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石に咲いた花は
家族になる日②
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祖父に腕を引かれて、室内に足を踏み入れた花嫁――シィーファは、この世のものとは思えないくらいに、綺麗だった。
「シィーファっ…!!! すごく綺麗だ…!!!」
思いの丈をシィーファに伝えると、シィーファははにかむように、でも嬉しそうに微笑んでくれる。
「…ありがとう」
己の花嫁を、頭のてっぺんからドレスの裾まで凝視する。
ラディスは、シィーファの髪が伸びるのを心待ちにしていた。
鎖骨より少し下くらいの長さになった髪を結い上げたシィーファは、純白のドレスを身に着けている。
シィーファは純白のドレスを身に着けることに抵抗があるようだったが、ラディスに根負けしてくれた。
細い肩を出した、Aラインのドレスは、後ろに裾が長いロングトレインだ。
胸部から胴部にかけての刺繍に時間がかかったが、これはかかった価値があるというものだ。
「大声を出したくなる気持ちもわかりますよ。 それくらいにうちのお嫁さんは可愛くて綺麗ですけどねぇ。 本当、内内だけのお式でよかったわぁ。 跡取り息子の駄目駄目っぷりを披露する式ではありませんもの」
近くで母が何事か言っているような気がしたが、それはまるっと無視をして、ラディスは祖父に手を伸べる。
「お祖父様は私の花嫁を渡してください」
いつまでシィーファに腕を組ませているおつもりですか、と口に出さなかった自分を褒めてやりたい。
その目の前で、シィーファは祖父に頭を下げている。
「公爵様、ありがとうございました」
「お祖父様で構わないよ」
シィーファに微笑む祖父を見たラディスは、やはり祖父はただ単にシィーファを気に入っているだけだと思う、という認識を強めた。
でも、そのシィーファは今日で、名実ともに自分の妻になる。
ラディスは、シィーファの手を取りながら、感嘆の溜息をついた。
「シィーファ、…本当に、すごく綺麗だ。 すごく、すごく綺麗だ」
もっと他に色々な褒め言葉を口にしたいのに、それが出てこないくらいに綺麗だ。
目の前のシィーファは、嬉しそうに微笑んでくれる。
「ありがとう。 …ラディスも、素敵」
シィーファが照れながらもラディスを褒めてくれるので、もう、本当に、愛しくて、愛しくて、堪らなくなる。
「ありがとう。 ほかの誰に言われるより、シィーファにそう言ってもらえるのが嬉しい。 そう思ってもらえるのが、嬉しい」
「…わたしも」
なんて可愛い花嫁なんだろう。
ドレスを身に着けた綺麗なシィーファも目に焼きつけたことだし、このまま二人で消えてもいいんじゃないか、とか考えていたときだ。
「二人の世界ねぇ」
「仲がよろしくて結構」
母と祖父が頷き合っていることに気づいた。
「もう、お式なんてちゃちゃっと終わらせましょう。 花嫁の内臓が飛び出したら大変ですもの」
「母上」
母がシィーファを揶揄するような発言をするので、ラディスは厳しい声を出したのだが、シィーファがそっとラディスの腕に触れた。
「ラディス、奥様は助け舟を出してくださっているのです。 わたし、コルセットが苦しくて、本当に内臓が飛び出しそうなので」
そうだった。
最近は西洋風の衣装を身に着けるようになったが、シィーファはそもそも西洋風の衣装が苦手だ。
その苦手なものを、「ラディスの奥さんになるからきちんとしなければ」と克服しようとしてくれるなんて、いじらしいし愛しくてならない。
そうと決まれば、早くシィーファをコルセットから救わないと。
「それはいけない。 急ごう」
ラディスが、シィーファの手を引いて、先程から笑顔で成り行きを見守っている牧師のところへ行こうとしたときだ。
「それから、シィーファさん」
母が、シィーファに声をかけた。
「はい」
「わたくし、今日から【お義母様】でしてよ」
微笑んだ母が、シィーファにそんなことを告げる。
そういえば、シィーファは今まで、母のことをずっと「奥様」と呼び続けていた。
「…はい」
母の提案に、シィーファが噛みしめるように微笑んだのを、ラディスも温かい気持ちで見る。
そうすれば、ラディスを見上げるシィーファと目が合った。
シィーファが一つ小さく頷くから、ラディスは何となく、シィーファの手を一度放す。
シィーファは、母や居並ぶ使用人たちに向き直った。
