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第2章 サンドリヨンが王子様に捕まってから
白い日の下で。(上)
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それから数日は、何事もなく過ぎた。
何事もなく、というのは語弊があるかもしれない。
相変わらずクラリス嬢は城に出入りしていたし、クレイディオの周辺に出没していた。
何事もなく、とアシュリーが表現したのは、アシュリーに実害がなかったという意味において、に他ならない。
そういうわけで、アシュリーも油断していたのだと思うし、王妃様もクレイディオも、警戒を緩めていたのだと思う。
そして、そういうときほど何事かは起きるものなのだということを、アシュリーはすっかり失念していたのである。
「アシュリー様、お怪我はありませんか?」
「あ、はい、大丈夫です」
ヘルガに付き添われて、アシュリーは自室へと戻ってきたところだった。
うっかり、ドレスの袖を花瓶に引っ掛けて、花瓶を倒し、ドレスに水をぶちまけてしまったのだ。
アシュリーのドレスの裾がクッションのような役割を果たして、花瓶が無事だったのは不幸中の幸い、というか幸いでしかない。
「花瓶が割れなくて本当によかったです…」
あれがいくらだ、と考えると本当に恐ろしい。
その思いはほっとすると同時に唇から零れていたようで、アシュリーはすぐさま非難を全身に浴びることになる。
「まあ、アシュリー様、花瓶などより御身が大事だと、何度申し上げればわかっていただけるのかしら! 殿下でなくても言いますわ!」
非難ではあるのだが、それは、アシュリーを大切に思ってくれるがゆえの非難だ。
だから、アシュリーはその気持ちが嬉しくて、微笑む。
「あ、はい。 …ありがとう、ございます」
嬉しいけれど照れくさくて、アシュリーが照れながら微笑めば、ヘルガは生温かい――としか表現できないような――微笑みをアシュリーに向ける。
「本当にアシュリー様はお可愛らしい…。 殿下はよくアシュリー様のような方をお選びになりましたわ…」
国王夫妻にしても、ヘルガにしても、アシュリーの身の回りのことをしてくれるヴィーラとセブリナにしても、アシュリーが男であることを忘れ去っているとしか思えない。
縁談を断り続け、並み居る令嬢をちぎっては投げちぎっては投げしていたクレイディオだ。
これで、気に入った女性がとんでもない悪女だとか毒婦だったら最悪だっただろう。
恐らく、周囲の予期できた【最悪】はそこまででしかなかったはずだ。
まさか、クレイディオが気に入り、婚約者と定めるのが、男などとは思いもよらなかったに違いない。
想像の斜め上を行く【最悪】だ、とアシュリーなら思ったと思うし、実際にそのように思っている。
クレイディオの周辺は、寛容すぎやしないだろうか、と心配になっていると、ヘルガがアシュリーの着ているドレスの、背中にあるリボンを解き始めた。
「さあさ、アシュリー様、お召し替えをしましょうね。 王妃様も殿下もお待ちですよ」
アシュリーは勉強を終えて、王妃様とクレイディオとのお茶へ向かおうとしたところで、花瓶を倒してしまったのだ。
いつもお茶をする、約束の時間はとうに過ぎてしまっている。
これ以上お待たせするわけにもいくまい、とアシュリーが潔くドレスを脱ぎ捨てたときだった。
「…あなた、男だったの?」
ヒュッと自分が息を吸い込む音が、嫌にはっきりと耳に届く。
瞠目したアシュリーが、パッと顔を上げた先には、クラリス嬢がいた。
扉が開いたことになど、全く気づかなかった。
それは、ヘルガも同様だったらしい。
サッとアシュリーを守るように、クラリスとアシュリーとの間に割って入ってくれた。
アシュリーが王宮に来てから身に着けるようになったドレスには、以前アシュリーが身に着けていた、お手製の【胸があるように見える胸当て】をつけなくても、胸があるように見えるものもある。
アシュリーの衣装は、事情も何もかも知っているデザイナーと職人が、作ってくれているからだ。
そして、運の悪いことに、今日のアシュリーはドレスのみを身に着けていて、それを脱ぎ去った後にはドロワーズと靴下、靴しか残っていなかった。
真っ平な胸は、ばっちりクラリス嬢に見られていて、もはや言い逃れはできない。
サーッと全身から血が引くような、冷えるような感覚。
指先も冷えて、痺れるようだというのに、全速力で走った後のように、胸が上下している。
耳の近くに心臓があるのではないかと錯覚しそうになるほど、自分の心臓の音がうるさい。
呼吸が、儘ならないような感覚さえする。
「ヘルガ…どうしよう」
心許ない、迷子の子どものような、震える声が出た。
ヘルガは、肩越しにアシュリーを振り返り、横顔で微笑んでくれる。
「大丈夫ですよ、アシュリー様」
大丈夫?
