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恋は結局下心 (上)
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それとも、もう一度同じことをしてもらったら、これが痛みなのか快感なのか理解できるだろうか。
そんなことを考えていたシェイラだが、あることに気づいてしまって、ぎょっとする。
「っ!?」
「何?」
不思議そうに首を揺らしているけれど、「何?」ではない。
シェイラは、わなわなっと震えて、顔を背けた。
とても、直視なんて出来なかったのである。
「まって、どうして、そんな、大きくなってそびえ立っているの!?」
一瞬視界に入っただけだが、予想もしなかった光景だった。
オリヴィエ様の脚の間にそそり立つもの。
それは、オリヴィエ様の指の長さなど優に超えていたし、可愛くもなんともなかった。
色自体は、薄紅といっても差し支えないが、血管が浮いたみたいになっているし、てらてらと濡れ光っていたのだ。 それが、ぐっと上向いて、太く大きくなっている。
「私はまだ、いっていないし、呪いが解けたからだよ。 ありがとう、シェイラ」
微笑んだオリヴィエ様は、上機嫌でシェイラの唇にキスをくれる。
だが、シェイラは大好きなキスをされているというのに、それどころではなかった。
では、何か。
あの可愛い局部は呪いのためで、今の局部がオリヴィエ様の素だったと?
シェイラが衝撃に打ち震えていると、オリヴィエ様の声が揺れる。
「私はまだ、気持ちよくなっていないから、もう一度させて?」
もう一度、させて、とはまさか、その凶悪な形のものを、シェイラの脚の間に押し込もうというのではないだろう。
そんな、まさか。
思わずオリヴィエ様を見てしまったシェイラの視界には、その脚の間にそびえ立つ男の徴も飛び込んできて、ぞわっと全身を悪寒が駆けた。
「やだ、怖い。 そんな大きなものっ…」
シェイラはオリヴィエ様に背を向けて、四つん這いになって逃れようとする。
けれど、身体が上手く動かない。
「可愛いね…、もう、一度呑み込んでいるのに。 そんなふうに期待されたら、応えないとね」
「期待なんて、していまっ…!?」
会話が成り立っていないとしか思えない言葉を吐くオリヴィエ様をシェイラが全否定しようとしたときだった。
這って逃げようとした太腿の付け根を捕まえられて、引き寄せられてしまう。
痛くはなかった。
けれど、その腕の力に、オリヴィエ様が男性なのだということを改めて意識する。
オリヴィエ様の男性を受け容れておいて、何を今更、と思われるかもしれないが。
脚の間に、まだ可愛いサイズだったころとは比べものにならない熱と質量のものが擦りつけられて、シェイラは思わず息を呑む。
「ひっ…!」
「あ…、すごい。 私の零したものと、シェイラの初めての証と蜜で、ぐちゃぐちゃだ」
まだ、挿入するつもりはないのか、シェイラの秘裂に沿って擦りつけられるそれ。
くちゅ、ちゅ、とキスをしているときのような音が立つのが恥ずかしいが、擦りつけられること自体は、気持ちいい。
けれど、でも。
「オリヴィエ様、本当に、無理です。 そんなに大きいの、絶対はいらな、!?」
角度を変えて、秘孔に当てられたものに、シェイラは目を見張る。
そこに押し込む意図をもって押し付けられているのがわかって、身体に緊張が走り、強張る。
「大丈夫だよ、さっきまで入っていたんだから」
「っ…む、りぃ…」
ぐっと後ろから押し込まれそうになって、シェイラはふるるっ…と震える。
オリヴィエ様は、シェイラの反応を見て、だろう。
ぴたりと動きを止めた。
少し間を置いて、考えるような声音が耳に届く。
「…恐怖心がよくないっていうのは本当みたいだね。 確かに、強張っている。 …バックはおあずけしてあげる」
バック!?
