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石に花咲く
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ゆっくりと、ゆっくりと、ラディスはシィーファのなかを押し広げていく。
ラディスに挿入されているとき、いつもシィーファは、流れの緩い河、もしくは大きな湖を往く舟を思い浮かべる。
あのような、穏やかな動きだと思うのだ。
「あ、そこ」
奥へと往く途中で、擦られた箇所に、シィーファは上ずった声を上げてしまった。
今日は、なんだか本当に、身体が変なのだ。
ラディスも、シィーファの身体の異変に気づいたらしい。
こともあろうに、シィーファが「そこ」と言ったその場所で、彼自身の動きを止めたのだ。
「ここ、好き…? 前まで、そんなによさそうに見えなかったのに」
「それはっ…」
ラディスが今日、そこばかり刺激するから、身体が変なのだ。
そこを擦られると、優しい動きでも、穏やかな動きでも、びりり、と快感が走る。
おかしなことに、今のシィーファは、快感と尿意の区別もつかなくなっているらしい。
「いっぱい、我慢させたからね…。 気持ちよくなっていいよ」
ラディスは、それを、快感だと受け止めているようで、そこで身体を揺らすようにして、小刻みな刺激を加えてくる。
「ふあ、あ、だめ、それ」
押し寄せては、引く、大きな感覚は、快感なのか、尿意なのか。
本当に、今日のシィーファは混乱している。
「いいよ。 気持ちよくなって?」
ラディスは、散々我慢を強いたシィーファに、ご褒美のつもりで、シィーファが新しく気持ちいいと認識したところを刺激している、のだと思う。
正確に言うなら、ラディスが開発した場所で、シィーファを気持ち良くしたいと思っているのだろう。
そして、シィーファは、ラディスがそんな風に考えてくれているのだとしたら、「漏れそう」と口にするのが物凄く失礼なことではないかと考えてしまっている。
どのように伝えたら、と上手く回らない頭で考えている間に、その瞬間は来た。
押し寄せる波に、攫われてしまったのだ。
「ちが、そこっ…、あっ、でちゃっ…」
何が、どうなったのか、正直、わからなかった。
達した後のような、脱力感というか解放感はあるけれど、快感があったかというと微妙だ。
ラディスの動きも止まっているので、何が起きたのか、シィーファは見極めようとした。
ラディスの視線は、下に向いていて、呆然と、その唇が動く。
「…シィーファ、なにか、出た…」
「…え…?」
何を言われたのだかわからなくて、シィーファは瞬きを繰り返す。
何か、出た、って…。
どこから、何が?
シィーファも呆然としていると、ラディスが自身の太腿のあたりに触れた。
よく見れば、ランプの灯りを弾くように光っている箇所がある。
そこから、水滴を掬い取ったらしい。
ラディスは、そのまま、触れた指先を口元に持って行った。
止める間もなく、覗かせた舌で舐め、口に含んでしまう。
「…甘い…。 水、よりも、とろりとしてる。 ねぇ、シィーファ、これも、シィーファの蜜?」
問われて、気づいた。
いや、もしや、と思っていたけれど、考えないようにしていたことを肯定されたと言うべきか。
あれは、ラディスの言う【シィーファの蜜】――愛液と同じく、行為の最中に、シィーファの体内から出てきたものらしい。
でも、シィーファはあれが何か、なんて、考えたくもない。
もしも、行為の最中に、尿意を我慢できずに、粗相をしてしまったのだとしたら…?
