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ダンジョン&アリスベル修行編
《シルフィン:いえ、別に》
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「ねぇねぇハーちゃん?」
「どったの?」
「うんとね?さっきの話に出て来たムツクラ ショウって・・・」
「うん。多分・・・・・黒ちゃん。じゃ無くて姉さんの友達だったあの人だと思う。ムツクラ何て名前滅多に無いし」
「やっぱりムー君なのかな?でも何で今まで忘れてたんでしょう?」
「それは多分、ショウが此方に残る決心したから、元の世界で支障が無い様に記憶が消えてたんだと思う。で、私達はこっちで名前聞いたから思い出せたんだよ」
「そうなんですか?」
「うん」
ムツクラ ショウ恐らくは、六倉 翔と書くこの初代勇者となった人物は、私達の知り合いだった。正確に言えば私の姉の友人。私達も何度か遊んで貰った記憶が在るが、その度に姉にボコられていたのが、とても印象に残っている。
この六倉 翔がどんな人物かと言えば、一言で言うと正に主人公の様な人間。成績優秀、運動神経抜群、人当たりも良く、悪事を見逃せない、強気を挫き弱気を助ける。それが六倉 翔と言う人物で、姉が私達以外で唯一気を許している人間だった。
今にして思えば、姉とはどんな関係だったのだろうか?恋人?いや、無いな。どちらかと言うと観察対象って感じか?それに、翔なら勇者として世界の一つ位救っていても納得だった。子供の頃はただ凄いとしか思わなかったが。今にして思えばあの運動能力は異常だったしね。
「でも、それじゃあムー君って・・・・」
「とっくに昔に土の下・・・・だね」
「・・・・・少し悲しいです」「・・・まあ、ね」
しかし、瑠璃に翔、結衣ちゃんとその他の勇者。これだけ私の周りの人間が呼ばれるのはおかしく無いか?あの駄女神まだ何か隠してる?
そんな話をしながらギルドに行き、それぞれで良い依頼が無いか探していると、ギルドの職員に、ギルド長が呼んでいるので執務室まで来て欲しい。と、呼び出しを食らう。
私ギルド長に呼び出し受けすぎじゃね?全く私ほど品行方正な人間を呼び出す何て!
《シルフィン:品行方正とは、心や行いが正しく立派なさま。「品行」は行い・振る舞い・行状のこと。「方正」は心や行いが、正しくきちんとしているさま》
何かな?
《シルフィン:いえ、別に》
駄女神とそんなやり取りをしつつ、執務室に入ると、ギルド長が椅子に腰掛け書類を読んでいた。
良かった。あのハゲ手前居なかった。居ると面倒だしね。
「急に呼び出して済まない。掛けてくれ。君達を呼び出したのは、アリスベルとフレイスの決定を伝える為だ」
「「「決定?」」」
そこからギルド長が語ったのは、前に話した西の魔族はウィルドでは無かったが、低位の魔族だったらしい。そして、騎士国と共同で、各支部のギルドに情報を回し調べた所、ガダルらしき魔族がリクレス領付近で目撃され、調査の結果グロスやカーチスカを含めた、複数体の魔族と強力なモンスターが居たらしい。
アリスベルとフレイスはこれを受けて、共同で討伐する事に決めたらしい。
決行は二週間後、小型のモンスターもかなりの数目撃されている為、なるべく全員参加が望ましい。と、言うことだ。
とは言え、総力戦になるだろうからほとんど強制だろう。
「それで、君達はどうするかね?」
「何で、わざわざ呼び出したの?それ、全員に伝える事だよね?」
「君達は因縁がありそうだったからね。それにこれは君達の功績でも有る。早期に発見出来たのは、間違いなく君達のお陰だ」
「そうか・・・・」
「私達はご主人様に従います」
「アリシア・・・・じゃあ、参加で」
「良いのかい?」
「うん。と、言うより戦力は少しでも多い方が良いでしょ」
「確かにな」
「でも、簡単に見付かり過ぎてる気がする。魔族だけならともかく、モンスターまで集めればどうしても目立つ。陽動の可能性も有るから出来れば、防衛戦力は残すべき」
「確かに、私もその可能性は有ると思うが、確証は無いだろう?それに敵の拠点は、結界で姿を隠していた様だ。だからこその行動であるとも取れる」
