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第3章
057.人、人、人
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今日の夏祭り最大のイベントは花火だ。
毎年古くから……少なくとも母さんが生まれた頃から行われている恒例行事。その規模はここらでは最大規模で、わざわざ遠くから訪れる者も居るらしい。
ちなみにバイト中に聞いた話だとそんな伝統的なお祭りもここ数年は人も少なくなってギリギリ黒字ラインだとか……世の流れは残酷だ。
しかし今年は違う。
今回の祭りは花火と双璧をなすイベントがあった。
それはステージ……ストロベリーリキッドのステージだ。
収益はあまり取っていないもののその話題性と集客性は花火に匹敵……もしくは抜くほどあるという噂だ。
収益が少ないのにも理由がある。祭り会場のど真ん中に設置しているから一番いいとされる椅子付きのエリアは抽選の有料席になっているものの、それ以外のエリアからは無料で見放題となっているからだ。
つまり、何が言いたいのかと言うと――――人が多い。
話題性に加えて誰でも見れられる形式になってしまったものだから受付からステージを囲むように人、人、人……見渡す限り人で埋め尽くされていた。
その多さはパニックにはならないものの、人を探すのにはかなりの支障が出るだろう。
「弱ったなぁ……」
人の塊から少し離れた位置で一人小さくつぶやく。
ここまで人が多いのなら一足先に受付を済ませて中に入っているかもしれない。
けど俺の分も母さんが持ってるしなぁ……スマホに通知はないし、受付に言ったところであしらわれるだけの可能性もあるし……あ、お土産買い忘れた。まぁいいか。
「母さん! 紗也!」
2人を呼んでみるもその声は周りの雑踏にかき消されてしまい届くことなどできやしない。
仕方ない。ダメ元で受付の人に声かけてみよう。ダメなら3人には悪いが外から見ることにする。
「あのー……すみません……」
「はい、なんでしょう?」
人混みをかき分けなんとか受付にたどり着いた俺は一人で対応している受付の女性に声をかける。
ワンオペでも余裕なのか、彼女は迅速に今まで対応していた人にパンフレットの入った袋を差し出しながら返事をした。
「身内が先に入っちゃったかもしれないのです……話、来てませんか?」
「申し訳ございません。 そういった方はいらっしゃっていませ――――あっ」
「――――あっ」
彼女は振り向きながら対応し、俺の姿を捉えると同時に小さく声を上げる。
俺も……その顔には見覚えがあった。その姿はバイトでエレナに声をかけ、サインを家宝にすると言った人だ。服もあの時と変わらないし間違いない。
「ど、どうも……ご無沙汰?しております」
「お、お疲れさまです……あっ!」
時間ギリギリだからか後ろから人が来る気配もなく、俺達は揃って微妙な空気になってしまう。
ご無沙汰って1日2日程度で言ってもいいのだろうか……。 そんなどうでもいいこと考えながら頭を下げていると彼女は何かを思い出したようにガサゴソと紙袋にパンフレットを詰めだした。
「はい、話は通ってます。 中へどうぞ」
「へ? でもさっき、居ないって言ってませんでしたっけ?」
その姿をしばらく呆けながら眺めていると前の人に渡していたものと同じものが差し出された。
後ろには誰も居ないし視線からして俺で間違いないようだ。けれど、さっき否定したのに何故と困惑してしまう。
「アレは……すみません。そうやって嘘を付いて入ろうとする人が多いもので……でも大丈夫です。ちゃんとお母様から入れるよう仰せつかっておりまので」
「……ありがとうございます」
そこまで説明されてようやく俺も合点がいった。
母さんも先に中に入っているようで間違いないみたいだ。確かにこの人の多さだし、そういった不躾な者がでてもおかしくない。
俺は彼女から袋を受け取って中に入るため一歩を踏み出――――
「あっ!ちょっと待って下さい!」
「?」
――――そうと思ったが、方向転換した途端に呼び止められた。
何事かと振り返ると彼女は片手を口元に当て、もう片方の手を手招きさせている。……耳を貸せってことかな?
