上 下
22 / 116
第1章

022.撮影現場

しおりを挟む
「リオっ!どこ行ってたの!? 心配したんだよ!!」

 エレナに指定された港に着いた途端、俺達の気配に気がつき真っ先に声を上げたのは江嶋さんだった。彼女は一目散にリオへ駆け寄り、隣の少女も腕を広げてそれを受け止める。
 安心したような笑顔を浮かべる江嶋さんに対してリオは眠そうな表情を崩さず、ただ黙って彼女を抱きしめている。けれどその雰囲気は先程と比べて幾分か柔らかくなっているようにも思えた。良いなぁ……羨ましいなぁ……

「どこって……学校?」
「学校!?なんでそんなとこに!?」
「ご……ごめ……だからアイ……そろそろ……」
「いくらリオでも見つかったらパニックになるんだよ!?」
「~~~!~~~~!!」

 ―――――羨ましい。そう思っていたのも束の間だった。

 抱きしめられている――――。

 よくよく見るとそれは大きな間違いだった。
 江嶋さんに抱きしめられていた次第にリオは苦悶の表情に変わっていて、赤い表情のまま江嶋さんの背中をタップしている。
 
 抱きしめる……というより締められている。もはや気絶寸前だ。
 しかし当の本人は気がついていないのか、単にあやされているだけかと思っているのか……まったく気づかない様子でどんどんと腕の力を強めていく。
 あ、段々と青くなってきた。これヤバいんじゃ……?

「江嶋さん、そろそろ―――――」
「アイ、リオが苦しそうにしてるから離してあげなさい」

 2人の再会に水を差すのもどうかと、恐る恐る江嶋さんを止めようと声を掛けようとしたその時、混沌となりかけた場を締めるような凛として落ち着いた声が彼女に投げかけられた。
 エレナではない。一体誰が声をかけたのかと目を向けると、2人の女性の姿がこちらに向かって歩いている。アレはエレナと……誰だ?

「え?……あぁ! ごめん、リオ!!」
「む……ぅ……さすがアイ……。 効いた、ぜ……がくっ」

 もはや「がくっ」でさえも棒読みで気絶するリオ。……いやこれフリだ。
 一瞬本当にまずい状況かと冷や汗をかいたが問題ない様子。歩いてきた2人も同じ感想を抱いたようで、リオを一瞥するだけして俺に意識を向けてくる。

「エレナ……」
「誕生日ぶりね。あの日はアリガト。……それに今日はリオが迷惑掛けちゃったわね」

 真っ直ぐ歩いてきたエレナは仕事モード……とでもいうのだろうか。
 彼女は口調こそ普段とあまり変わらないものの、雰囲気や立ちふるまいは小学生みたいな見た目から隔絶されるほど悠然として大人びていた。
 その先輩と見まごうほどのギャップに面食らった俺はついつい姿勢を正してしまう。事実、先輩なのだが。

「い、いや……驚いたけど俺の為だったらしい……ですし」

 なんだか雰囲気に呑まれてしまって変な口調になってしまった。
 いやそうだろう。今まで不審者兼、偽姉兼、先輩を自称する小学生が、突然包容力をも兼ね備えた大人びたオーラを携えて現れたら誰だってこうなる。

「なぁに?そのらしくない反応。人が多くて緊張するからっていつもどおりでいいのに」

 俺の変な様子に困ったような呆れたような表情をするエレナ。
 確かに人は多いが、そういうことじゃないんだけどな。

「いや……うん、そうだね」
「えぇ。キミは自然体が一番いいわ。……ところで今って学校の時間よね。大丈夫なの?テスト期間とかじゃない?」

 軽く腕を組んで微笑むも一転、心配したような表情でスマホでカレンダーを確認する。
 彼女の懸念ももっともだ。あれからリオを送り届けるにあたって担任に早退の旨を伝えてから学校を出てきた。大丈夫かそうでないといえば、あまり褒められたものではない。
 今現在、度々スマホが振動しているのは友人が連絡してきているのだろう。あとで説明しないとな……リオを目撃してしまった以上、なんて言おう。