あまつさえ、それを、ラディスの口に含ませてしまったなんて。
「わか、らな」
言いながら、視界が、じわ…と滲んだようになる。
羞恥心なのか、罪悪感なのか、混乱なのか、あるいはその全部なのかもしれない。
涙が一気に膨らんで、つっ…と眦を伝って落ちる。
「っく、ぅ…」
次から、次へと溢れて、止まらなくて、シィーファがしゃくり上げていると、ラディスがシィーファの手を引っ張って、腰を抱き、シィーファをラディスの上に座らせる。
「んっ…」
そうされたことにより、奥まで深く繋がって、シィーファが息を詰めると、真を置かずにぎゅうっと抱きしめられた。
「ごめんね、シィーファ。 シィーファを泣かせたいわけじゃないんだ。 ごめん」
耳元で、揺れる声が、シィーファが泣いたことで狼狽し、自分がしたことを後悔し、謝罪してくれているのがわかる。
最初は、お仕置きだったはずなのに。
そう思ったら、涙も引っ込んでしまった。
シィーファなりの事情があったとはいえ、いつも優しくて、穏やかなラディスを、お仕置きという行動に走らせるくらい、傷つけたのはシィーファなのだ。
だから、そろそろとラディスの背に、腕を回す。
ラディスの、意外としっかりとした胸板に、シィーファの胸が押しつけられる格好になると、胸の先がラディスの身体を意識して、固くなってしまう。
深くつながる場所で、シィーファがきゅんと反応したことに気づかないはずもないだろうに、ラディスは動かない。
だから、シィーファは、ラディスの肩口に甘えるように頬を摺り寄せる。
「わたしも、ごめんなさい…。 …つ、づき、したい…」
ラディスから、離れようとしたこと、ラディスに、よくわからない体液をかけてしまったこと、諸々への謝罪を、ひとくくりにしてしまったことは、狡いかもしれないけれど。
それよりも今は、身体がラディスを欲して、ひくひくと反応してしまっているのだ。
なかなか顔を上げない、動かないラディスに、シィーファから腰を動かしてしまおうか、と考え始めたときだった。
「ん…」
ラディスが顔を上げて、シィーファの唇を吸った。
そのまま、舌を出して下唇を舐められたので、シィーファも舌を出して、舌を擦り合わせる。
気持ちが良くて、お腹の奥がずくん、としたときだ。
ラディスが、軽くシィーファの舌先を吸って、離れた。
「今度は、シィーファの好きな奥で、一緒に気持ちよくなろう?」
ラディスに挿入されているとき、いつもシィーファは、流れの緩い河、もしくは大きな湖を往く舟を思い浮かべる。
あのような、穏やかな動きだと思うのだ。
「あ、そこ」
奥へと往く途中で、擦られた箇所に、シィーファは上ずった声を上げてしまった。
今日は、なんだか本当に、身体が変なのだ。
ラディスも、シィーファの身体の異変に気づいたらしい。
こともあろうに、シィーファが「そこ」と言ったその場所で、彼自身の動きを止めたのだ。
「ここ、好き…? 前まで、そんなによさそうに見えなかったのに」
「それはっ…」
ラディスが今日、そこばかり刺激するから、身体が変なのだ。
そこを擦られると、優しい動きでも、穏やかな動きでも、びりり、と快感が走る。
おかしなことに、今のシィーファは、快感と尿意の区別もつかなくなっているらしい。
「いっぱい、我慢させたからね…。 気持ちよくなっていいよ」
ラディスは、それを、快感だと受け止めているようで、そこで身体を揺らすようにして、小刻みな刺激を加えてくる。
「ふあ、あ、だめ、それ」
押し寄せては、引く、大きな感覚は、快感なのか、尿意なのか。
本当に、今日のシィーファは混乱している。
「いいよ。 気持ちよくなって?」
ラディスは、散々我慢を強いたシィーファに、ご褒美のつもりで、シィーファが新しく気持ちいいと認識したところを刺激している、のだと思う。
正確に言うなら、ラディスが開発した場所で、シィーファを気持ち良くしたいと思っているのだろう。
そして、シィーファは、ラディスがそんな風に考えてくれているのだとしたら、「漏れそう」と口にするのが物凄く失礼なことではないかと考えてしまっている。
どのように伝えたら、と上手く回らない頭で考えている間に、その瞬間は来た。
押し寄せる波に、攫われてしまったのだ。
「ちが、そこっ…、あっ、でちゃっ…」
何が、どうなったのか、正直、わからなかった。
達した後のような、脱力感というか解放感はあるけれど、快感があったかというと微妙だ。
ラディスの動きも止まっているので、何が起きたのか、シィーファは見極めようとした。
ラディスの視線は、下に向いていて、呆然と、その唇が動く。
「…シィーファ、なにか、出た…」
「…え…?」
何を言われたのだかわからなくて、シィーファは瞬きを繰り返す。
何か、出た、って…。
どこから、何が?
