179 / 213
閑話.スノウの1日(スノウ視点ではありません)
しおりを挟む
森に移動してから暫く経った日のある朝、スノウはふかふかの温かい寝床ですやすや眠っていた。既にみんな起きていて、朝食の仕度や朝のトレーニングなどに精を出している。スノウはこの家で一番のお寝坊さんだ。
それから少し経った頃レオハーヴェンがスレートを抱えてベッドルームにきた。コテージは現在改装中なので久々に本宅で過ごしているのだ。
「スノウ」
「…」
呼びかけるが返事は無し。スレートがつんつんと突っついても反応なし。
「おい、スノウ」
「むにゃ…ぷりん…のおふろ」
何か夢でも見ているのか、寝言を言う。
「…どんな夢だよ。おいスノウ、朝飯だぞ」
「…んん?あさめし…?…めしっ!」
必殺の一言で一気に目を覚ます。さすが食いしん坊。"飯"が最高の目覚ましなのだ。
朝食後は外で遊ぶ。
「そとにいくからスノウのろーぶきるの!」
「ふふ…はいはい」
張り切って羽を広げるスノウにキラが専用ローブを着せる。
「ありがとなの!すれー、そといくの!」
下から見上げて準備が整うのを待っていたスレートがバンザイすると、その上に飛び乗って一緒に裏口へ向かう。裏口のドアの右下にはレオハーヴェンが作ったペットドアならぬスライムドアがあるので、手を借りなくても出入りできるのだ。
外に出るとサニー、サックスと合流してみんなで一緒に遊ぶ。追いかけっこしてみたり、滝つぼを覗きに行ってみたり、雪を掘り返してみたり。
そしてお腹が空いてくると家に戻る。スノウの腹時計はちょっと進んでいるようで、大概食事の30分~1時間前にご飯をねだる。
「スノウおなかすいたの。ごはんまだ?」
「今仕度するところだよ」
「んー、じゃああじみしたいの!」
「ダーメ。直ぐ出来るから待ってて」
「…しかたないの」
エヴァントに味見を却下されてしょぼくれる。これがキラなら『一口だけだよ?』となるのだが、エヴァントの場合そうはいかない。スノウは体長10㎝という小ささながら食べる量はかなりのもの。おやつも含めいつも充分すぎるほど食べている。今のところ肥える気配はないが、キラが少し甘い分エヴァントが締めているのだ。
結局スノウとスレート、それにレオハーヴェンの3人はテーブルで待つというのがいつもの光景。これがテラスならサニーとサックスも待機メンバーに加わる。
一心不乱に昼食を食べ終えた後は暫しお昼寝。
「キラ~、スノウねむいの」
「ふふ。良いよ、おいで」
キラの胸の谷間に体を押し込み、自分の寝床とはまた違う温かさや気持ち良さを堪能。
「フフ、相変わらず甘えん坊だね」
「くくっ、まあ挟まってみたい気持ちは分かるがな」
「だね、一度体感してみたいよ。スノウのサイズだとどんな感触なんだろう」
「…ある意味羨ましいな」
「同感。これはスノウだけの特権だからね」
レオハーヴェンとエヴァントはそれを眺めながら話し、ちょこんと出た小さな頭をくりくりと撫でるのだった。
おやつの時間。今日はスノウの大好物、プリン。
「ぷりんなの!やったぁなの!」
テーブルの上を跳ねるスノウ。
「そういや朝起こした時プリンがどうとかって寝言言ってたな」
「ん?ん~とね、おふろがぷりんでいっぱいなゆめみたの」
可愛く首を傾げて今朝の夢を報告。
「バスタブいっぱいのプリン…凄い光景だね。オレもプリンは好きな方だけど、それは流石にちょっと…」
「…そうだね、それはちょっと。昔バケツプリンを食べた事があるけど、途中から見るのも辛くなったよ」
「ばけつぷりんってなに?」
「バケツサイズの大きなプリンだよ」
「おっきいぷりん!スノウもたべたいの!」
スノウはキラの言葉にまん丸黒目をランランと輝かせて声を上げる。
「それは流石に無理だよ」
「太って飛べなくなるぞ」
「ん~…とべないのはこまるの」
「だろ?それに、好物ってのはこうして偶に食うから余計美味いんだぜ」
「そうそう。毎日食べても、大量に食べても飽きちゃうよ」
「ん~、わかったの!じゃこんどはぷりんにくりーむのったのがいいの!」
「ふふ…分かったよ。今度はプリンアラモードにするね」
「やったぁなの!」
バケツプリンは叶わなかったものの、次回の約束を取り付けて結果オーライとなったのでした。
その後はコテージの改装を見に行ったりしながら時間を過ごし、夕食、お風呂も終えて体を拭いてもらう。スノウは濡れた毛をほわほわのタオルで包まれるのがとても好き。包まれているとすぐに眠気が襲ってきてウトウトするのだ。
「終わったよ、スノウ」
「んん~…ねむくてとべないの…」
そう言って結局寝床まで連れていってもらう。
「くくっ…まだまだチビだな」
「だね。甘えっこだ」
こうしてスノウは楽しい1日を終えるのだった。
それから少し経った頃レオハーヴェンがスレートを抱えてベッドルームにきた。コテージは現在改装中なので久々に本宅で過ごしているのだ。
「スノウ」
「…」
呼びかけるが返事は無し。スレートがつんつんと突っついても反応なし。
「おい、スノウ」
「むにゃ…ぷりん…のおふろ」
何か夢でも見ているのか、寝言を言う。
「…どんな夢だよ。おいスノウ、朝飯だぞ」
「…んん?あさめし…?…めしっ!」
必殺の一言で一気に目を覚ます。さすが食いしん坊。"飯"が最高の目覚ましなのだ。
朝食後は外で遊ぶ。
「そとにいくからスノウのろーぶきるの!」
「ふふ…はいはい」
