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第1章 偽りの騎士
第20話 守護神 1
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ゾンビはただのひと薙ぎで吹き飛んで、綺麗になった戦場に、ゆらりと1つの影が揺れる。見た目はとてもか細い女性の姿。とても甲冑の似合わない華奢な竜人の女性。しかし侮ることなかれ、そこに立ちはだかるは守護神ウロボロスだ。
「スキル発動、イージス・ビット、ファランクス・シフト」
黄金色に輝く手のひらサイズの小型シールドが、108個出現する。それらはウロボロスの周囲を覆うように配置され静止する。
敵も黙ってはいない。地中から新しいゾンビが次々と現れ、ワラワラとウロボロスに向かう。しかしレベル差は歴然。ゾンビなぞ、イージス・ビットに触れることすら叶わず近付いたそばから消滅していく。
「やりおる。流石は魔王の手下だ」
アデルはその光景を見て、嬉しそうな声を上げると、青色の魔法陣を前方へ展開する。そこから現れたのは巨大な氷塊だ。一般的な村ひとつが丸々収まってしまう程の大きさである。魔法陣が消えると氷塊に亀裂が走り、たちまち崩壊。氷柱のような小さい槍が無数に生成された。
「根比べといこうか!」
「お好きにどうぞ?」
尋常ではない量の氷の槍が一斉射されたのに対し、ウロボロスは微笑みで返す。あろうことか武器であるグングニル改12を地面に突き立て、魔法もスキルも使わずに両手を広げる。一歩たりとも動こうとすらしない。
「……す、凄い」
それなのに氷の槍はことごとく破砕。展開されたイージス・ビットが圧倒している。圧倒。そう、防ぐだけではなく徐々に距離を詰めていき、終いには大元から圧殺して粉砕してしまう。届く届かないといった駆け引きとか、根比べとか、そういう次元ではない。根元から断ち切った。終わってみれば槍の破片が粉雪のように宙を舞っているのみである。
後ろで見ているだけのルーチェは魅せられていた。強固過ぎる突破困難の壁が、余りにも頼もしいから。だから思わず呟いてしまった。凄い、と。それに対し、ウロボロスは小さく笑う。
「凄い? 何を言うのですか。かつて私に傷を付けた人が」
そう、これほどまでに圧倒的な盾であるウロボロスは、かつて、一度とならず二度までも攻撃を許してしまっている。他の誰でもなくルーチェによって。もっとも、条件付きの戦いではあった。だがウロボロスには関係ない。防御を抜かれたという事実があればこそ、少しばかりの仕返しを込めた冗談を言ったのだ。
「ふふ、ですが安心しなさい、ルーチェよ。持てる全ての力を使ってでも、ただの一撃さえも通しませんから」
アデルもまた笑った。くつくつと、おかしさを堪えるように。そう、アデルは楽しんでいた。この状況を。逆にあの程度の魔法で終わってしまったら、むしろ興冷めもいいところだったのだ。
「嬉しい限りだ! お陰で思う存分、この強大な力を試せるというもの!」
魔力が凝縮され、アデルの前に収束していく。そして生成されるは先ほど全てを飲み込んだ紫色の魔法の球体である。だが、あれはまだ序の口。もっと、もっと、と魔力を集めていき、その巨大化は留まることを知らず、2倍、3倍、いや、最終的には元の10倍もの大きさに膨れ上がる。これで完成。文句無し。世界を飲み込み破壊し尽くせる程の最高火力である。
「これが力だ! 世界を変える一撃だ!」
「それが全力ですか?」
そんなものを見せられたウロボロスは、恐れも怯えもしておらず、心底残念そうな表情をしている。言葉にこそしていないが、たったそれっぽっちが全力なんてつまらない、とでも言っているようなものだった。
これにはアデルも驚きを隠せなかった。後ろのルーチェを見ろ。絶望を通り越して安らかな顔を浮かべてすらいるじゃないか。こんな状況で、どうしてあんな表情ができる。狂った。そう考えるしかないだろう。狂っている。狂っている。そう言い聞かせながらも、アデルの中で、まさか、という恐れもあった。だが断じてあり得ないと、最悪のイメージを振り切るように巨大な魔力の塊を放出する。
「望み通りに殺してくれる!」
「では、少々こちらも力をお見せしましょうか。イージス・ビット、全て後退」
イージス・ビットを後方へ、つまり、ルーチェすら通り過ぎた後方へと移動させる。本当ならあのまま放っておいても問題は無かった。でも、せっかく全力を見せてくれているのだ。こちらも相応に対応しなければ失礼に当たるというもの。なんて、もっともらしい言い分を考えながらウロボロスはほくそ笑んだ。
「絶望を知りなさい。スキル発動、絶対防御壁アイギス!」
