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【シャルデル伯爵の房中】
6.レイナール夫人の欲求 *
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「リシア…」
「ん…」
彼が、リシアに口づけてくる。
口づけて、いるのに、彼はゆったりと腰を動かし始めて…リシアは、その感覚におかしくなりそうだ。
初めてのとき、痛がって、苦しがっていたリシアを、彼は辛抱強く慣らしてくれて…。
そのおかげか今は、痛くなんて、ない。
擦れる感覚が、気持ちよくて。
熱くて大きな彼を、何度も締めつけてしまう。 彼の形を、意識するほどに。
「あ…ディアヴェル…」
喘ぐように、彼の名前を呼んで、リシアははっとする。
呼ばないようにと、気をつけてきたのに。
ファースト・ネームを呼ぶなんて、馴れ馴れしいにもほどがある。
リシアは、他の男の妻なのだから、余計に。
「ごめんなさい」
「なぜ…? 貴女が好きなだけ、お呼びになるとよろしい。 特に、こうしているときの貴女の声で呼ばれると…堪らない」
ディアヴェルは気分を害した様子もなく、幸せそうに笑んでいる。
「貴女も、すごく熱い…それに、こんなにとろとろにして…。 すごいっ…」
彼の抽送が、掻き回すような動きに変わって、リシアはびくっとした。
「ぁっ…だめ、それっ…わたし…んん」
「達きそうですか…? どうぞ…? 何度だって気持ちよくして差し上げますから」
入口を、拡げられるような、なぞられるような動きに、ざわざわする。
「あぁっ…ん…んん、ぅ」
例の、あの感覚が迫ってくるようで、リシアはいやいやと首を振ったのだけれど、ディアヴェルは優しい笑みを見せるだけだ。
「ね…達って…?」
甘えるような声に、ふるっと震えた。
そして、動きがまた、抽送に変わり、リシアは堪えることができなかった。
「っ、んっ…わた、しっ…」
いく、と訴えようとしたのだが間に合わずに、視界が白に染まる。
びくっびくっと身体が震えるのを感じていると、ふーっと息を吐き出すような音が聞こえた。
「っ…リシア、いい…」
大きな快感の余韻にまだぼんやりとしているリシアの頬を、ディアヴェルの手が優しく撫でる。
その瞳は、ひたすらに甘く、優しい色をしている。 そして、満ち足りた表情だ。
「貴女の達き顔、初めて見た…。 すごく、可愛い…」
蕩けた脳は、ディアヴェルの言葉の意味を理解しない。
言葉自体は拾っているのだが、その内容の吟味までは至らず、聞き流しているような状態だ。
そして、自分が感じる彼のことが、口を突いて出た。
「…は、ぁ…。 貴方…まだ、硬い…」
リシアのなかにいる彼が、まだ硬い。 大きさも変わっていない気がする。
それが、哀しくて、切なくて、リシアは自分を見下ろすディアヴェルに聞いていた。
「赤ちゃんの種、くれないの…?」
ディアヴェルが、軽く目を見張った。 その理由はわからない。
このひとと、夫婦になることは叶わなくても、このひとの子どもを与えてもらえれば。
それだけで、リシアは、生きて行かれる気がした。
「一度でよくなったら、もったいないでしょう…?」
ふっと笑った彼が、そんなことを言う。
何が、どうで、もったいないのか、リシアはよくわからない。
それとも、リシアが知らないだけであれは、何回もできることではなく、回数が決まっているのだろうか。
「でも、貴女の中はよすぎて…我慢できないのではないかと思いますよ」
「…嘘ばっかり」
ディアヴェルの言葉が恥ずかしくて、リシアは可愛くない言い方をしてしまう。
顔もふいと逸らしてしまった。
なんとなく、褒められたのだろうとはわかった。 ディアヴェルに【よい】と思ってもらえるのは嬉しい。
けれど、それ以上に恥ずかしいし、どんな反応をすればいいのかもわからない。