「なんでしょう?」
「あの……やっぱり、エレナさんと付き合って居るんですか」
「――――ァ!?」
思いもしなかった問いかけに叫びそうになるものの、大声を出してはいけないと必死でこらえた結果、声にならない叫び声を上げてしまった。
慌てて確認した女性の顔は輝いていて、他人の色恋沙汰に敏感なのか返事を心待ちにしているようだった。
「い、いや、違いますよ! エレナとはこう……弟分です!恋人とか……そんなんじゃありませんって!」
「え?でも……私が見たときのエレナさんは完全に――――」
「ともかく! 違いますから!」
俺は彼女の推理を聞くものかと慌てて遮る。
さっきまで一緒だったからか、もうリオの件でいっぱいいっぱいなんだ。これ以上話を進めたらパンクしてしまう。
「わ、わかりました……そういうことにしておきます」
「そういうことにしておいてください。 では、失礼します」
未だに納得はいってないであろう彼女に一礼し、仕切られた中であるエリアに足を踏み入れる。そこに置かれてある椅子は人で埋まっていて俺が最後の一人であることが伺いしれた。
たしかエレナは最前列って言ってたな。 前……前……あ、いた。
「お兄ちゃん!!」
そこは最前列中央の椅子。
まさにVIPと言っていい椅子に母さんと紗也は居た。紗也がブンブンと大きく手を振っているものだから小走りで向かい、2人の間に腰を下ろす。
「先に中入ってるなら言ってくれればいいのに」
「何言ってるの? ちゃんとメッセージ送ったじゃない」
「えっ? だって俺のスマホには…………今きた」
母さんに文句を言おうと思ったが、アプリを開いた途端バイブレーションと共に新たな通知がやってきた。
たしかに。タイムスタンプは少し前のものだし、きっと人が多くて受信にもラグが生まれてるかもしれない。不幸な入れ違いだったか。
「…………あれ?」
母さんのメッセージを確認してスマホを閉じようと思ったがまだ通知マークは消えない。
不思議に思って再度アプリを開くとそこには別に、3通のメッセージが届いていた。
『3人ともアッと驚くようなパフォーマンスをしてみせるんだから! 見てなさいよ!』
『まだ緊張は収まりませんが……頑張りますね。 応援してくれると嬉しいです』
『慎也クンも、紗也ちゃんも。 私、成長したからね』
三者三様。
それぞれがそれぞれ同じ趣旨の文面を送ってきて少し笑みがこぼれてしまう。
タイムスタンプはほんのついさっき。もう時間も無いだろうし俺もスタンプで3人に返信をする。
「お兄ちゃん?」
「痛い痛い。紗也、ストップ」
返信に夢中になっていたら紗也に肘打ちされてしまった。
体格のせいで脇腹にピンポイントで当たるものだから地味にダメージが大きい。
「ふんだっ!鼻伸ばしてるお兄ちゃんには箸巻きとジュースあげないもん!」
「ごめんごめん。 せめてジュースはくれない?」
そんなに鼻伸ばしていたかな?
紗也をなだめるように頭を撫でるとチラチラと様子を伺ってくる視線が俺を捉える。
「じゃあ……帰ったら一緒に寝ていい?」
「もちろん。一緒に寝よっか」
「……なら、あげる」
「ありがと」
愛すべき紗也の頼みならそれくらいお安い御用だ。
以前一緒に寝たのが……帰ってきた日だったか。あれから随分と経ったように感じたがまだ全然らしい。
「ほら、二人とももう始まるわよ」
「「は~い」」
母さんの言葉と同時に先程の女性のアナウンスが聞こえてくる。
もしやと思ってステージを見上げると先程受付を担当していた女性がマイク片手に注意事項を話していた。
あの人、一人で仕事抱え込み過ぎじゃない?