ウロボロスほどの大きさのシールドが展開される。藍色に光る盾。その硬度は折り紙付きだ。なにせ、ドミニオンズでも最強クラスの盾なのだから。
最強の盾に貧弱な魔法攻撃が衝突する。一瞬の静寂。そして訪れる大爆発のような轟音。その音に恥じない破壊力で辺りの地を深く抉る。
「ははは……っ! これが力だ! 世界を変える……いや、守る……た……めの……」
全く前が見えないほどの土煙。それが少しずつ晴れていくにつれて、アデルは覇気を、言葉を失う。嘘だ、もしくは見間違いだ。そんな言葉が頭の中でループしていた。だって、なぜこんなことがあり得る。なぜそこにある。人影が。しっかりと立っている人影があり得るのだ。
「理解できましたか? 己の矮小さを」
残念ながら嘘でも見間違いでもない。無傷のウロボロスが立っていた、ただそれだけであった。張られたシールドも一切の綻びを見せずに残っているオマケ付きである。
この結果は当然である。小石をいくつ投げればダイヤモンドの盾を砕けるだろう。例え万発、億発ぶつけようが、ヒビひとつ入れられないだろう。過剰表現だろうか。いや、安心して欲しい。この表現すら不適切なくらいに隔絶した差があるのだから。
「ば……馬鹿な……。私の魔法が……こんなにも容易く……? あり得ない……あってたまるか……!」
あの魔法は魔法であって魔法ではない。というのも、ただ魔力を集めて放っただけのエネルギー放出に過ぎないのだから。だがその威力はご覧の通りで、地形を大きく変えるほどであり、あれに勝る魔法はこの世に存在しない。そのはずだったのだ、アデルの中では。それなのにどうしてだろう。なぜだろう。アデルには到底受け入れられる現実ではなかった。
「そう嘆くことはありませんよ。ほら、次の魔法を使ってください。その全てを防ぎ切ってみせますから」
「く……っ!」
更に上の魔法はこの世には存在しない。本来ならばそうだったが、おとぎ話には存在していた。魔王の使う史上最悪の魔法、エグゾダスが。
だが所詮はおとぎ話に過ぎない。絵本から魔法は飛び出さない。それが常識だった、これまでは。そう、他の誰でもない。ウロボロスたちの主が現れるまでは。だから打つ手はたったひとつだけ残されている。アデルは諦めず、しかし破れかぶれのように、様々な魔法が放ちながらゾンビたちを仕向けた。
「イージス・ビット、お願いします」
勿論、無駄。あの魔力放出でも突破できないのに、有象無象の魔法やゾンビ如きでどうにかなるはずがない。勝敗はほぼ決した。そう判断したウロボロスは遂に背を向け、ルーチェと向かい合う。言いたいことがあったのだ。
「スキル発動、イージス・ビット、ファランクス・シフト」
黄金色に輝く手のひらサイズの小型シールドが、108個出現する。それらはウロボロスの周囲を覆うように配置され静止する。
敵も黙ってはいない。地中から新しいゾンビが次々と現れ、ワラワラとウロボロスに向かう。しかしレベル差は歴然。ゾンビなぞ、イージス・ビットに触れることすら叶わず近付いたそばから消滅していく。
「やりおる。流石は魔王の手下だ」
アデルはその光景を見て、嬉しそうな声を上げると、青色の魔法陣を前方へ展開する。そこから現れたのは巨大な氷塊だ。一般的な村ひとつが丸々収まってしまう程の大きさである。魔法陣が消えると氷塊に亀裂が走り、たちまち崩壊。氷柱のような小さい槍が無数に生成された。
「根比べといこうか!」
「お好きにどうぞ?」
尋常ではない量の氷の槍が一斉射されたのに対し、ウロボロスは微笑みで返す。あろうことか武器であるグングニル改12を地面に突き立て、魔法もスキルも使わずに両手を広げる。一歩たりとも動こうとすらしない。
「……す、凄い」
それなのに氷の槍はことごとく破砕。展開されたイージス・ビットが圧倒している。圧倒。そう、防ぐだけではなく徐々に距離を詰めていき、終いには大元から圧殺して粉砕してしまう。届く届かないといった駆け引きとか、根比べとか、そういう次元ではない。根元から断ち切った。終わってみれば槍の破片が粉雪のように宙を舞っているのみである。
後ろで見ているだけのルーチェは魅せられていた。強固過ぎる突破困難の壁が、余りにも頼もしいから。だから思わず呟いてしまった。凄い、と。それに対し、ウロボロスは小さく笑う。
「凄い? 何を言うのですか。かつて私に傷を付けた人が」
そう、これほどまでに圧倒的な盾であるウロボロスは、かつて、一度とならず二度までも攻撃を許してしまっている。他の誰でもなくルーチェによって。もっとも、条件付きの戦いではあった。だがウロボロスには関係ない。防御を抜かれたという事実があればこそ、少しばかりの仕返しを込めた冗談を言ったのだ。
「ふふ、ですが安心しなさい、ルーチェよ。持てる全ての力を使ってでも、ただの一撃さえも通しませんから」