「まあね」
「わかった。では、この件に付いては良しとしよう」
「他にも何か?」
「この紙は、君がカラバス氏に技術提供したらしいね」
「そうだけど」
「その事で他の十商が、君の事を快く思っていないらしい」
ほう。あんだけ毎日の様に書簡で、会って話がしたいとか、いろいろと言ってるくせに。
「そして、その中の一人が君の事を狙っているらしいんだよ」
「そこまで分かってて何も出来ないの?」
「ああ、ギルドとしても何とかしたいのだが・・・・ハッキリと言うと、君を狙う十商は、後ろに王が居るんだ」
「なるほど」
アリスベルは商業都市と呼ばれているが、実はちゃんと王が居る。実質この国を取り仕切るのは十商だが、この国の商人は王に上納金を払い商売をしている為、王に販売許可を止められれば、如何に十商と言えど商売出来なくなる。そしてそれはギルドも同じ事だ。
今回の件で、ギルドが手を出せば確実に、バックに居る王が取り潰しに来る。それでも何とかしたければ、取り返しが付かないレベルの証拠と共に、一気に方を着けなければ、証拠もろとも消される事になるだろう。
う~ん。政治の匂い。超面倒。
「分かった。それはこっちで何とかする。もしもの時は協力して」
「分かった。約束しよう」
こうして私達は執務室を後にし、ダンジョン内の採取クエストを幾つかの受けて、ギルドを出る。
「ご主人様。やっぱり参加なさるんですね」
「まあ、私達そんな強く無いけどね。それに、此方に来られても困るし、何より今回ので仕止められてくれれば、苦労しなくて済むしね」
私のマイホーム壊れたらどうしてくれる。
「それもだけど十商の方が問題じゃない?カーラさんに相談してみようか?」
「一応するけど多分無理かな?」
「何でなのじゃ?」
「バックに王が居るって事は、カーラよりも多分上の位だからね」
カーラ曰く十商は数字が若い程発言力あるらしい。
「話し難しいゴブ」
「私も何が何だか」
アクアと結衣ちゃんは、ギブアップな様だ。
「取り合えず考えは有るから大丈夫だよ」
「まあ、ハクアが言うなら大丈夫かな?」
そして私達は、その足でダンジョンへと向かうのだった。
く~。久しぶり!頑張ろう!
「どったの?」
「うんとね?さっきの話に出て来たムツクラ ショウって・・・」
「うん。多分・・・・・黒ちゃん。じゃ無くて姉さんの友達だったあの人だと思う。ムツクラ何て名前滅多に無いし」
「やっぱりムー君なのかな?でも何で今まで忘れてたんでしょう?」
「それは多分、ショウが此方に残る決心したから、元の世界で支障が無い様に記憶が消えてたんだと思う。で、私達はこっちで名前聞いたから思い出せたんだよ」
「そうなんですか?」
「うん」
ムツクラ ショウ恐らくは、六倉 翔と書くこの初代勇者となった人物は、私達の知り合いだった。正確に言えば私の姉の友人。私達も何度か遊んで貰った記憶が在るが、その度に姉にボコられていたのが、とても印象に残っている。
この六倉 翔がどんな人物かと言えば、一言で言うと正に主人公の様な人間。成績優秀、運動神経抜群、人当たりも良く、悪事を見逃せない、強気を挫き弱気を助ける。それが六倉 翔と言う人物で、姉が私達以外で唯一気を許している人間だった。
今にして思えば、姉とはどんな関係だったのだろうか?恋人?いや、無いな。どちらかと言うと観察対象って感じか?それに、翔なら勇者として世界の一つ位救っていても納得だった。子供の頃はただ凄いとしか思わなかったが。今にして思えばあの運動能力は異常だったしね。
「でも、それじゃあムー君って・・・・」
「とっくに昔に土の下・・・・だね」
「・・・・・少し悲しいです」「・・・まあ、ね」
しかし、瑠璃に翔、結衣ちゃんとその他の勇者。これだけ私の周りの人間が呼ばれるのはおかしく無いか?あの駄女神まだ何か隠してる?
そんな話をしながらギルドに行き、それぞれで良い依頼が無いか探していると、ギルドの職員に、ギルド長が呼んでいるので執務室まで来て欲しい。と、呼び出しを食らう。
私ギルド長に呼び出し受けすぎじゃね?全く私ほど品行方正な人間を呼び出す何て!