「あの、わたし、彼に迎えに来てもらって、選んでもらって、大切にしてもらって、彼のお嫁さんにしてもらって…、本当に幸せで、これ以上の幸せってないって思ってたんです」
シィーファの言葉を、ラディスは新鮮な気持ちで聞く。
人種の違いなのか、性別の違いなのか、ただ単に個人差なのか…、シィーファは自分の気持ちを言葉にするのが苦手だ。
苦手、というのは違うかもしれないが、思っているだけで十分と思っていそうな節もある。
慎ましやかで、ラディスはそういうところも好きなのだが、こうして思っていることを聞かせてもらえるのも、やはりいいものだ。
シィーファは更に続けた。
「でも、こうして皆さんとも家族になれて、すごく嬉しいです」
家族の一員。
その言葉に、ラディスも嬉しい気持ちになる。
そう、理解するより先に、ラディスはシィーファの身体を抱きしめていた。
「ら、ラディス、人前です」
「私も、貴女が私の妻になってくれて、家族になってくれて、本当に幸せだ」
シィーファはラディスの腕の中で小さな反抗を試みていたが、ラディスの言葉ですぐに大人しくなる。
そういう恥ずかしがりなところも好きだし、優しいところも好きだ。
そして、最後にはそろそろとラディスの背に、腕を添えてくれるところも。
「若奥様…」
「シィーファさん…」
「ラディス、絶対に幸せにするんだぞ。 絶対に不自由をさせてはならん」
折角二人の世界だと思っていたのに、外野の声がうるさくてラディスは気を削がれる。
それより何より、祖父の発言は何なのだろう。
「絶対に幸せにするのはもちろんですし、絶対に不自由なんかさせませんから」
ラディスは祖父にそのように宣言し、シィーファの肩に手を置いて、真っ直ぐにシィーファの目を見つめた。
「シィーファ、母上の言うようにちゃちゃっと式なんか終わらせて二人きりになろうね。 早く貴女の内臓を助けないといけないんだから」
ラディスは大まじめに言ったのだが、シィーファは目を丸くする。
「え?」
「え?」
だから、ラディスもきょとんとしてしまった。
「あれは、ドレスを早く脱がせて、というお誘いではなかったの?」
目の前のシィーファが、目を白黒させているところを見ると、どうやらそういうことではなかったらしい。
だが、シィーファはこれ以上長い時間コルセットの締め付けに我慢はできないだろうし、もう一押しかな、とラディスは考えるのだった。
「シィーファっ…!!! すごく綺麗だ…!!!」
思いの丈をシィーファに伝えると、シィーファははにかむように、でも嬉しそうに微笑んでくれる。
「…ありがとう」
己の花嫁を、頭のてっぺんからドレスの裾まで凝視する。
ラディスは、シィーファの髪が伸びるのを心待ちにしていた。
鎖骨より少し下くらいの長さになった髪を結い上げたシィーファは、純白のドレスを身に着けている。
シィーファは純白のドレスを身に着けることに抵抗があるようだったが、ラディスに根負けしてくれた。
細い肩を出した、Aラインのドレスは、後ろに裾が長いロングトレインだ。
胸部から胴部にかけての刺繍に時間がかかったが、これはかかった価値があるというものだ。
「大声を出したくなる気持ちもわかりますよ。 それくらいにうちのお嫁さんは可愛くて綺麗ですけどねぇ。 本当、内内だけのお式でよかったわぁ。 跡取り息子の駄目駄目っぷりを披露する式ではありませんもの」
近くで母が何事か言っているような気がしたが、それはまるっと無視をして、ラディスは祖父に手を伸べる。
「お祖父様は私の花嫁を渡してください」
いつまでシィーファに腕を組ませているおつもりですか、と口に出さなかった自分を褒めてやりたい。
その目の前で、シィーファは祖父に頭を下げている。
「公爵様、ありがとうございました」
「お祖父様で構わないよ」
シィーファに微笑む祖父を見たラディスは、やはり祖父はただ単にシィーファを気に入っているだけだと思う、という認識を強めた。
でも、そのシィーファは今日で、名実ともに自分の妻になる。
ラディスは、シィーファの手を取りながら、感嘆の溜息をついた。
「シィーファ、…本当に、すごく綺麗だ。 すごく、すごく綺麗だ」
もっと他に色々な褒め言葉を口にしたいのに、それが出てこないくらいに綺麗だ。
目の前のシィーファは、嬉しそうに微笑んでくれる。
「ありがとう。 …ラディスも、素敵」
シィーファが照れながらもラディスを褒めてくれるので、もう、本当に、愛しくて、愛しくて、堪らなくなる。