思いがけない単語がオリヴィエ様から飛び出してぎょっとしていると、その隙を突かれてひっくり返され、転がされた。
そして、あっという間に、膝を起点にして脚を折り曲げさせられ、左右に拡げられ、脚の間にはオリヴィエ様が収まる。
間を置かずにひたり、とシェイラの体内へと続く入り口に、オリヴィエ様が押し付けられる。
まさか、と思ったのだが、そのまさかだった。
「っひっ…うぅ」
再び、押し入ってくる、もの。
声を上げたのは、驚いたからでも、痛かったからでも、怖かったからでもない。
敢えて言うのなら、痛くもなく、怖くもなく、するっとオリヴィエ様を受け容れてしまった自分自身に驚いたのである。
嘘、と思って視線を下げれば、オリヴィエ様が根元まで埋まっているのがわかる。
どうしたらいいのかわからずに、オリヴィエ様を仰ぎ見ると、嬉しそうな笑みが降ってきた。
「ほら、無理じゃなかった。 はいったよ?」
私の言ったとおりだったでしょう? と問われている気がして、シェイラはぐっと口を噤む。
勝ち負けではないのはわかりきっていることなのだが、どうしてか負けた気分だ。
きっと、シェイラよりもオリヴィエ様の方が、シェイラの身体をわかっていることに敗北感を味わっているのだろう。
「これなら、動いても、大丈夫、だね?」
「ん」
シェイラの返答を待たずに、オリヴィエ様はゆっくりと腰を引き、シェイラの中に突き込む動きを繰り返す。
シェイラに返答させないうちに、オリヴィエ様は動き始めたのだが、シェイラの中に不満は生まれなかった。
オリヴィエ様が、シェイラのために動かずにいてくれた。
シェイラだけ気持ちよくしてくれた。
シェイラが怖がったら、後ろからはしないでいてくれた。
オリヴィエ様のために、何か出来たら。 そんな気持ちに、なっていたのだ。
「ぅ、ん」
オリヴィエ様が腰を遣うたびに、シェイラの中が、きゅう、となる。
シェイラのそこが、呑み込んでいるオリヴィエ様をどうしたいのか、シェイラにはまだ、わからない。
気持ちのいいことかどうかは、まだわからない。
ただ、堪らない気持ちになって、声が我慢できなかった。
そんなことを考えていたシェイラだが、あることに気づいてしまって、ぎょっとする。
「っ!?」
「何?」
不思議そうに首を揺らしているけれど、「何?」ではない。
シェイラは、わなわなっと震えて、顔を背けた。
とても、直視なんて出来なかったのである。
「まって、どうして、そんな、大きくなってそびえ立っているの!?」
一瞬視界に入っただけだが、予想もしなかった光景だった。
オリヴィエ様の脚の間にそそり立つもの。
それは、オリヴィエ様の指の長さなど優に超えていたし、可愛くもなんともなかった。
色自体は、薄紅といっても差し支えないが、血管が浮いたみたいになっているし、てらてらと濡れ光っていたのだ。 それが、ぐっと上向いて、太く大きくなっている。
「私はまだ、いっていないし、呪いが解けたからだよ。 ありがとう、シェイラ」
微笑んだオリヴィエ様は、上機嫌でシェイラの唇にキスをくれる。
だが、シェイラは大好きなキスをされているというのに、それどころではなかった。
では、何か。
あの可愛い局部は呪いのためで、今の局部がオリヴィエ様の素だったと?