俺は手にしていた箸巻きをかきこみ、三人の登場を待ちわびた――――
毎年古くから……少なくとも母さんが生まれた頃から行われている恒例行事。その規模はここらでは最大規模で、わざわざ遠くから訪れる者も居るらしい。
ちなみにバイト中に聞いた話だとそんな伝統的なお祭りもここ数年は人も少なくなってギリギリ黒字ラインだとか……世の流れは残酷だ。
しかし今年は違う。
今回の祭りは花火と双璧をなすイベントがあった。
それはステージ……ストロベリーリキッドのステージだ。
収益はあまり取っていないもののその話題性と集客性は花火に匹敵……もしくは抜くほどあるという噂だ。
収益が少ないのにも理由がある。祭り会場のど真ん中に設置しているから一番いいとされる椅子付きのエリアは抽選の有料席になっているものの、それ以外のエリアからは無料で見放題となっているからだ。
つまり、何が言いたいのかと言うと――――人が多い。
話題性に加えて誰でも見れられる形式になってしまったものだから受付からステージを囲むように人、人、人……見渡す限り人で埋め尽くされていた。
その多さはパニックにはならないものの、人を探すのにはかなりの支障が出るだろう。
「弱ったなぁ……」
人の塊から少し離れた位置で一人小さくつぶやく。
ここまで人が多いのなら一足先に受付を済ませて中に入っているかもしれない。
けど俺の分も母さんが持ってるしなぁ……スマホに通知はないし、受付に言ったところであしらわれるだけの可能性もあるし……あ、お土産買い忘れた。まぁいいか。
「母さん! 紗也!」
2人を呼んでみるもその声は周りの雑踏にかき消されてしまい届くことなどできやしない。
仕方ない。ダメ元で受付の人に声かけてみよう。ダメなら3人には悪いが外から見ることにする。
「あのー……すみません……」
「はい、なんでしょう?」
人混みをかき分けなんとか受付にたどり着いた俺は一人で対応している受付の女性に声をかける。
ワンオペでも余裕なのか、彼女は迅速に今まで対応していた人にパンフレットの入った袋を差し出しながら返事をした。
「身内が先に入っちゃったかもしれないのです……話、来てませんか?」
「申し訳ございません。 そういった方はいらっしゃっていませ――――あっ」
「――――あっ」
彼女は振り向きながら対応し、俺の姿を捉えると同時に小さく声を上げる。
俺も……その顔には見覚えがあった。その姿はバイトでエレナに声をかけ、サインを家宝にすると言った人だ。服もあの時と変わらないし間違いない。
「ど、どうも……ご無沙汰?しております」
「お、お疲れさまです……あっ!」
時間ギリギリだからか後ろから人が来る気配もなく、俺達は揃って微妙な空気になってしまう。
ご無沙汰って1日2日程度で言ってもいいのだろうか……。 そんなどうでもいいこと考えながら頭を下げていると彼女は何かを思い出したようにガサゴソと紙袋にパンフレットを詰めだした。
「はい、話は通ってます。 中へどうぞ」
「へ? でもさっき、居ないって言ってませんでしたっけ?」
その姿をしばらく呆けながら眺めていると前の人に渡していたものと同じものが差し出された。
後ろには誰も居ないし視線からして俺で間違いないようだ。けれど、さっき否定したのに何故と困惑してしまう。
「アレは……すみません。そうやって嘘を付いて入ろうとする人が多いもので……でも大丈夫です。ちゃんとお母様から入れるよう仰せつかっておりまので」
「……ありがとうございます」
そこまで説明されてようやく俺も合点がいった。
母さんも先に中に入っているようで間違いないみたいだ。確かにこの人の多さだし、そういった不躾な者がでてもおかしくない。
俺は彼女から袋を受け取って中に入るため一歩を踏み出――――
「あっ!ちょっと待って下さい!」
「?」
――――そうと思ったが、方向転換した途端に呼び止められた。
何事かと振り返ると彼女は片手を口元に当て、もう片方の手を手招きさせている。……耳を貸せってことかな?
