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フィリエル殿下2
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「それに君の様子を見に来たんだ」
「私の、ですか?」
「ロージア家との婚約が破談になったんだろう? 気に病んでいないかと思ってね」
心配そうに私の顔を覗き込むフィリエル殿下。
顔の良い男性にそういうことをされると心臓が跳ねる。
「だ、大丈夫です」
「……顔が赤いけど、無理はしていないかい?」
「大丈夫ですから!」
この人、無自覚だ……!
「それならいいけど。とにかく、なにかあったら相談してほしい」
「は、はい。ありがとうございます」
心遣いがありがたい。
もっとも相手はロージア家だ。子爵とはいえその領地の価値は相当に大きく、そのぶん影響力もある。
フィリエル殿下にかかる迷惑を考えたら、簡単には泣きつけないのが現実だけど……
それでも、気持ちはとても嬉しい。
「今日は収穫祭の準備かい?」
「はい。せっかくの機会ですから、領民たちにはしっかり羽を伸ばしてもらいたいですね」
「まったく……君は男爵令嬢にしておくにはもったいないよ。ここまで誠実に領民たちに向き合おうとする貴族なんて見たことがない」
「あ、ありがとうございます」
フィリエル殿下はくすりと微笑んだ。
どき、とまた鼓動がおかしくなりそうなので視線を逸らす。
「せっかくだから僕も何か手伝おうかなー」
「え!? フィリエル殿下がですか!?」
「人手が足りていないように見えるけど?」
「それはそうですが……」
「それじゃあ手伝わせてよ。王族としてじゃなく、一人の友人としてさ」
にっこり笑ってそんなことを言ってくるフィリエル殿下。
そう言われると断り切れない。
「私の、ですか?」
「ロージア家との婚約が破談になったんだろう? 気に病んでいないかと思ってね」
心配そうに私の顔を覗き込むフィリエル殿下。
顔の良い男性にそういうことをされると心臓が跳ねる。
「だ、大丈夫です」
「……顔が赤いけど、無理はしていないかい?」
「大丈夫ですから!」
この人、無自覚だ……!
「それならいいけど。とにかく、なにかあったら相談してほしい」
「は、はい。ありがとうございます」
心遣いがありがたい。
もっとも相手はロージア家だ。子爵とはいえその領地の価値は相当に大きく、そのぶん影響力もある。
フィリエル殿下にかかる迷惑を考えたら、簡単には泣きつけないのが現実だけど……
それでも、気持ちはとても嬉しい。
「今日は収穫祭の準備かい?」
「はい。せっかくの機会ですから、領民たちにはしっかり羽を伸ばしてもらいたいですね」
「まったく……君は男爵令嬢にしておくにはもったいないよ。ここまで誠実に領民たちに向き合おうとする貴族なんて見たことがない」
「あ、ありがとうございます」
フィリエル殿下はくすりと微笑んだ。
どき、とまた鼓動がおかしくなりそうなので視線を逸らす。
「せっかくだから僕も何か手伝おうかなー」
「え!? フィリエル殿下がですか!?」
「人手が足りていないように見えるけど?」
「それはそうですが……」
「それじゃあ手伝わせてよ。王族としてじゃなく、一人の友人としてさ」
にっこり笑ってそんなことを言ってくるフィリエル殿下。
そう言われると断り切れない。
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