咎の伝記

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第2章 冒険の旅路

#9『模倣の範囲』

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模倣もほう範囲はんい



《デルカダール地方ちほう――ひがし

<アカリノ洞窟どうくつ――ぐち
ケイパン「ここが…ってた場所ばしょ?」
無名「そやね」
ケイパン「アカ…リノ洞窟どうくつ……めっちゃくらいけど」
無名「なはは」
ザッザッザッ
無名「こ?足元気あしもときをつけてな」
ガシッ
ケイパン「ありがと」

<アカリノ洞窟どうくつ――中心部ちゅうしんぶ
ケイパン「全然明ぜんぜんあかりとかいんだな…無名むめいのその魔法具まほうくまあってたすかったね」
無名「せやね~この洞窟どうくつひと整備せいびもされとらんから足場あしばわるいしかりもない…そのおかげで」
ノシッノシッ
子スウェルドパンサー「クルル」
無名「魔獣まじゅうも多いんよ」
ケイパン「あ…この魔獣まじゅうっておれたおしたアイツの子供こども?」
無名「うん」
ケイパン「それならおれまかせて!大人倒おとなたおしたんだから子供こどもくらい」
無名「ってケイくん!油断ゆだん危険きけんやよ!」
ケイパン「大丈夫大丈夫だいじょうぶだいじょうぶ!」
子スウェルドパンサー「クルル」
ケイパン「くぜ―」
ドヒュンッ
ケイパン「!」
バシュッ
ケイパン「いた…ッ!?」
ズザザ
ケイパン「はやい…」
無名「小柄こがら威力いりょくひくぶん素早すばやいんよ!すこがって!」
ケイパン「無名むめい…」
チャキッ
無名「大丈夫だいじょうぶ!ウチにも魔法具まほうぐがあるからね」
ケイパン(小刀こがたな…)
子スウェルドパンサー「クラァァウ」
ドンッ
ヒュッ
子スウェルドパンサー「??」
キョロキョロ
ケイパン「え―」
ザクッッッ
子スウェルドパンサー「キャウ……」
バタッ
無名「ふぅっ」
ケイパン「無名凄むめいすごいな!?あの魔獣まじゅうよりはやかったぞ」
無名「この魔法具まほうぐのおかげやよ」
ケイパン「その小刀こがたなか…どんなちからなの?」
無名「短刀たんとうラクミ。つと移動いどう素早すばやくなるんよ」
ケイパン「へえ…便利べんり
無名「ってみる?」
ケイパン「いいのか!」
無名「ん!」
スッ
ケイパン「おぉ……」
無名「あ、でもをつけ―」
グィン
ドゴッッッ
ケイパン「………………いたい」
無名「制御せいぎょ最初さいしょのうちはむずかしいんよね…ごめん」
ケイパン「でもすごいな無名むめい!」
無名「え?」
ケイパン「いろんな魔法具まほうぐのことよくっててさ!」
無名「まぁ…趣味しゅみ範疇はんちゅうやからね」
テレ
無名「あと…おねぇちゃんの影響えいきょうおときいかな」
ケイパン「そういえばギルドてくるときってたな。無名むめいっておねえさんたんだね」
無名「そうそう」
ケイパン「どんなおねえさんなんだ?」
無名「まぁ…ウチととる!」
ニカッ
ケイパン「へぇ…!!」
無名「あとそうやケイくん」
ケイパン「?」
無名「おおきな攻撃こうげき禁止きんしやよ」
ケイパン「え」
無名「天井てんじょうくずれたらめやよ~…?」
ヒュ~ドロドロドロ
ケイパン「う…っ」
無名「まぁ!たたかいはウチにまかせておけば大丈夫だいじょうぶやよ!」
ケイパン「面目めんぼくない…」
ギャオオォォオオオオ
ケイパン「ッ!!」
無名「これは…ちかいね」
ケイパン「いまのが…」
無名「用心ようじんしてこケイくん」
ケイパン「…!!」
無名「おそらく…かなりの強敵きょうてきやよ」

