異世界ライフは前途洋々

くるくる

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閑話.スノウの1日(スノウ視点ではありません)

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 森に移動してから暫く経った日のある朝、スノウはふかふかの温かい寝床ですやすや眠っていた。既にみんな起きていて、朝食の仕度や朝のトレーニングなどに精を出している。スノウはこの家で一番のお寝坊さんだ。

 それから少し経った頃レオハーヴェンがスレートを抱えてベッドルームにきた。コテージは現在改装中なので久々に本宅で過ごしているのだ。

「スノウ」
「…」

 呼びかけるが返事は無し。スレートがつんつんと突っついても反応なし。

「おい、スノウ」
「むにゃ…ぷりん…のおふろ」

 何か夢でも見ているのか、寝言を言う。

「…どんな夢だよ。おいスノウ、朝飯だぞ」
「…んん?あさめし…?…めしっ!」

 必殺の一言で一気に目を覚ます。さすが食いしん坊。"飯"が最高の目覚ましなのだ。




 朝食後は外で遊ぶ。

「そとにいくからスノウのろーぶきるの!」
「ふふ…はいはい」

 張り切って羽を広げるスノウにキラが専用ローブを着せる。

「ありがとなの!すれー、そといくの!」

 下から見上げて準備が整うのを待っていたスレートがバンザイすると、その上に飛び乗って一緒に裏口へ向かう。裏口のドアの右下にはレオハーヴェンが作ったペットドアならぬスライムドアがあるので、手を借りなくても出入りできるのだ。

 外に出るとサニー、サックスと合流してみんなで一緒に遊ぶ。追いかけっこしてみたり、滝つぼを覗きに行ってみたり、雪を掘り返してみたり。

 そしてお腹が空いてくると家に戻る。スノウの腹時計はちょっと進んでいるようで、大概食事の30分~1時間前にご飯をねだる。

「スノウおなかすいたの。ごはんまだ?」
「今仕度するところだよ」
「んー、じゃああじみしたいの!」
「ダーメ。直ぐ出来るから待ってて」
「…しかたないの」

 エヴァントに味見を却下されてしょぼくれる。これがキラなら『一口だけだよ?』となるのだが、エヴァントの場合そうはいかない。スノウは体長10㎝という小ささながら食べる量はかなりのもの。おやつも含めいつも充分すぎるほど食べている。今のところ肥える気配はないが、キラが少し甘い分エヴァントが締めているのだ。

 結局スノウとスレート、それにレオハーヴェンの3人はテーブルで待つというのがいつもの光景。これがテラスならサニーとサックスも待機メンバーに加わる。




 一心不乱に昼食を食べ終えた後は暫しお昼寝。

「キラ~、スノウねむいの」
「ふふ。良いよ、おいで」

 キラの胸の谷間に体を押し込み、自分の寝床とはまた違う温かさや気持ち良さを堪能。

「フフ、相変わらず甘えん坊だね」
「くくっ、まあ挟まってみたい気持ちは分かるがな」
「だね、一度体感してみたいよ。スノウのサイズだとどんな感触なんだろう」
「…ある意味羨ましいな」
「同感。これはスノウだけの特権だからね」

 レオハーヴェンとエヴァントはそれを眺めながら話し、ちょこんと出た小さな頭をくりくりと撫でるのだった。




 おやつの時間。今日はスノウの大好物、プリン。

「ぷりんなの!やったぁなの!」

 テーブルの上を跳ねるスノウ。

「そういや朝起こした時プリンがどうとかって寝言言ってたな」
「ん?ん~とね、おふろがぷりんでいっぱいなゆめみたの」

 可愛く首を傾げて今朝の夢を報告。

「バスタブいっぱいのプリン…凄い光景だね。オレもプリンは好きな方だけど、それは流石にちょっと…」
「…そうだね、それはちょっと。昔バケツプリンを食べた事があるけど、途中から見るのも辛くなったよ」
「ばけつぷりんってなに?」
「バケツサイズの大きなプリンだよ」
「おっきいぷりん!スノウもたべたいの!」

 スノウはキラの言葉にまん丸黒目をランランと輝かせて声を上げる。

「それは流石に無理だよ」
「太って飛べなくなるぞ」
「ん~…とべないのはこまるの」
「だろ?それに、好物ってのはこうして偶に食うから余計美味いんだぜ」
「そうそう。毎日食べても、大量に食べても飽きちゃうよ」
「ん~、わかったの!じゃこんどはぷりんにくりーむのったのがいいの!」
「ふふ…分かったよ。今度はプリンアラモードにするね」
「やったぁなの!」

 バケツプリンは叶わなかったものの、次回の約束を取り付けて結果オーライとなったのでした。




 その後はコテージの改装を見に行ったりしながら時間を過ごし、夕食、お風呂も終えて体を拭いてもらう。スノウは濡れた毛をほわほわのタオルで包まれるのがとても好き。包まれているとすぐに眠気が襲ってきてウトウトするのだ。

「終わったよ、スノウ」
「んん~…ねむくてとべないの…」

 そう言って結局寝床まで連れていってもらう。

「くくっ…まだまだチビだな」
「だね。甘えっこだ」



 こうしてスノウは楽しい1日を終えるのだった。


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