リシアの反応に、ディアヴェルは笑んだ。
もしかしたら、ディアヴェルは、リシアの照れ隠しなどお見通りなのかもしれない。
「嘘なんて。 ご自分が達くとき、どんなに俺を締めて、絡みついて、しゃぶるような動きをするかご存じでない?」
「え…?」
一体何を言われているのかわからなくて、リシアはディアヴェルを見つめる。
そうすれば、ディアヴェルは意外そうな表情をした。
「俺の形を、意識はされないのですか…? あれだけ締めれば、わかりそうなものですが」
思い当たって、リシアは赤くなってしまう。
ああ、あの感覚が、【締める】なのかと。
リシアの反応に、ディアヴェルは楽しそうに笑んだ。
「罪な人ですね…ほら」
「ぁ…」
ディアヴェルがゆったりと腰を揺らしながら、リシアの胸の先端の尖りを、指の背で擽った。
そんな些細な刺激にも反応せずにいられないくらいには、リシアの身体は過敏になっている。
「貴女のピンクの可愛い蕾は、感じすぎて起ちっぱなしだというのに」
「ん…」
声を押さえようと、リシアは目を伏せて手の甲を唇にあてた。
自分の喘ぐ声も淫らで恥ずかしいと思うが、我慢して鼻から抜ける声も恥ずかしい。
ディアヴェルの手は、リシアの胸の先を愛撫している。
「ここ、興奮すると起つのをご存知ですか? だから、触れられないと、戻るのですよ? でも、貴女のここは、行為の間はずっと俺を誘っているし…、ああ、締めましたね?」
ディアヴェルがそんな風に触らなければ、締めることもないのに、とリシアは恨めしげにディアヴェルを見上げる。
そうすれば、ディアヴェルは、は、と息を吐き、腰を遣う速度を速めた。
「っん」
笑みながら唇を舐める様が、凄絶に色っぽくて、リシアはどきりとする。
その際に、身体も反応したらしい。
ディアヴェルが腰を遣うリズムが、一瞬乱れた。
「…ほら、また…。 俺が貴女に、淫らなことをしたくなるのは、何も俺だけのせいではない…」
そんなことは、言われずともわかっている。
これ、は、リシアが望んだことだ。
彼はそれを、与えてくれているだけ。
「ん…」
彼が、リシアに口づけてくる。
口づけて、いるのに、彼はゆったりと腰を動かし始めて…リシアは、その感覚におかしくなりそうだ。
初めてのとき、痛がって、苦しがっていたリシアを、彼は辛抱強く慣らしてくれて…。
そのおかげか今は、痛くなんて、ない。
擦れる感覚が、気持ちよくて。
熱くて大きな彼を、何度も締めつけてしまう。 彼の形を、意識するほどに。
「あ…ディアヴェル…」
喘ぐように、彼の名前を呼んで、リシアははっとする。
呼ばないようにと、気をつけてきたのに。
ファースト・ネームを呼ぶなんて、馴れ馴れしいにもほどがある。
リシアは、他の男の妻なのだから、余計に。
「ごめんなさい」
「なぜ…? 貴女が好きなだけ、お呼びになるとよろしい。 特に、こうしているときの貴女の声で呼ばれると…堪らない」
ディアヴェルは気分を害した様子もなく、幸せそうに笑んでいる。
「貴女も、すごく熱い…それに、こんなにとろとろにして…。 すごいっ…」
彼の抽送が、掻き回すような動きに変わって、リシアはびくっとした。
「ぁっ…だめ、それっ…わたし…んん」
「達きそうですか…? どうぞ…? 何度だって気持ちよくして差し上げますから」
入口を、拡げられるような、なぞられるような動きに、ざわざわする。
「あぁっ…ん…んん、ぅ」
例の、あの感覚が迫ってくるようで、リシアはいやいやと首を振ったのだけれど、ディアヴェルは優しい笑みを見せるだけだ。
「ね…達って…?」
甘えるような声に、ふるっと震えた。
そして、動きがまた、抽送に変わり、リシアは堪えることができなかった。
「っ、んっ…わた、しっ…」
いく、と訴えようとしたのだが間に合わずに、視界が白に染まる。
びくっびくっと身体が震えるのを感じていると、ふーっと息を吐き出すような音が聞こえた。
「っ…リシア、いい…」