《シルフィン:品行方正とは、心や行いが正しく立派なさま。「品行」は行い・振る舞い・行状のこと。「方正」は心や行いが、正しくきちんとしているさま》
何かな?
《シルフィン:いえ、別に》
駄女神とそんなやり取りをしつつ、執務室に入ると、ギルド長が椅子に腰掛け書類を読んでいた。
良かった。あのハゲ手前居なかった。居ると面倒だしね。
「急に呼び出して済まない。掛けてくれ。君達を呼び出したのは、アリスベルとフレイスの決定を伝える為だ」
「「「決定?」」」
そこからギルド長が語ったのは、前に話した西の魔族はウィルドでは無かったが、低位の魔族だったらしい。そして、騎士国と共同で、各支部のギルドに情報を回し調べた所、ガダルらしき魔族がリクレス領付近で目撃され、調査の結果グロスやカーチスカを含めた、複数体の魔族と強力なモンスターが居たらしい。
アリスベルとフレイスはこれを受けて、共同で討伐する事に決めたらしい。
決行は二週間後、小型のモンスターもかなりの数目撃されている為、なるべく全員参加が望ましい。と、言うことだ。
とは言え、総力戦になるだろうからほとんど強制だろう。
「それで、君達はどうするかね?」
「何で、わざわざ呼び出したの?それ、全員に伝える事だよね?」
「君達は因縁がありそうだったからね。それにこれは君達の功績でも有る。早期に発見出来たのは、間違いなく君達のお陰だ」
「そうか・・・・」
「私達はご主人様に従います」
「アリシア・・・・じゃあ、参加で」
「良いのかい?」
「うん。と、言うより戦力は少しでも多い方が良いでしょ」
「確かにな」
「でも、簡単に見付かり過ぎてる気がする。魔族だけならともかく、モンスターまで集めればどうしても目立つ。陽動の可能性も有るから出来れば、防衛戦力は残すべき」
「確かに、私もその可能性は有ると思うが、確証は無いだろう?それに敵の拠点は、結界で姿を隠していた様だ。だからこその行動であるとも取れる」
「まあね」
「わかった。では、この件に付いては良しとしよう」
「他にも何か?」
「この紙は、君がカラバス氏に技術提供したらしいね」
「そうだけど」
「その事で他の十商が、君の事を快く思っていないらしい」
ほう。あんだけ毎日の様に書簡で、会って話がしたいとか、いろいろと言ってるくせに。
「そして、その中の一人が君の事を狙っているらしいんだよ」
「そこまで分かってて何も出来ないの?」
「ああ、ギルドとしても何とかしたいのだが・・・・ハッキリと言うと、君を狙う十商は、後ろに王が居るんだ」
「なるほど」
アリスベルは商業都市と呼ばれているが、実はちゃんと王が居る。実質この国を取り仕切るのは十商だが、この国の商人は王に上納金を払い商売をしている為、王に販売許可を止められれば、如何に十商と言えど商売出来なくなる。そしてそれはギルドも同じ事だ。
今回の件で、ギルドが手を出せば確実に、バックに居る王が取り潰しに来る。それでも何とかしたければ、取り返しが付かないレベルの証拠と共に、一気に方を着けなければ、証拠もろとも消される事になるだろう。
う~ん。政治の匂い。超面倒。
「分かった。それはこっちで何とかする。もしもの時は協力して」
「分かった。約束しよう」
こうして私達は執務室を後にし、ダンジョン内の採取クエストを幾つかの受けて、ギルドを出る。
「ご主人様。やっぱり参加なさるんですね」
「まあ、私達そんな強く無いけどね。それに、此方に来られても困るし、何より今回ので仕止められてくれれば、苦労しなくて済むしね」
私のマイホーム壊れたらどうしてくれる。
「それもだけど十商の方が問題じゃない?カーラさんに相談してみようか?」
「一応するけど多分無理かな?」
「何でなのじゃ?」
「バックに王が居るって事は、カーラよりも多分上の位だからね」
カーラ曰く十商は数字が若い程発言力あるらしい。
「話し難しいゴブ」
「私も何が何だか」
アクアと結衣ちゃんは、ギブアップな様だ。
「取り合えず考えは有るから大丈夫だよ」
「まあ、ハクアが言うなら大丈夫かな?」
そして私達は、その足でダンジョンへと向かうのだった。
く~。久しぶり!頑張ろう!
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