張り切って羽を広げるスノウにキラが専用ローブを着せる。
「ありがとなの!すれー、そといくの!」
下から見上げて準備が整うのを待っていたスレートがバンザイすると、その上に飛び乗って一緒に裏口へ向かう。裏口のドアの右下にはレオハーヴェンが作ったペットドアならぬスライムドアがあるので、手を借りなくても出入りできるのだ。
外に出るとサニー、サックスと合流してみんなで一緒に遊ぶ。追いかけっこしてみたり、滝つぼを覗きに行ってみたり、雪を掘り返してみたり。
そしてお腹が空いてくると家に戻る。スノウの腹時計はちょっと進んでいるようで、大概食事の30分~1時間前にご飯をねだる。
「スノウおなかすいたの。ごはんまだ?」
「今仕度するところだよ」
「んー、じゃああじみしたいの!」
「ダーメ。直ぐ出来るから待ってて」
「…しかたないの」
エヴァントに味見を却下されてしょぼくれる。これがキラなら『一口だけだよ?』となるのだが、エヴァントの場合そうはいかない。スノウは体長10㎝という小ささながら食べる量はかなりのもの。おやつも含めいつも充分すぎるほど食べている。今のところ肥える気配はないが、キラが少し甘い分エヴァントが締めているのだ。
結局スノウとスレート、それにレオハーヴェンの3人はテーブルで待つというのがいつもの光景。これがテラスならサニーとサックスも待機メンバーに加わる。
一心不乱に昼食を食べ終えた後は暫しお昼寝。
「キラ~、スノウねむいの」
「ふふ。良いよ、おいで」
キラの胸の谷間に体を押し込み、自分の寝床とはまた違う温かさや気持ち良さを堪能。
「フフ、相変わらず甘えん坊だね」
「くくっ、まあ挟まってみたい気持ちは分かるがな」
「だね、一度体感してみたいよ。スノウのサイズだとどんな感触なんだろう」
「…ある意味羨ましいな」
「同感。これはスノウだけの特権だからね」
レオハーヴェンとエヴァントはそれを眺めながら話し、ちょこんと出た小さな頭をくりくりと撫でるのだった。
おやつの時間。今日はスノウの大好物、プリン。
「ぷりんなの!やったぁなの!」
テーブルの上を跳ねるスノウ。
「そういや朝起こした時プリンがどうとかって寝言言ってたな」
「ん?ん~とね、おふろがぷりんでいっぱいなゆめみたの」
可愛く首を傾げて今朝の夢を報告。
「バスタブいっぱいのプリン…凄い光景だね。オレもプリンは好きな方だけど、それは流石にちょっと…」
「…そうだね、それはちょっと。昔バケツプリンを食べた事があるけど、途中から見るのも辛くなったよ」
「ばけつぷりんってなに?」
「バケツサイズの大きなプリンだよ」
「おっきいぷりん!スノウもたべたいの!」
スノウはキラの言葉にまん丸黒目をランランと輝かせて声を上げる。
「それは流石に無理だよ」
「太って飛べなくなるぞ」
「ん~…とべないのはこまるの」
「だろ?それに、好物ってのはこうして偶に食うから余計美味いんだぜ」
「そうそう。毎日食べても、大量に食べても飽きちゃうよ」
「ん~、わかったの!じゃこんどはぷりんにくりーむのったのがいいの!」
「ふふ…分かったよ。今度はプリンアラモードにするね」
「やったぁなの!」
バケツプリンは叶わなかったものの、次回の約束を取り付けて結果オーライとなったのでした。
その後はコテージの改装を見に行ったりしながら時間を過ごし、夕食、お風呂も終えて体を拭いてもらう。スノウは濡れた毛をほわほわのタオルで包まれるのがとても好き。包まれているとすぐに眠気が襲ってきてウトウトするのだ。
「終わったよ、スノウ」
「んん~…ねむくてとべないの…」
そう言って結局寝床まで連れていってもらう。
「くくっ…まだまだチビだな」
「だね。甘えっこだ」
こうしてスノウは楽しい1日を終えるのだった。
21
お気に入りに追加
4,888
あなたにおすすめの小説
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
皇帝陛下の寵愛なんていりませんが……何か?
当麻月菜
恋愛
「異世界の少女、お前は、私の妻となる為に召喚されたのだ。光栄に思え」
「……は?」
下校途中、いつもより1本早い電車に飛び乗ろうとした瞬間、結月佳蓮(ゆづき かれん)はなぜかわからないけれど、異世界に召喚されてしまった。
しかも突然異世界へ召喚された佳蓮に待っていたのは、皇帝陛下アルビスからの意味不明な宣言で。
戸惑うばかりの佳蓮だったけれど、月日が経つうちにアルビスの深い愛を知り、それを受け入れる。そして日本から遙か遠い異世界で幸せいっぱいに暮らす……わけもなかった。
「ちょっ、いや待って、皇帝陛下の寵愛なんていりません。とにかく私を元の世界に戻してよ!!」
何が何でも元の世界に戻りたい佳蓮は、必死にアルビスにお願いする。けれども、無下に却下されてしまい……。
これは佳蓮を溺愛したくて、したくて、たまらない拗らせ皇帝陛下と、強制召喚ですっかりやさぐれてしまった元JKのすれ違いばかりの恋(?)物語です。
※話数の後に【★】が付くのは、主人公以外の視点のお話になります。
※他のサイトにも重複投稿しています。
※1部は残酷な展開のオンパレードなので、そういうのが苦手な方は2部から読むのをおすすめさせていただきます。
魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる