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河童の手のミイラ(下)
第十話
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6年前、当時利音は18歳で栗郷は16歳の高校生だった。
人手不足の天明道では十代の子供でも妖退治の任務に駆り出されており、二人も例外ではなかった。
この日は利音と栗郷、そして三上克之と言う男性と坂下樹璃が一緒に任務に割り当てられた。
「現在がしゃどくろが暴れまわってます。
更にはそれに触発され多数の妖までも街で暴れている。
僕と坂下さんでがしゃどくろを祓います。
君達は他の妖をお願いします」
この中で最年長の三上はまだ高校生の二人を大物のがしゃどくろではなく、比較的滅しやすい他の妖を祓うよう命じる。
そして25歳と二番目に年齢の高い樹璃と共にがしゃどくろの元へ向かった。
栗郷はあの二人で大丈夫かと心配するが利音はここは年長者の言うことを聞こうと何処か他人事に答える。
彼らに言われた通り、二人は街で暴れる妖を祓って回った。
「そっちは?」
「大方片付いた」
「つーかあの人ら何してんだ。
いつまで手間取ってる?」
こちらは大体片付いたのに遠くでは巨大ながしゃどくろがのしのしと四つん這いで悠々と歩いているのが見える。
「行くぞ」
「はぁ、めんどくさいな。
早く帰りたいのに……」
文句を言う利音を諭しながら栗郷は二人の後を追うようにがしゃどくろの元へ向かった。
するとその途中に二人の姿があった。
「君達………」
見ると三上も樹璃も血塗れ。
樹璃に至っては倒れて動かない。
「すまないがご覧の通りだ。
坂下さんは重傷だ。
早く病院に連れて行かないと……」
一旦退いて立て直そうと三上が言う。
しかし利音はこのままでは人に被害が広がると敢然と三上の言葉を断じた。
「俺達ががしゃどくろを倒す。
三上さんは他に妖がいたら追っ払っといて」
「ちょっと待て!!
君達子供だけで行かせられない。
応援を呼ぶから君達はここから退避を」
すると三上の言葉を栗郷が遮りこう言った。
「俺らは逃げないし、まだ他に妖が残ってるかもしれない。
アンタもまだ動けるなら人が殺られる前に探して狩れよ。
そしてがしゃどくろを倒して被害を食い止める。
それが最優先だ」
冷たい言い様だが、祓い屋として天明道に入ったのなら命を掛けて任務をやり遂げる覚悟が必要だ。
自分の命を投げ出してでも誰かを守る事が大事であると二人は三上と樹璃を置いてがしゃどくろの元へ急いだ。
人手不足の天明道では十代の子供でも妖退治の任務に駆り出されており、二人も例外ではなかった。
この日は利音と栗郷、そして三上克之と言う男性と坂下樹璃が一緒に任務に割り当てられた。
「現在がしゃどくろが暴れまわってます。
更にはそれに触発され多数の妖までも街で暴れている。
僕と坂下さんでがしゃどくろを祓います。
君達は他の妖をお願いします」
この中で最年長の三上はまだ高校生の二人を大物のがしゃどくろではなく、比較的滅しやすい他の妖を祓うよう命じる。
そして25歳と二番目に年齢の高い樹璃と共にがしゃどくろの元へ向かった。
栗郷はあの二人で大丈夫かと心配するが利音はここは年長者の言うことを聞こうと何処か他人事に答える。
彼らに言われた通り、二人は街で暴れる妖を祓って回った。
「そっちは?」
「大方片付いた」
「つーかあの人ら何してんだ。
いつまで手間取ってる?」
こちらは大体片付いたのに遠くでは巨大ながしゃどくろがのしのしと四つん這いで悠々と歩いているのが見える。
「行くぞ」
「はぁ、めんどくさいな。
早く帰りたいのに……」
文句を言う利音を諭しながら栗郷は二人の後を追うようにがしゃどくろの元へ向かった。
するとその途中に二人の姿があった。
「君達………」
見ると三上も樹璃も血塗れ。
樹璃に至っては倒れて動かない。
「すまないがご覧の通りだ。
坂下さんは重傷だ。
早く病院に連れて行かないと……」
一旦退いて立て直そうと三上が言う。
しかし利音はこのままでは人に被害が広がると敢然と三上の言葉を断じた。
「俺達ががしゃどくろを倒す。
三上さんは他に妖がいたら追っ払っといて」
「ちょっと待て!!
君達子供だけで行かせられない。
応援を呼ぶから君達はここから退避を」
すると三上の言葉を栗郷が遮りこう言った。
「俺らは逃げないし、まだ他に妖が残ってるかもしれない。
アンタもまだ動けるなら人が殺られる前に探して狩れよ。
そしてがしゃどくろを倒して被害を食い止める。
それが最優先だ」
冷たい言い様だが、祓い屋として天明道に入ったのなら命を掛けて任務をやり遂げる覚悟が必要だ。
自分の命を投げ出してでも誰かを守る事が大事であると二人は三上と樹璃を置いてがしゃどくろの元へ急いだ。
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