「あ~!もしかして早退しちゃったのかなぁ?」
「!?」

 唐突に。
 エレナの隣にいた女性が手を合わせて思いついたかのように声が上がった。その心の中を言い当てられるような言葉に心臓が一度大きく高鳴ったが、慌てる事なくゆっくりと頷いてみせる。

「相対……それは悪いことしちゃったわね。ごめんね?ウチのリーダーが」
「ううん、皆勤とか気にしてないから全然。それでえっと、この人は一体――――」

 誰のせいでもないのにエレナが謝ってきた。強いていえばその責任は俺にある。冷静に考えたら一人で来ることもできたのなら帰ることもできただろう。
 とりあえずその問題はこれで手打ちにするとして、先ほど声を上げた見知らぬ大人の女性について問いかけようとすると、女性は一歩前に出て一礼する。

「ごめんごめん。私、神鳥かんどり 恵那えなっていいます。こういうものです」
「はぁ……ありがとうございます」

 お辞儀と同時に差し出されたのは名刺だった。
 大人の作法も知らない中何度か頭を下げつつ受け取ると、そこには会社名と役職名が……会社名はよく読めないが、役職のところには『社長』と『ストロベリーリキッドマネージャー』の二つの文字が見えた。

 あぁ、誰かと思えばマネージャーさんか。
 そしてまさかの社長さん兼役。企業の事情はよくわからないけど、そういったこともあるのだろう。
 
「ん?神鳥って、たしか……」

 一通り名刺を眺めると、とある疑問にたどり着いた。
 神鳥って見覚えがある名前だ。確かリオの名字もがそれだったはず。マネージャーさんも同じだとすると、もしかして……

「そうっ、リオは私の姪っ子だよ!私はストロベリーリキッドを生み出した裏のボス!38歳独身で彼氏募集中でっす!」
「……はぁ」

 元気よく放たれる自己紹介に圧倒され、微妙な返事をしてしまう俺。
 言われてみると確かにリオと似ている部分も多々見受けられた。ウェーブがかるくかかった茶色い髪に同色の瞳。どことなく奔放そうな雰囲気も彼女の血筋だと言われて納得できる。
 あと、募集中とか言われても返事のしようがない。

「ねぇねぇ、その制服ってすぐそこの高校だよね?」
「へ?あぁ、はい。そこの1年です」
「…………ふぅん、だからか」
「?」

 きっと俺の胸ポケットに刺繍されている校章が目に入ったのだろう。神鳥さんは一人納得したようにどこか歩いていってしまう。
 はて、『だからか』ってなんだろう……

「あっ……あのぅ……」
「はい?」

 少し疑問に思いつつ渡された名刺をとりあえず財布にしまうと、ふとリオと話していた江嶋さんが声を掛けてきた。
 彼女は少しオドオドとしながらも、その長い髪をポニーテールに結いて揺らしながらこちらを見上げている。

「私からも……お礼を言わせてください。リオを送ってくれてありがとうございます」

 そうして深々とお辞儀をしてくる江嶋さん。

 やっぱりこの人が一番しっかりしてる気がする。リーダーじゃないのが不思議なくらいに。
 

「それで……お弁当って何のことですか?」
「お弁当……? あっ…………」

 ふと、頭を上げた江嶋さんが言葉を続けてくる。しかしその視線は俺に向けられず地に落としたまま。
 そういえばお弁当のこと忘れてた。
 移動の邪魔になるからとリオに一旦持ってもらっているが、なんて説明しよう……

「え~っと――――」
「それが学校に行った理由。近くで仕事だったから抜け出してお弁当渡しに行った。 あわよくば一緒に授業を受けるつもりだったけど……」
「リオっ!?」

 もはやオブラートも何もなく、そのまま全てを白状してしまうリオ。
 100%冗談だと思ってたけど、本当に授業受けるつもりだったの!?