シェイラが衝撃に打ち震えていると、オリヴィエ様の声が揺れる。
「私はまだ、気持ちよくなっていないから、もう一度させて?」
もう一度、させて、とはまさか、その凶悪な形のものを、シェイラの脚の間に押し込もうというのではないだろう。
そんな、まさか。
思わずオリヴィエ様を見てしまったシェイラの視界には、その脚の間にそびえ立つ男の徴も飛び込んできて、ぞわっと全身を悪寒が駆けた。
「やだ、怖い。 そんな大きなものっ…」
シェイラはオリヴィエ様に背を向けて、四つん這いになって逃れようとする。
けれど、身体が上手く動かない。
「可愛いね…、もう、一度呑み込んでいるのに。 そんなふうに期待されたら、応えないとね」
「期待なんて、していまっ…!?」
会話が成り立っていないとしか思えない言葉を吐くオリヴィエ様をシェイラが全否定しようとしたときだった。
這って逃げようとした太腿の付け根を捕まえられて、引き寄せられてしまう。
痛くはなかった。
けれど、その腕の力に、オリヴィエ様が男性なのだということを改めて意識する。
オリヴィエ様の男性を受け容れておいて、何を今更、と思われるかもしれないが。
脚の間に、まだ可愛いサイズだったころとは比べものにならない熱と質量のものが擦りつけられて、シェイラは思わず息を呑む。
「ひっ…!」
「あ…、すごい。 私の零したものと、シェイラの初めての証と蜜で、ぐちゃぐちゃだ」
まだ、挿入するつもりはないのか、シェイラの秘裂に沿って擦りつけられるそれ。
くちゅ、ちゅ、とキスをしているときのような音が立つのが恥ずかしいが、擦りつけられること自体は、気持ちいい。
けれど、でも。
「オリヴィエ様、本当に、無理です。 そんなに大きいの、絶対はいらな、!?」
角度を変えて、秘孔に当てられたものに、シェイラは目を見張る。
そこに押し込む意図をもって押し付けられているのがわかって、身体に緊張が走り、強張る。
「大丈夫だよ、さっきまで入っていたんだから」
「っ…む、りぃ…」
ぐっと後ろから押し込まれそうになって、シェイラはふるるっ…と震える。
オリヴィエ様は、シェイラの反応を見て、だろう。
ぴたりと動きを止めた。
少し間を置いて、考えるような声音が耳に届く。
「…恐怖心がよくないっていうのは本当みたいだね。 確かに、強張っている。 …バックはおあずけしてあげる」
バック!?
思いがけない単語がオリヴィエ様から飛び出してぎょっとしていると、その隙を突かれてひっくり返され、転がされた。
そして、あっという間に、膝を起点にして脚を折り曲げさせられ、左右に拡げられ、脚の間にはオリヴィエ様が収まる。
間を置かずにひたり、とシェイラの体内へと続く入り口に、オリヴィエ様が押し付けられる。
まさか、と思ったのだが、そのまさかだった。
「っひっ…うぅ」
再び、押し入ってくる、もの。
声を上げたのは、驚いたからでも、痛かったからでも、怖かったからでもない。
敢えて言うのなら、痛くもなく、怖くもなく、するっとオリヴィエ様を受け容れてしまった自分自身に驚いたのである。
嘘、と思って視線を下げれば、オリヴィエ様が根元まで埋まっているのがわかる。
どうしたらいいのかわからずに、オリヴィエ様を仰ぎ見ると、嬉しそうな笑みが降ってきた。
「ほら、無理じゃなかった。 はいったよ?」
私の言ったとおりだったでしょう? と問われている気がして、シェイラはぐっと口を噤む。
勝ち負けではないのはわかりきっていることなのだが、どうしてか負けた気分だ。
きっと、シェイラよりもオリヴィエ様の方が、シェイラの身体をわかっていることに敗北感を味わっているのだろう。
「これなら、動いても、大丈夫、だね?」
「ん」
シェイラの返答を待たずに、オリヴィエ様はゆっくりと腰を引き、シェイラの中に突き込む動きを繰り返す。
シェイラに返答させないうちに、オリヴィエ様は動き始めたのだが、シェイラの中に不満は生まれなかった。
オリヴィエ様が、シェイラのために動かずにいてくれた。
シェイラだけ気持ちよくしてくれた。
シェイラが怖がったら、後ろからはしないでいてくれた。
オリヴィエ様のために、何か出来たら。 そんな気持ちに、なっていたのだ。
「ぅ、ん」
オリヴィエ様が腰を遣うたびに、シェイラの中が、きゅう、となる。
シェイラのそこが、呑み込んでいるオリヴィエ様をどうしたいのか、シェイラにはまだ、わからない。
気持ちのいいことかどうかは、まだわからない。
ただ、堪らない気持ちになって、声が我慢できなかった。
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