アデルもまた笑った。くつくつと、おかしさを堪えるように。そう、アデルは楽しんでいた。この状況を。逆にあの程度の魔法で終わってしまったら、むしろ興冷めもいいところだったのだ。
「嬉しい限りだ! お陰で思う存分、この強大な力を試せるというもの!」
魔力が凝縮され、アデルの前に収束していく。そして生成されるは先ほど全てを飲み込んだ紫色の魔法の球体である。だが、あれはまだ序の口。もっと、もっと、と魔力を集めていき、その巨大化は留まることを知らず、2倍、3倍、いや、最終的には元の10倍もの大きさに膨れ上がる。これで完成。文句無し。世界を飲み込み破壊し尽くせる程の最高火力である。
「これが力だ! 世界を変える一撃だ!」
「それが全力ですか?」
そんなものを見せられたウロボロスは、恐れも怯えもしておらず、心底残念そうな表情をしている。言葉にこそしていないが、たったそれっぽっちが全力なんてつまらない、とでも言っているようなものだった。
これにはアデルも驚きを隠せなかった。後ろのルーチェを見ろ。絶望を通り越して安らかな顔を浮かべてすらいるじゃないか。こんな状況で、どうしてあんな表情ができる。狂った。そう考えるしかないだろう。狂っている。狂っている。そう言い聞かせながらも、アデルの中で、まさか、という恐れもあった。だが断じてあり得ないと、最悪のイメージを振り切るように巨大な魔力の塊を放出する。
「望み通りに殺してくれる!」
「では、少々こちらも力をお見せしましょうか。イージス・ビット、全て後退」
イージス・ビットを後方へ、つまり、ルーチェすら通り過ぎた後方へと移動させる。本当ならあのまま放っておいても問題は無かった。でも、せっかく全力を見せてくれているのだ。こちらも相応に対応しなければ失礼に当たるというもの。なんて、もっともらしい言い分を考えながらウロボロスはほくそ笑んだ。
「絶望を知りなさい。スキル発動、絶対防御壁アイギス!」
ウロボロスほどの大きさのシールドが展開される。藍色に光る盾。その硬度は折り紙付きだ。なにせ、ドミニオンズでも最強クラスの盾なのだから。
最強の盾に貧弱な魔法攻撃が衝突する。一瞬の静寂。そして訪れる大爆発のような轟音。その音に恥じない破壊力で辺りの地を深く抉る。
「ははは……っ! これが力だ! 世界を変える……いや、守る……た……めの……」
全く前が見えないほどの土煙。それが少しずつ晴れていくにつれて、アデルは覇気を、言葉を失う。嘘だ、もしくは見間違いだ。そんな言葉が頭の中でループしていた。だって、なぜこんなことがあり得る。なぜそこにある。人影が。しっかりと立っている人影があり得るのだ。
「理解できましたか? 己の矮小さを」
残念ながら嘘でも見間違いでもない。無傷のウロボロスが立っていた、ただそれだけであった。張られたシールドも一切の綻びを見せずに残っているオマケ付きである。
この結果は当然である。小石をいくつ投げればダイヤモンドの盾を砕けるだろう。例え万発、億発ぶつけようが、ヒビひとつ入れられないだろう。過剰表現だろうか。いや、安心して欲しい。この表現すら不適切なくらいに隔絶した差があるのだから。
「ば……馬鹿な……。私の魔法が……こんなにも容易く……? あり得ない……あってたまるか……!」
あの魔法は魔法であって魔法ではない。というのも、ただ魔力を集めて放っただけのエネルギー放出に過ぎないのだから。だがその威力はご覧の通りで、地形を大きく変えるほどであり、あれに勝る魔法はこの世に存在しない。そのはずだったのだ、アデルの中では。それなのにどうしてだろう。なぜだろう。アデルには到底受け入れられる現実ではなかった。
「そう嘆くことはありませんよ。ほら、次の魔法を使ってください。その全てを防ぎ切ってみせますから」
「く……っ!」
更に上の魔法はこの世には存在しない。本来ならばそうだったが、おとぎ話には存在していた。魔王の使う史上最悪の魔法、エグゾダスが。
だが所詮はおとぎ話に過ぎない。絵本から魔法は飛び出さない。それが常識だった、これまでは。そう、他の誰でもない。ウロボロスたちの主が現れるまでは。だから打つ手はたったひとつだけ残されている。アデルは諦めず、しかし破れかぶれのように、様々な魔法が放ちながらゾンビたちを仕向けた。
「イージス・ビット、お願いします」
勿論、無駄。あの魔力放出でも突破できないのに、有象無象の魔法やゾンビ如きでどうにかなるはずがない。勝敗はほぼ決した。そう判断したウロボロスは遂に背を向け、ルーチェと向かい合う。言いたいことがあったのだ。
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