 自白することに驚いて一瞬だけリオの方に顔を向けた江嶋さんは、すぐ顔を伏せて表情が見えなくなってしまった。
 気のせいだろうか。今日江嶋さんと会ってから一度も目を合わせてもらってない気がする……

「お弁当……一緒に……」

 俯きながら何かをボソボソと呟き続ける彼女。
 こころなしか纏っている雰囲気も暗いものに変わってきている気がする。

「えっと、江嶋さん……大丈夫でしょうか?」
「…………前坂さん!!」
「わっ!?」

 少し心配になった俺は様子を伺うよう慎重に距離を近づけていくも、不意にその頭が上がって彼女の顔が目の前に現れる。
 さすがはアイドル……と言ったところだろう。そこには眉を釣り上げた意志の強い目があり、綺麗な瞳や長いまつげがすぐ近くに有ることに俺の心臓は高鳴ってしまう。

「慎也っ!!」
「…………って、エレナも!?」

 そんな江嶋さんの顔が近づくのとほぼ同時だった。
 いつの間にやら近くに寄っていたエレナも同様に距離を詰め、2人と俺との距離はもはや10センチほど。
 その琥珀のような茶色の瞳と、サファイアのような碧い瞳に見つめられて少したじろいでしまう。

「えっ……と……二人とも、怖いよ?」

 その眼が。
 美しいのに怖いという、なんとも不思議な感覚を体験しながらなんとか声を出す。
 その圧力に居辛くなってリオと神鳥さんに視線で助けを求めるも、こちらを見ることすらない。二人とも会話に夢中で気がついていないのか、気にしないようにしているのか……
 
「「ねぇっ!」」
「はっ、はいぃ!」

 なんとも情けない声が出てしまった。
 きっとよそ見せずこっちを見ろと言っているのだろう。目を合わせても地獄、逸しても地獄。
 アイドル2人という美少女に囲まれるもその実、なんとも地獄のようなひとときを味わっていた。

「前坂さん……?」
「慎也……?」

 なんだろう。ただ名前を呼ばれているだけなのに、何も悪いことしていないハズなのにどんどん追い詰められていってる気がする。
 そのハズなのに罪の意識が自分の中で湧き上がって来たところでふと離れた位置から1つの声が上がった。

「――――へぇ……アイの恐怖症ってもう治ったんだ」
「……えっ?」

 ふと、二人ではない別方向から声がかけられる。
 それはいつからか会話を終えてこちらの様子を見ていた神鳥さんからだった。
 無言の圧力の中切り裂くように出たその言葉は俺たち全員の注目を集め、彼女はなんてことのないように話を続ける。

「え? だってアイってそんな近距離に男が近づくの耐えられなかったでしょ? なのに自らそんなに近づいて…………あっ!もしかしてぇ……愛の力ってやつぅ?」

 彼女のからかうような口調で自分が行っている現状を把握したであろう江島さんは顔を真っ赤に染め、またたく間に俺から距離を取ってしまった。
 その際側に居たリオを盾にしたことで彼女の身体が大きく揺れ動く。

「あのっ!そのっ…………ごめんなさい。 近くに寄って迷惑でした、よね?」

 そんなこちらの様子を伺いつつ、何度も視線を戻す事を繰り返す彼女はまるで小動物のような怯えようだった。
 離れてしまった……残念……でも怯える姿も可愛い――――じゃなくて!彼女をこれ以上追い詰めてはならないと慌てて首を横にふる。

「そんなことないですよ! むしろ綺麗な顔が近くで見れて嬉しかったっていうか……」
「へっ……? あっ、えっと、ありがとうございます……」

 なんとも初対面のようなぎこちない会話に揃って顔を伏せてしまった。

 しかしそんな甘酸っぱい空気も束の間。
 ここに居るもうひとりが黙ってはいなかった。そう、エレナは俺が顔を伏せたと見るやすぐさまその両頬を自身の手で挟み込んで無理矢理目を合わせさせる。

「エレナ……近いよ?」
「アイを倒したようだけど私はそうはいかないわよ。リオにお弁当作ってもらって一緒に授業受けるって、いつの間にそんな仲良くなってるのかしらねぇ?」
「し……知らない!むしろ俺が教えてほしいくらいだからっ!」

 先ほどとは違い今度はエレナのみの追求だが、その碧い眼が俺の全てを見透かすように俺の黒い目を射抜いていく。
 そんなこと俺が知りたいくらいだ。
 知らないうちに好かれてて知らないうちに学校に来てて……彼女の行動理由がわからなさすぎて戸惑ってるくらいなのに。