<アカリノ洞窟どうくつ――最深部さいしんぶ
ドラゴナイト「グルルル」
ノシッノシッ
ケイパン「ド、ドラゴンが二足歩行にそくほこうして……斧持おのもってる…!!」
無名(あのおおきさ…いままでたことない……)
ドラゴナイト「!」
無名「づかれた…!!」
ドラゴナイト「ギャオオォォオオオオ」
ドシンドシン
ケイパン「た…!!」
無名「大丈夫だいじょうぶ!ケイくんウチのうしろおって!」
ダダッ
ケイパン「!」
無名「――!!」
チャキッ
カキンッ
ドラゴナイト「ギャァ…?」
ギロッ
無名「かったいうろこ…!!」
ドラゴナイト「グゥアアアオオオオ」
ボォォォォン
ケイパン「無名むめい!!」
スタッ
無名「大丈夫だいじょうぶ無事ぶじやよ!」
ケイパン「かった…!!」
無名(ほのおまで範囲はんいひろい…これはほねれそ―)
ドラゴナイト「ギャオオォォオオオオ」
ドシンドシン
ケイパン「!」
無名「しまった…!!」
無名(大声出おおごえだしたせいで威嚇いかくされたとおもったんか…!!)
ズバァァン
ババッ
ケイパン「あっっぶな…」
スタッ
ケイパン(かべまでれてる…あじやばすぎ)
ケイパン「あ、そうだ」
無名「?」
ケイパン「おれ魔力まりょくなら…!!」
ニカッ
ケイパン「おれまえほのおいたこと!!後悔こうかいしろ!!!」
スゥゥゥゥ
無名「まさか…!!」
ケイパン「ファイヤーーーーー!!!!」
シィン…
ドラゴナイト「ギャァ?」
ケイパン「あれ、なんで…」
ドラゴナイト「ギャオオォォオオオオ」
ズバァァン
ケイパン「なんで真似まねできないんだよ!?」
ババッ
ズザザ
ケイパン「くそっ…さっきからスウェルドパンサーのうごきは真似出来まねできてるのに…魔獣まじゅう真似出来まねできないってわけでもないし」
無名(ケイくんのコピー範囲外はんいがい…?)
ドラゴナイト「ギャオギャオ」
ボォッ
メラメラ
ケイパン「…!!」
無名「おのほのおを…」
ドラゴナイト「ギャァオ…」
ニヤァッ
ケイパン「かちほこってやがるアイツ…!!」
ドラゴナイト「ギャァ!!」
ズバァァン
ボォォォォ
ケイパン「…っぶねまじで」
無名「一気いっき接近戦せっきんせんしづらく…」
ケイパン「!」
スッ
ケイパン「して無名むめい
無名「?」
ケイパン「《滴り落ち潤う者ラブーンシティ》」
ゴポポ
無名「おぉ!」
ケイパン「これなら|真似まねできる」
無名「みず短刀たんとう格好かっこういいやん!」
ドラゴナイト「グルルル…!!」
無名「ちからけ…ウチがってるんは速度そくど相性あいしょう
チャキッ
無名(コイツをたおすんが…今回こんかい仕事しごと
ドンッ
ドラゴナイト「ギャオオォォオオオオ」
ブォンッ
スカッ
ドラゴナイト「!」
無名「まわんで――」
スッ
無名「おもいきりきざむ!!!」
ズバババババババッ
ドラゴナイト「ギャオオォォオオオオ!!!」
ドゴッッッ
無名「う…ッ」
ズザザ
ケイパン「無名むめい!」
無名「たらあかん…!!」
ケイパン「でも―」
無名「大丈夫だいじょうぶ手応てごたえはあるんやから」
ニカッ
ケイパン「え」
ボロッ
ドラゴナイト「!?」
ケイパン「おのが…!!」
無名「ウチがったんは自分じぶん身体からだやのうて…そのおのや!」
ドラゴナイト「グルルル…!!」
メキッ
メキメキッ
無名「…?」
ケイパン「なんだ…うでが」
ドラゴナイト「ギャオオォォオオオオ!!!!」
ボゴォォォォン
ッドゴォォォォォォォン
無名「!?」
ケイパン「なんて威力いりょく……!!」
ドシンドシン
ドラゴナイト「グルルル…」
無名(なんやこのちかられのボスでもこんな力無ちからないやろ……!!)
ドラゴナイト「グルルル」
ドシンドシン
グァッ
ドゴッッッ
無名「かは…ッ」
ガクッ
ケイパン「無名むめい!!」
無名「あかん…大声出おおごえだし……たら」
ググッ
ドラゴナイト「ギャァ…」
クルッ
ドシンドシン
ケイパン「!」
ケイパン(た…どの道俺みちおれがやらなきゃ…無名むめいはもう充分戦じゅうぶんたたかった)
ググッ
ケイパン「いまここでかんがえろ…おれ真似まねできる範囲はんいを――!!」
ドラゴナイト「グルルル」
ケイパン(ほのおくのは真似出来まねできなかった…でもアイツがほのおおのにつけた応用おうようおれ真似まねできる。ちがいは…なんだ)
ドラゴナイト「ギャオオォォオオオオ!!!」
ボォォォォ
ケイパン「…ッ」
ババッ
コロン
ケイパン「!」

ーーー
無名「短刀たんとうラクミ。つと移動いどう素早すばやくなるんよ」
ーーー

ケイパン「かんがえるのは―あとだ」
グッ
無名「ケイくん…!!」
ケイパン(制御せいぎょはしないまかせる…おれがやるべきは真似まね模倣もほう
ドンッ
ケイパン「はやい――!!」
ヒュッ
ドラゴナイト「!?」
ケイパン(コイツの大振おおぶり…たてよこ範囲はんい威力いりょく桁違けたちがい…おれなら2通にとおりを併用へいようできる…!!)
クルンッ
ケイパン「あとはこの速度そくどを――せろッ!!!」
ビュンッ
ドラゴナイト「アギャ―」

ケイパン『隼斬はやぶさぎり』ッ!!!