「ありがとう。 ほかの誰に言われるより、シィーファにそう言ってもらえるのが嬉しい。 そう思ってもらえるのが、嬉しい」
「…わたしも」
なんて可愛い花嫁なんだろう。
ドレスを身に着けた綺麗なシィーファも目に焼きつけたことだし、このまま二人で消えてもいいんじゃないか、とか考えていたときだ。
「二人の世界ねぇ」
「仲がよろしくて結構」
母と祖父が頷き合っていることに気づいた。
「もう、お式なんてちゃちゃっと終わらせましょう。 花嫁の内臓が飛び出したら大変ですもの」
「母上」
母がシィーファを揶揄するような発言をするので、ラディスは厳しい声を出したのだが、シィーファがそっとラディスの腕に触れた。
「ラディス、奥様は助け舟を出してくださっているのです。 わたし、コルセットが苦しくて、本当に内臓が飛び出しそうなので」
そうだった。
最近は西洋風の衣装を身に着けるようになったが、シィーファはそもそも西洋風の衣装が苦手だ。
その苦手なものを、「ラディスの奥さんになるからきちんとしなければ」と克服しようとしてくれるなんて、いじらしいし愛しくてならない。
そうと決まれば、早くシィーファをコルセットから救わないと。
「それはいけない。 急ごう」
ラディスが、シィーファの手を引いて、先程から笑顔で成り行きを見守っている牧師のところへ行こうとしたときだ。
「それから、シィーファさん」
母が、シィーファに声をかけた。
「はい」
「わたくし、今日から【お義母様】でしてよ」
微笑んだ母が、シィーファにそんなことを告げる。
そういえば、シィーファは今まで、母のことをずっと「奥様」と呼び続けていた。
「…はい」
母の提案に、シィーファが噛みしめるように微笑んだのを、ラディスも温かい気持ちで見る。
そうすれば、ラディスを見上げるシィーファと目が合った。
シィーファが一つ小さく頷くから、ラディスは何となく、シィーファの手を一度放す。
シィーファは、母や居並ぶ使用人たちに向き直った。
「あの、わたし、彼に迎えに来てもらって、選んでもらって、大切にしてもらって、彼のお嫁さんにしてもらって…、本当に幸せで、これ以上の幸せってないって思ってたんです」
シィーファの言葉を、ラディスは新鮮な気持ちで聞く。
人種の違いなのか、性別の違いなのか、ただ単に個人差なのか…、シィーファは自分の気持ちを言葉にするのが苦手だ。
苦手、というのは違うかもしれないが、思っているだけで十分と思っていそうな節もある。
慎ましやかで、ラディスはそういうところも好きなのだが、こうして思っていることを聞かせてもらえるのも、やはりいいものだ。
シィーファは更に続けた。
「でも、こうして皆さんとも家族になれて、すごく嬉しいです」
家族の一員。
その言葉に、ラディスも嬉しい気持ちになる。
そう、理解するより先に、ラディスはシィーファの身体を抱きしめていた。
「ら、ラディス、人前です」
「私も、貴女が私の妻になってくれて、家族になってくれて、本当に幸せだ」
シィーファはラディスの腕の中で小さな反抗を試みていたが、ラディスの言葉ですぐに大人しくなる。
そういう恥ずかしがりなところも好きだし、優しいところも好きだ。
そして、最後にはそろそろとラディスの背に、腕を添えてくれるところも。
「若奥様…」
「シィーファさん…」
「ラディス、絶対に幸せにするんだぞ。 絶対に不自由をさせてはならん」
折角二人の世界だと思っていたのに、外野の声がうるさくてラディスは気を削がれる。
それより何より、祖父の発言は何なのだろう。
「絶対に幸せにするのはもちろんですし、絶対に不自由なんかさせませんから」
ラディスは祖父にそのように宣言し、シィーファの肩に手を置いて、真っ直ぐにシィーファの目を見つめた。
「シィーファ、母上の言うようにちゃちゃっと式なんか終わらせて二人きりになろうね。 早く貴女の内臓を助けないといけないんだから」
ラディスは大まじめに言ったのだが、シィーファは目を丸くする。
「え?」
「え?」
だから、ラディスもきょとんとしてしまった。
「あれは、ドレスを早く脱がせて、というお誘いではなかったの?」
目の前のシィーファが、目を白黒させているところを見ると、どうやらそういうことではなかったらしい。
だが、シィーファはこれ以上長い時間コルセットの締め付けに我慢はできないだろうし、もう一押しかな、とラディスは考えるのだった。
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