「なんでしょう?」
「あの……やっぱり、エレナさんと付き合って居るんですか」
「――――ァ!?」
思いもしなかった問いかけに叫びそうになるものの、大声を出してはいけないと必死でこらえた結果、声にならない叫び声を上げてしまった。
慌てて確認した女性の顔は輝いていて、他人の色恋沙汰に敏感なのか返事を心待ちにしているようだった。
「い、いや、違いますよ! エレナとはこう……弟分です!恋人とか……そんなんじゃありませんって!」
「え?でも……私が見たときのエレナさんは完全に――――」
「ともかく! 違いますから!」
俺は彼女の推理を聞くものかと慌てて遮る。
さっきまで一緒だったからか、もうリオの件でいっぱいいっぱいなんだ。これ以上話を進めたらパンクしてしまう。
「わ、わかりました……そういうことにしておきます」
「そういうことにしておいてください。 では、失礼します」
未だに納得はいってないであろう彼女に一礼し、仕切られた中であるエリアに足を踏み入れる。そこに置かれてある椅子は人で埋まっていて俺が最後の一人であることが伺いしれた。
たしかエレナは最前列って言ってたな。 前……前……あ、いた。
「お兄ちゃん!!」
そこは最前列中央の椅子。
まさにVIPと言っていい椅子に母さんと紗也は居た。紗也がブンブンと大きく手を振っているものだから小走りで向かい、2人の間に腰を下ろす。
「先に中入ってるなら言ってくれればいいのに」
「何言ってるの? ちゃんとメッセージ送ったじゃない」
「えっ? だって俺のスマホには…………今きた」
母さんに文句を言おうと思ったが、アプリを開いた途端バイブレーションと共に新たな通知がやってきた。
たしかに。タイムスタンプは少し前のものだし、きっと人が多くて受信にもラグが生まれてるかもしれない。不幸な入れ違いだったか。
「…………あれ?」
母さんのメッセージを確認してスマホを閉じようと思ったがまだ通知マークは消えない。
不思議に思って再度アプリを開くとそこには別に、3通のメッセージが届いていた。
『3人ともアッと驚くようなパフォーマンスをしてみせるんだから! 見てなさいよ!』
『まだ緊張は収まりませんが……頑張りますね。 応援してくれると嬉しいです』
『慎也クンも、紗也ちゃんも。 私、成長したからね』
三者三様。
それぞれがそれぞれ同じ趣旨の文面を送ってきて少し笑みがこぼれてしまう。
タイムスタンプはほんのついさっき。もう時間も無いだろうし俺もスタンプで3人に返信をする。
「お兄ちゃん?」
「痛い痛い。紗也、ストップ」
返信に夢中になっていたら紗也に肘打ちされてしまった。
体格のせいで脇腹にピンポイントで当たるものだから地味にダメージが大きい。
「ふんだっ!鼻伸ばしてるお兄ちゃんには箸巻きとジュースあげないもん!」
「ごめんごめん。 せめてジュースはくれない?」
そんなに鼻伸ばしていたかな?
紗也をなだめるように頭を撫でるとチラチラと様子を伺ってくる視線が俺を捉える。
「じゃあ……帰ったら一緒に寝ていい?」
「もちろん。一緒に寝よっか」
「……なら、あげる」
「ありがと」
愛すべき紗也の頼みならそれくらいお安い御用だ。
以前一緒に寝たのが……帰ってきた日だったか。あれから随分と経ったように感じたがまだ全然らしい。
「ほら、二人とももう始まるわよ」
「「は~い」」
母さんの言葉と同時に先程の女性のアナウンスが聞こえてくる。
もしやと思ってステージを見上げると先程受付を担当していた女性がマイク片手に注意事項を話していた。
あの人、一人で仕事抱え込み過ぎじゃない?
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