ズバ――ッ
ドラゴナイト「ガァァァァ……!!」
ドシィィィン
無名「たお……した」
ケイパン「っは…っは…!!」
無名(ケイくんの魔力まりょくのデメリットなんや…たたかいのなかあたらしいコピーをれた場合ばあい応用幅おうようはば無限むげんひろがってまうから。つまりは魔力まりょく活用かつようしたケイくんのたたかいは―つねにアドリブの渦中かちゅう!)
ケイパン「なんとか…うごけた」
タッタッタッ
ケイパン「無名大丈夫むめいだいじょうぶ…?」
無名「なはは…先輩せんぱいなのに格好悪かっこうわるいとこせてもうたね…」
ケイパン「そんなことない!!おれ事助ことたすけてくれたんだ…」
ポンッ
無名「つよかったやんね!ケイくん!!」
ケイパン「あぁ!!」
ヨロッ
ドラゴナイト「グルルル…」
ケイパン「うそだろ…」
無名「タフすぎる…攻撃力こうげきりょくもタフさもあきらかにおかしい…!!」
ドラゴナイト「ギャオオォォオオオオ!!!!」
ボゴォォォォン
ボォォォォ
ケイパン「アイツまさか…!!」
無名「天井てんじょう火炎放射かえんほうしゃくずなんか!?」
グッ
無名「そんなことさせん…!!」
ケイパン「無名むめい無茶むちゃだ!!」
――――
?①「…廃棄品はいきひんか」
タタンッ
――――
ドラゴナイト「!?」

?①『あぎと

メキメキメキメキッ
ッボゴォォォォォォォォォォォン
ケイパン「な――ッ!?」
無名「なんや…今人影いまひとかげが…!!」
?①「…」
ドラゴナイト「――」
ケイパン「粉々こなごな…!!」
無名「何者なにもんや…あのひと
?①「おまえ…あぁおとこほうな」
ケイパン「!」
?①「うえからていたが中々戦なかなかたたかかた面白おもしろいな。いいデータもった」
ケイパン「データ…ってかうえからてたんならはやたすけてくれてもいいんじゃない!?」
?①「なぜ?」
ケイパン「なぜって…」
?①「お前達まえたちたすけてわたしなんのメリットがあるんだろうな?むしろ被害ひがいこうむったのは私側わたしがわだ」
ケイパン「え…?」
?①「せっかくつくった玩具おもちゃ粉々こなごなになったんだからな」
無名「粉々こなごなにしたんは自分じぶんやろ…」
ケイパン「つくった…!?」
無名「!」
ケイパン「ソイツを…おまえが…?」
?①「実験じっけんねてここにいてたんだけどな…無事失敗ぶじしっぱい
ザッザッザッ
?①「さて…暴走ぼうそうする所有物しょゆうぶつからお前達まえたちすくったわたし味方みかたか?」
ケイパン「目的次第もくてきしだいだけど…悪戯いたずらにそんなものつくって無名むめい危険きけんさらしたんなら……おまえてきだ…ッ!!」
ギリッ
無名「ケイくん…」
?①「…てきか」
クスッ
パキッ
?①「ならころっても文句もんくいな」
ケイパン「……!!」



ベティ「わたしはベティ。たましいきざんでおくといい」
 32歳さんじゅうにさい#おんな
    :魔獣族まじゅうぞく使つかなんらかの実験じっけんおこなっている。
     体格たいかくはんしてちから物凄ものすご片手かたて大木たいぼくかし
     足蹴あしげり地面じめんかるいヒビをこせる。



ベティ「地獄じごぐを見せてやろう、ガキンチョ」
ケイパン「…!!」
ゾクッ
ツーツーツーツー
ベティ「!」
ピピッ
ベティ「…かった」
ケイパン「…?」
ベティ「ころしてやる時間じかんくなったみたいだ、至極残念しごくざんねん
無名「!」
ベティ「はは…またえればころおうか」
ドロォッ
グチャッ
無名「!?」
ケイパン「どろになって…えた……これがアイツの魔力まりょく…!?」
無名「なんにせよかえってくれてかった…あのままじゃウチら確実かくじつんどった……」
ケイパン「…ッ!!」
無名「とりあえずもどろうケイくん。仕事しごと報酬ほうしゅうらなっ!」
ニコッ
ケイパン「…うん」



はじめてとおしてかんじた殺意さつい
はだがざわつく異様いよう感覚かんかく
間違まちがいなくんでいた未来みりい回避かいひしたことに
おれはただ安堵あんどするだけで精一杯せいいっぱいだった


個性を取り入れる者ララバイ》模倣リスト
☆応用 ◎制御 〇微制御 ‪‪‪‪✕‬未制御
【魔力】
楽夢音《滴り落ち潤う者ラブーンシティ
:水を生み出す―〇

【動き】
<漸鬼>
:戦闘の基本―‪◎
<スウェルドパンサー>
:短距離の突進―〇(New)
<ドラゴナイト>
:武器の振り方《十字》―〇(New)

【特殊】
<壱佳>
:相手を臆させる威圧―‪✕‬
<ドラゴナイト>
:武器への属性付着―〇(New)

#9『模倣もほう範囲はんい』“~かん~”
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