本当に、大丈夫なのだろうか?
何が、大丈夫なのだろうか?
アシュリーが、男だと知られること。
これは、アシュリーだけの問題ではないのだ。
王太子であるクレイディオはもちろん、オキデンシアの王室を巻き込む大問題となる。
そのことに、どうして今まで、気づかなかったのだろう。
自分のせいで、クレイディオに、あの優しい国王夫妻や、なんだかんだでアシュリーを気遣ってくれるオリヴィエにまで、迷惑がかかったら…。
それが怖くて、全身に震えが走る。
「…どうしよう、クレイディオ」
耳に届いた、自分の声に、またハッとする。
意識したわけではない。
呼ぼうと思ったわけでもない。
それなのに、アシュリーは、思わず口走っていたのだ。
そのことに驚いていると、ふわりと肩に何か布のようなものがかけられる。
見れば、それは臙脂色の、厚手の上着だった。
そうしてくれたのが、誰かなんて、振り返らなくてもわかった。
アシュリーに魔力はなく、纏う魔力の色やオーラの違いなどわからないはずなのに、だ。
「何も恐れることなどないよ、アシュリー」
クレイディオの優しい声が、そう言ってくれるだけで、涙が出そうなくらいにほっとする。
アシュリーは、クレイディオがかけてくれた上着の前をかきあわせて、顔を上げた。
いつの間にか隣にいたクレイディオは、アシュリーの顔を覗き込んで、微笑んでくれる。
それだけで、大丈夫だ、と思えるのだから、不思議だと思う。
まるで、警鐘でも慣らすかのように、あんなに大きく脈打っていた心臓が、今は静かだ。
何事もなく、というのは語弊があるかもしれない。
相変わらずクラリス嬢は城に出入りしていたし、クレイディオの周辺に出没していた。
何事もなく、とアシュリーが表現したのは、アシュリーに実害がなかったという意味において、に他ならない。
そういうわけで、アシュリーも油断していたのだと思うし、王妃様もクレイディオも、警戒を緩めていたのだと思う。
そして、そういうときほど何事かは起きるものなのだということを、アシュリーはすっかり失念していたのである。
「アシュリー様、お怪我はありませんか?」
「あ、はい、大丈夫です」
ヘルガに付き添われて、アシュリーは自室へと戻ってきたところだった。
うっかり、ドレスの袖を花瓶に引っ掛けて、花瓶を倒し、ドレスに水をぶちまけてしまったのだ。
アシュリーのドレスの裾がクッションのような役割を果たして、花瓶が無事だったのは不幸中の幸い、というか幸いでしかない。
「花瓶が割れなくて本当によかったです…」
あれがいくらだ、と考えると本当に恐ろしい。
その思いはほっとすると同時に唇から零れていたようで、アシュリーはすぐさま非難を全身に浴びることになる。
「まあ、アシュリー様、花瓶などより御身が大事だと、何度申し上げればわかっていただけるのかしら! 殿下でなくても言いますわ!」
非難ではあるのだが、それは、アシュリーを大切に思ってくれるがゆえの非難だ。
だから、アシュリーはその気持ちが嬉しくて、微笑む。
「あ、はい。 …ありがとう、ございます」
嬉しいけれど照れくさくて、アシュリーが照れながら微笑めば、ヘルガは生温かい――としか表現できないような――微笑みをアシュリーに向ける。
「本当にアシュリー様はお可愛らしい…。 殿下はよくアシュリー様のような方をお選びになりましたわ…」
国王夫妻にしても、ヘルガにしても、アシュリーの身の回りのことをしてくれるヴィーラとセブリナにしても、アシュリーが男であることを忘れ去っているとしか思えない。
縁談を断り続け、並み居る令嬢をちぎっては投げちぎっては投げしていたクレイディオだ。
これで、気に入った女性がとんでもない悪女だとか毒婦だったら最悪だっただろう。
恐らく、周囲の予期できた【最悪】はそこまででしかなかったはずだ。
まさか、クレイディオが気に入り、婚約者と定めるのが、男などとは思いもよらなかったに違いない。