「姉である私に誓って言える?」
「は……はい……。姉に誓います……」

 その迫力には姉ではないなどと茶々を入れる余裕すら無かった。
 返事をした途端、もう1歩エレナは俺に近づいたようで、その顔の距離が5センチほどに。
 頑張って顔を動かせば額くらいは当たるんじゃないかと思える距離でじっと見つめられる。

 そんなすぐ近くで見たエレナの顔は小顔で、大きな瞳に小さな口。そのどれをとっても整っていて奇跡のバランスと言ってもいいほどだった。
 そんな美しい顔が近くに有ることを自覚してしまったせいで、恥ずかしいような怖いような……そんなゴチャ混ぜな感情で埋め尽くされてしまう。

 もうあの公園でのできことも全て話してしまおうかと思ったその時、一文字に紡がれていた小さな唇がゆっくりと動き出した。

「嘘はついてないようね……ならちょっとしゃがんでもらえるかしら?」
「? こう……?」

 有無を言わさぬような彼女の指示に従って膝を折り曲げその場にしゃがみ込む。
 なんだろうと思いつつ、見上げる形になったエレナへ顔を上げると、その小さな手が俺の頭にそっと置かれて左右にゆっくりと動き出す。

「これって…………」

 それは、エレナは俺の頭を撫でていた。
 少しぎこちない様子だが間違いない。触れられる手のひらから温かさと優しさが伝わってきて俺は黙ってそれを受け取る。

「ごめんね。リオって自由だから。だからこそキミがいいように扱われてないか心配になったのよ……」

 さっきの雰囲気とはまるで違う、全てを受け入れてくれるような雰囲気にされるがままになってしまう。
 ふと本当に彼女が俺の姉なんじゃないかと思い始めたその時、彼女の手が俺の後頭部を抱きしめるように触れてリオへと声を上げた。

「リオ!この子に変なことしてないでしょうね!?」
「まさかぁ。 私は親愛の念をもって慎也クンと接してるんだぜ?」
「……本当でしょうね?」
「ほんとほんと。この目が信じられないの?」
「…………ことリオに対してはわからないのが問題なのよね」

 頭越しにリオと会話をしていたエレナが困ったように息を吐く。
 エレナたちでも彼女の予測は難しいのか……

「お、俺は気にしてないし大丈夫だよ」
「そう? ならいいけど……」

 そう心配そうに見つめてくるのに加え、頭を撫でる手が止まる様子すら見せないことに段々と恥ずかしくなってきた。
 もうそろそろ限界だけど、エレナはあくまで心配からきてるわけで……うぅん……

「もういいかな?」

 そんな悩みを棚の上に吹き飛ばしたのはまたもや神鳥さんだった。
 彼女はすこし居辛そうにしながらも会話に入ってくれる。

「えぇ、ごめんなさい。どうしたの?」
「そろそろ時間だからね。わかってるかなって思って」
「…………なんだっけ?」

「はぁ……」

 エレナが何のことか忘れていると見るや大きなため息をついてしまう神鳥さん。
 そういえばここにした理由。 俺が学校を早退してまでリオを送ってきた理由――――

「もうそろそろ撮影本番ってこと! みんな、準備して!」
「……あっ!ごめん!すっかり忘れてたわっ!!」

 どうやら気づけばすでに撮影の時間が差し迫っているようだった。
 その言葉でやっとエレナも思い出したのだろう。弓が放たれたように飛び上がって突然慌ただしく動き出すエレナ。
 彼女は慌てたように俺から離れ、奥に設置されているテントへとはいっていってしまう。

「それじゃあ前坂くん、またね」
「ではっ!」

 それを追いかけるかのように江嶋さんとリオも走っていってしまった。
 その場にポツンと残された俺は立ち上がり、彼女が消えていくまでその後ろ姿を追っていった。

 3人が撮影のために消えてしまい、残されたのは俺一人。
 さて、リオを届けるという役目を終えたし、帰って夕食の仕込みでも……

「あれ? どこ行くの?」
「へ?」

 しかしそうは問屋がおろさない。
 帰宅しようとしている俺を呼び止めた神鳥さんだった。彼女は不思議そうに首を傾げている。
 どこって決まっているだろうに……

「家に帰ろうと思いまして。リオを連れてきましたし部外者の俺がここにいたらマズイでしょう?」
「あぁ! いいのいいの!よかったら最後まで見てもらえないかな?」
「……いいんですか?」