大きな快感の余韻にまだぼんやりとしているリシアの頬を、ディアヴェルの手が優しく撫でる。
その瞳は、ひたすらに甘く、優しい色をしている。 そして、満ち足りた表情だ。
「貴女の達き顔、初めて見た…。 すごく、可愛い…」
蕩けた脳は、ディアヴェルの言葉の意味を理解しない。
言葉自体は拾っているのだが、その内容の吟味までは至らず、聞き流しているような状態だ。
そして、自分が感じる彼のことが、口を突いて出た。
「…は、ぁ…。 貴方…まだ、硬い…」
リシアのなかにいる彼が、まだ硬い。 大きさも変わっていない気がする。
それが、哀しくて、切なくて、リシアは自分を見下ろすディアヴェルに聞いていた。
「赤ちゃんの種、くれないの…?」
ディアヴェルが、軽く目を見張った。 その理由はわからない。
このひとと、夫婦になることは叶わなくても、このひとの子どもを与えてもらえれば。
それだけで、リシアは、生きて行かれる気がした。
「一度でよくなったら、もったいないでしょう…?」
ふっと笑った彼が、そんなことを言う。
何が、どうで、もったいないのか、リシアはよくわからない。
それとも、リシアが知らないだけであれは、何回もできることではなく、回数が決まっているのだろうか。
「でも、貴女の中はよすぎて…我慢できないのではないかと思いますよ」
「…嘘ばっかり」
ディアヴェルの言葉が恥ずかしくて、リシアは可愛くない言い方をしてしまう。
顔もふいと逸らしてしまった。
なんとなく、褒められたのだろうとはわかった。 ディアヴェルに【よい】と思ってもらえるのは嬉しい。
けれど、それ以上に恥ずかしいし、どんな反応をすればいいのかもわからない。
リシアの反応に、ディアヴェルは笑んだ。
もしかしたら、ディアヴェルは、リシアの照れ隠しなどお見通りなのかもしれない。
「嘘なんて。 ご自分が達くとき、どんなに俺を締めて、絡みついて、しゃぶるような動きをするかご存じでない?」
「え…?」
一体何を言われているのかわからなくて、リシアはディアヴェルを見つめる。
そうすれば、ディアヴェルは意外そうな表情をした。
「俺の形を、意識はされないのですか…? あれだけ締めれば、わかりそうなものですが」
思い当たって、リシアは赤くなってしまう。
ああ、あの感覚が、【締める】なのかと。
リシアの反応に、ディアヴェルは楽しそうに笑んだ。
「罪な人ですね…ほら」
「ぁ…」
ディアヴェルがゆったりと腰を揺らしながら、リシアの胸の先端の尖りを、指の背で擽った。
そんな些細な刺激にも反応せずにいられないくらいには、リシアの身体は過敏になっている。
「貴女のピンクの可愛い蕾は、感じすぎて起ちっぱなしだというのに」
「ん…」
声を押さえようと、リシアは目を伏せて手の甲を唇にあてた。
自分の喘ぐ声も淫らで恥ずかしいと思うが、我慢して鼻から抜ける声も恥ずかしい。
ディアヴェルの手は、リシアの胸の先を愛撫している。
「ここ、興奮すると起つのをご存知ですか? だから、触れられないと、戻るのですよ? でも、貴女のここは、行為の間はずっと俺を誘っているし…、ああ、締めましたね?」
ディアヴェルがそんな風に触らなければ、締めることもないのに、とリシアは恨めしげにディアヴェルを見上げる。
そうすれば、ディアヴェルは、は、と息を吐き、腰を遣う速度を速めた。
「っん」
笑みながら唇を舐める様が、凄絶に色っぽくて、リシアはどきりとする。
その際に、身体も反応したらしい。
ディアヴェルが腰を遣うリズムが、一瞬乱れた。
「…ほら、また…。 俺が貴女に、淫らなことをしたくなるのは、何も俺だけのせいではない…」
そんなことは、言われずともわかっている。
これ、は、リシアが望んだことだ。
彼はそれを、与えてくれているだけ。
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