想像の斜め上を行く【最悪】だ、とアシュリーなら思ったと思うし、実際にそのように思っている。
クレイディオの周辺は、寛容すぎやしないだろうか、と心配になっていると、ヘルガがアシュリーの着ているドレスの、背中にあるリボンを解き始めた。
「さあさ、アシュリー様、お召し替えをしましょうね。 王妃様も殿下もお待ちですよ」
アシュリーは勉強を終えて、王妃様とクレイディオとのお茶へ向かおうとしたところで、花瓶を倒してしまったのだ。
いつもお茶をする、約束の時間はとうに過ぎてしまっている。
これ以上お待たせするわけにもいくまい、とアシュリーが潔くドレスを脱ぎ捨てたときだった。
「…あなた、男だったの?」
ヒュッと自分が息を吸い込む音が、嫌にはっきりと耳に届く。
瞠目したアシュリーが、パッと顔を上げた先には、クラリス嬢がいた。
扉が開いたことになど、全く気づかなかった。
それは、ヘルガも同様だったらしい。
サッとアシュリーを守るように、クラリスとアシュリーとの間に割って入ってくれた。
アシュリーが王宮に来てから身に着けるようになったドレスには、以前アシュリーが身に着けていた、お手製の【胸があるように見える胸当て】をつけなくても、胸があるように見えるものもある。
アシュリーの衣装は、事情も何もかも知っているデザイナーと職人が、作ってくれているからだ。
そして、運の悪いことに、今日のアシュリーはドレスのみを身に着けていて、それを脱ぎ去った後にはドロワーズと靴下、靴しか残っていなかった。
真っ平な胸は、ばっちりクラリス嬢に見られていて、もはや言い逃れはできない。
サーッと全身から血が引くような、冷えるような感覚。
指先も冷えて、痺れるようだというのに、全速力で走った後のように、胸が上下している。
耳の近くに心臓があるのではないかと錯覚しそうになるほど、自分の心臓の音がうるさい。
呼吸が、儘ならないような感覚さえする。
「ヘルガ…どうしよう」
心許ない、迷子の子どものような、震える声が出た。
ヘルガは、肩越しにアシュリーを振り返り、横顔で微笑んでくれる。
「大丈夫ですよ、アシュリー様」
大丈夫?
本当に、大丈夫なのだろうか?
何が、大丈夫なのだろうか?
アシュリーが、男だと知られること。
これは、アシュリーだけの問題ではないのだ。
王太子であるクレイディオはもちろん、オキデンシアの王室を巻き込む大問題となる。
そのことに、どうして今まで、気づかなかったのだろう。
自分のせいで、クレイディオに、あの優しい国王夫妻や、なんだかんだでアシュリーを気遣ってくれるオリヴィエにまで、迷惑がかかったら…。
それが怖くて、全身に震えが走る。
「…どうしよう、クレイディオ」
耳に届いた、自分の声に、またハッとする。
意識したわけではない。
呼ぼうと思ったわけでもない。
それなのに、アシュリーは、思わず口走っていたのだ。
そのことに驚いていると、ふわりと肩に何か布のようなものがかけられる。
見れば、それは臙脂色の、厚手の上着だった。
そうしてくれたのが、誰かなんて、振り返らなくてもわかった。
アシュリーに魔力はなく、纏う魔力の色やオーラの違いなどわからないはずなのに、だ。
「何も恐れることなどないよ、アシュリー」
クレイディオの優しい声が、そう言ってくれるだけで、涙が出そうなくらいにほっとする。
アシュリーは、クレイディオがかけてくれた上着の前をかきあわせて、顔を上げた。
いつの間にか隣にいたクレイディオは、アシュリーの顔を覗き込んで、微笑んでくれる。
それだけで、大丈夫だ、と思えるのだから、不思議だと思う。
まるで、警鐘でも慣らすかのように、あんなに大きく脈打っていた心臓が、今は静かだ。
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