 その提案に思わず前のめりになってしまう。
 撮影という気になる現場。いつもの場所でいつもと違う非日常があったら気になるのが人間だろう。

 正直気にしないよう努めていたが、かなり気になっていた。その言葉は渡りに船である。

「もっちろぉん! きっと3人もそのほうがやる気もでるだろうからさ!あ、スタッフには私から言っておくね。ここにはウチの従業員しかいないから」

 「それじゃあこっち」と、促している神鳥さん。
 正直、彼女たちの日常は見れど、こう仕事している姿は見たことがなかった。
 初めての撮影現場見学というのもあってか、俺は少しウキウキしながら彼女についていった――――
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

今さら、私に構わないでください

ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。 彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。 愛し合う二人の前では私は悪役。 幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。 しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……? タイトル変更しました。

いらないと言ったのはあなたの方なのに

水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。 セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。 エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。 ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。 しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。 ◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬 ◇いいね、エールありがとうございます!

短い怖い話 (怖い話、ホラー、短編集)

本野汐梨 Honno Siori
ホラー
 あなたの身近にも訪れるかもしれない恐怖を集めました。 全て一話完結ですのでどこから読んでもらっても構いません。 短くて詳しい概要がよくわからないと思われるかもしれません。しかし、その分、なぜ本文の様な恐怖の事象が起こったのか、あなた自身で考えてみてください。 たくさんの短いお話の中から、是非お気に入りの恐怖を見つけてください。

兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜

藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。 __婚約破棄、大歓迎だ。 そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った! 勝負は一瞬!王子は場外へ! シスコン兄と無自覚ブラコン妹。 そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。 周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!? 短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。

婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた

cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。 お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。 婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。 過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。 ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。 婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。 明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。 「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。 そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。 茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。 幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。 「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?! ★↑例の如く恐ろしく省略してます。 ★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。 ★コメントの返信は遅いです。 ★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません

所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!

ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。 幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。 婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。 王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。 しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。 貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。 遠回しに二人を注意するも‥ 「所詮あなたは他人だもの!」 「部外者がしゃしゃりでるな!」 十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。 「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」 関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが… 一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。 なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…

金に紫、茶に翡翠。〜癒しが世界を変えていく〜

かなえ
ファンタジー
 金髪に紫の瞳の公爵家次男リオンと茶髪に翡翠の瞳の侯爵家次男ルゼル。2人は従兄弟。  「かっこわるい、やだなの」な2人は「つよく、なるましゅ」が目標で日々頑張って子犬のように仲良く遊びます。  頼れるお兄ちゃんズと王子様やしっかり者のお姉様に可愛がられるリオンとルゼル。  少し前まで戦争していた国が復興に力を入れている時代。  ほんわか美幼児2人に家族が癒やされ、偉い人が癒やされ、地域が癒やされ…なんだか世の中が少しだけ変わっていく話。  美幼児が美少年になるあたりまでの成長記録。ショタではない(多分)。  ただただ作者が癒やされたいためだけに書いているので波瀾万丈さはない(多分)。  番外編として「リオンの日記」というショートショートも書いてます。リオンの絵を見てユリアンが兄バカ全開な感じです(笑)

私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。

木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルティリアは、婚約者からある日突然婚約破棄を告げられた。 彼はアルティリアが上から目線だと批判して、自らの妻として相応しくないと判断したのだ。 それに対して不満を述べたアルティリアだったが、婚約者の意思は固かった。こうして彼女は、理不尽に婚約を破棄されてしまったのである。 そのことに関して、アルティリアは実の父親から責められることになった。 公にはなっていないが、彼女は妾の子であり、家での扱いも悪かったのだ。 そのような環境で父親から責められたアルティリアの我慢は限界であった。伯爵家に必要ない。そう言われたアルティリアは父親に告げた。 「私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。私はそれで構いません」 こうしてアルティリアは、新たなる人生を送ることになった。 彼女は伯爵家のしがらみから解放されて、自由な人生を送ることになったのである。 同時に彼女を虐げていた者達は、その報いを受けることになった。彼らはアルティリアだけではなく様々な人から恨みを買っており、その立場というものは盤石なものではなかったのだ。

処理中です...