シィーファも呆然としていると、ラディスが自身の太腿のあたりに触れた。
よく見れば、ランプの灯りを弾くように光っている箇所がある。
そこから、水滴を掬い取ったらしい。
ラディスは、そのまま、触れた指先を口元に持って行った。
止める間もなく、覗かせた舌で舐め、口に含んでしまう。
「…甘い…。 水、よりも、とろりとしてる。 ねぇ、シィーファ、これも、シィーファの蜜?」
問われて、気づいた。
いや、もしや、と思っていたけれど、考えないようにしていたことを肯定されたと言うべきか。
あれは、ラディスの言う【シィーファの蜜】――愛液と同じく、行為の最中に、シィーファの体内から出てきたものらしい。
でも、シィーファはあれが何か、なんて、考えたくもない。
もしも、行為の最中に、尿意を我慢できずに、粗相をしてしまったのだとしたら…?
あまつさえ、それを、ラディスの口に含ませてしまったなんて。
「わか、らな」
言いながら、視界が、じわ…と滲んだようになる。
羞恥心なのか、罪悪感なのか、混乱なのか、あるいはその全部なのかもしれない。
涙が一気に膨らんで、つっ…と眦を伝って落ちる。
「っく、ぅ…」
次から、次へと溢れて、止まらなくて、シィーファがしゃくり上げていると、ラディスがシィーファの手を引っ張って、腰を抱き、シィーファをラディスの上に座らせる。
「んっ…」
そうされたことにより、奥まで深く繋がって、シィーファが息を詰めると、真を置かずにぎゅうっと抱きしめられた。
「ごめんね、シィーファ。 シィーファを泣かせたいわけじゃないんだ。 ごめん」
耳元で、揺れる声が、シィーファが泣いたことで狼狽し、自分がしたことを後悔し、謝罪してくれているのがわかる。
最初は、お仕置きだったはずなのに。
そう思ったら、涙も引っ込んでしまった。
シィーファなりの事情があったとはいえ、いつも優しくて、穏やかなラディスを、お仕置きという行動に走らせるくらい、傷つけたのはシィーファなのだ。
だから、そろそろとラディスの背に、腕を回す。
ラディスの、意外としっかりとした胸板に、シィーファの胸が押しつけられる格好になると、胸の先がラディスの身体を意識して、固くなってしまう。
深くつながる場所で、シィーファがきゅんと反応したことに気づかないはずもないだろうに、ラディスは動かない。
だから、シィーファは、ラディスの肩口に甘えるように頬を摺り寄せる。
「わたしも、ごめんなさい…。 …つ、づき、したい…」
ラディスから、離れようとしたこと、ラディスに、よくわからない体液をかけてしまったこと、諸々への謝罪を、ひとくくりにしてしまったことは、狡いかもしれないけれど。
それよりも今は、身体がラディスを欲して、ひくひくと反応してしまっているのだ。
なかなか顔を上げない、動かないラディスに、シィーファから腰を動かしてしまおうか、と考え始めたときだった。
「ん…」
ラディスが顔を上げて、シィーファの唇を吸った。
そのまま、舌を出して下唇を舐められたので、シィーファも舌を出して、舌を擦り合わせる。
気持ちが良くて、お腹の奥がずくん、としたときだ。
ラディスが、軽くシィーファの舌先を吸って、離れた。
「今度は、シィーファの好きな奥で、一緒に気持ちよくなろう?」
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