの匂いに、焼いたケーキの香ばしさ。やや苦めだが、おいしさを感じる程度の苦みだ。
確かにこれはデザート系ではなく、食事系のケーキよりだな。
ほんのりした苦みが朝のだらけた体に刺激を与えてくれる。なんだか脳が覚醒する感じ。
次はぬるいカカオマスドリンク。
こっちは牛乳を入れたので自然な甘みを感じる。
その後にカカオの匂いと苦みがあり、甘くないココアといった塩梅。
これはどちらかというと、冷たくするよりホットで飲んだ方が合いそうだ。
もちろんぬるいのは最適ではない。おいしいけど。
「それにしても、昨日の夜からカカオ尽くしね」
ライラに言われて、私は頷く。
「カカオの村に来たからね。そこはしょうがないよね」
なにせ売ってるのも提供している料理もカカオ押しなのだから。
カカオを日常的に食べているのだから、そこに訪れた私達の食事もそうなるのは不思議ではない。
「おいしいけど、ずっとカカオを食べてて飽きないのかしら?」
ベアトリスが疑問とばかりに呟く。
「私はまだ飽きてないけど、毎日はどうだろうなぁ。飲み物だったらやっぱり紅茶が飲みたくなるかも」
「私はやっぱりラズベリーを定期的に食べたいわね。料理だったらやっぱりハンバーガーとかジャンクなのも食べたいわ」
ベアトリスって意外とハンバーガー好きだよね。以前作ってくれたし。吸血鬼だから肉食なのか?
「私はもっと色々な料理が食べてみたいわよ」
ライラはカニカニばかりだと思っていたが、もともと人間の食べ物がおいしいから私に付いて来ただけあって、まだまだ色んな料理への興味があるようだ。
それはもちろん私にもある。そもそも旅の目的がそれだもん。
私達三人、一つの場所に居座るより、やはり旅をしているのがお似合いなのかもしれない。
ごはんを食べ終わったら、次はどこを目指そうか。
カカオケーキをもしゃもしゃ食べながら、そんな事を考える私だった。
カカオの村は観光に力を入れてない普通の村なので、宿がなかったのだ。
民家が連なる近くで野宿をするのは中々不思議な気分だったが、その分安心感があったのかぐっすりと眠る事ができた。
そうして迎えた朝。すっきりとした目覚めを迎えた私は軽く伸びをする。
「うーんっ……」
野宿をするとどうしても全身の筋肉が硬くなってしまう。それをこうしてほぐすと思わず声が漏れてしまう。
私の微かな声に反応したのか、まだ寝ていたベアトリスがぱちりと目を開けた。
「……おはよう」
「おはよう」
軽く挨拶をかわすと、ベアトリスはもそもそ起き出した。吸血鬼だからか、朝はそこまで得意では無いようだ。半目で寝ぼけているようにも見える。
しかし、そんな吸血鬼ベアトリスよりも、ライラの方が朝は苦手かもしれない。
いや、苦手というよりも自由気ままというか。
ライラはまだぐっすりと寝ていた。
朝が苦手というより、ただ単純に眠りが深いだけなのだろう。
実際、いつも寝起きは意識がはっきりしているし。
起き上がったベアトリスは数分ほど身動きを全くせず、ただぼーっとしていた。
このまま、また寝るつもりかな? と思ってしまうほど微動だにしない彼女だったが、やがて頭を振って動き出し、自分のクーラーボックスを開け出した。
そこから取り出すのは、昨日カカオの村で買っていたカカオケーキ。
まさか、朝ごはんはそれなのだろうか?
そう思って聞いてみる。
「朝からケーキ?」
「……村の人が言うにはあまり甘くないらしいから、朝食代わりによく食べるらしいわよ」
包丁を取り出してケーキを切り分けつつ、そう答えるベアトリス。
話しかけたおかげで意識が覚醒し始めたようだ。ぼんやりしていた瞳がしゃっきりと開かれている。
「へえー、朝からケーキ食べるんだ……カロリー高いからケーキが朝食も悪くないのかもね」
「朝こそ糖分を補給して頭を回したいものね。結構有りかもしれないわ。問題は、朝から甘い物を食べたいかという所だけど」
確かに。朝から甘いケーキは中々胃に来そう。
今回のカカオケーキはそんなに甘くないらしいからいいけど、これが生クリームたっぷりのケーキだったら、朝からはちょっと辛いかも。
「それよりリリア、何か飲み物でも用意してちょうだい。昨日村で謎の粉買ってたでしょう? あれお湯で溶かして飲むやつじゃなかった?」
「ああ、そうそう。買ってたんだった」
でも謎の粉って言い方はやめて欲しい。
謎じゃないよ。カカオマスの粉末だよ。
カカオマスは、カカオをこう……色々してできたペーストを固めた物だ。
いわばチョコの原型。
私が買ったのは、そのカカオマスを細かくきざんで粉末にした物。
この村での名称は、カカオの元、らしい。
……カカオから作ったのにカカオの元なのか?
そう思ってしまうけど、まあ細かい事はいいだろう。
これは料理などにも使うらしいが、お湯で溶かして牛乳で割ってドリンクにもするらしい。
多分、ココア的な感じなのだろう。
カカオケーキとカカオマスのドリンク。うん、今日の朝食はこれで行こう。
なので早速ケトルでお湯を沸かし始めた。
ベアトリスの方は、ケーキをもう切り分けてそれぞれのお皿に盛りつけている。
暇なのか、ライラを起こそうとして指先で彼女の頬をつつきはじめていた。
「朝ごはんだから起きなさいライラ。起きないと噛むわよ」
「吸血鬼が言ったら冗談になってないよ」
ライラは初めてベアトリスと会った時はあんなに警戒心を抱いていたのに、今や飼い猫のように無防備だ。
起こそうとして体をつつくベアトリスの指を、寝返りをうってはね返している。
……ま、ドリンクが出きる頃には起きるだろう。
数分ほど待っていると、ケトルの中のお湯がこぽこぽ沸きはじめた。
それぞれのカップにカカオマスを入れて、お湯を三分の一ほどそそぐ。
カカオマスの分量は適当だ。とりあえずティースプーン三杯ほど。これを基準に次から調節していこう。
お湯でカカオマスを溶かすと、カカオの香ばしい匂いが漂ってきた。
チョコっぽいと言えばチョコっぽい。
ココアっぽいと言えばココアっぽい。
それがカカオマスの匂いだった。
まあこの三つ、ほぼ同じような物だろう。
カカオマスの粉末が解けたのを確認したら、ベアトリスのクーラーボックスから牛乳を取りだす。
これも村で売っていた。三百ミリリットルの紙パックで、使い切りに良い。
カカオマスを溶かした液体に牛乳をそそぐと、色合いはココアになった。
ただ、お湯の量も適当だったため、冷たくもなく熱くもない、ぬるま湯になってしまった。
……朝だからこれくらいの温度が胃に優しいだろう。私は前向きに解釈した。
「はい、ドリンク作った」
「ライラもちょうど起きたわ」
「おはよ~……あら、朝はケーキなんだ?」
なんて、今起きたライラはすでに私達がした話題を提供してくれた。
三人揃ったので、早速頂きます。
フォークをカカオケーキに刺し入れ、ぱくっと一口。
……うん、甘くない。カカオの匂いに、焼いたケーキの香ばしさ。やや苦めだが、おいしさを感じる程度の苦みだ。
確かにこれはデザート系ではなく、食事系のケーキよりだな。
ほんのりした苦みが朝のだらけた体に刺激を与えてくれる。なんだか脳が覚醒する感じ。
次はぬるいカカオマスドリンク。
こっちは牛乳を入れたので自然な甘みを感じる。
その後にカカオの匂いと苦みがあり、甘くないココアといった塩梅。
これはどちらかというと、冷たくするよりホットで飲んだ方が合いそうだ。
もちろんぬるいのは最適ではない。おいしいけど。
「それにしても、昨日の夜からカカオ尽くしね」
ライラに言われて、私は頷く。
「カカオの村に来たからね。そこはしょうがないよね」
なにせ売ってるのも提供している料理もカカオ押しなのだから。
カカオを日常的に食べているのだから、そこに訪れた私達の食事もそうなるのは不思議ではない。
「おいしいけど、ずっとカカオを食べてて飽きないのかしら?」
ベアトリスが疑問とばかりに呟く。
「私はまだ飽きてないけど、毎日はどうだろうなぁ。飲み物だったらやっぱり紅茶が飲みたくなるかも」
「私はやっぱりラズベリーを定期的に食べたいわね。料理だったらやっぱりハンバーガーとかジャンクなのも食べたいわ」
ベアトリスって意外とハンバーガー好きだよね。以前作ってくれたし。吸血鬼だから肉食なのか?
「私はもっと色々な料理が食べてみたいわよ」
ライラはカニカニばかりだと思っていたが、もともと人間の食べ物がおいしいから私に付いて来ただけあって、まだまだ色んな料理への興味があるようだ。
それはもちろん私にもある。そもそも旅の目的がそれだもん。
私達三人、一つの場所に居座るより、やはり旅をしているのがお似合いなのかもしれない。
ごはんを食べ終わったら、次はどこを目指そうか。
カカオケーキをもしゃもしゃ食べながら、そんな事を考える私だった。
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