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河童の手のミイラ(下)
第六話
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どれくらい経っただろうか?
大蝦蟇が現れず約1時間。
もしかして今日はもう現れないのではと真尋は考え始めたその時。
「……っ!!」
利音の腕に痛みが走った。
それからネコがウーッと低く唸りだし、遂に来たかと二人は構える。
そして最初に現れた時と同じように上から大蝦蟇が降って来る。
その巨体の重みに地響きが二人に伝わる。
「………っ」
やはり大蝦蟇の影響で利音は動くのもやっと。
しかしそんなことはお構いなしに大蝦蟇は襲ってくる。
「風ノ刃!!」
真尋の羽団扇から放たれた風の刃が大蝦蟇に切り掛かる。
すると大蝦蟇は口から水を吐き出し攻撃を打ち落とす。
だが真尋も次の攻撃を間髪入れず繰り出す。
「斬石」
羽団扇を高く翳し、それを振り下ろすと幾つもの先が鋭く尖った石が一斉に空から大蝦蟇を攻撃する。
大蝦蟇はそれを躱そうとその場から飛び上がるが、全てを避けきる事は出来ずに背中や足にその石が刺さり呻き声を上げる。
行ける………
真尋はこのまま大蝦蟇を倒せるかと思った。
しかし傷つけられた事が逆鱗に触れたようで、大蝦蟇は長い舌を真尋にぶつけ、木に拘束するように押し付ける。
「くっ………」
そして大蝦蟇は舌で真尋の動きを封じたまま、勢いよく飛び掛かってくる。
大きな口を開け、真尋を食べる気だ。
「ネコ!!」
すると利音のその声にネコが大蝦蟇へ飛び付き、首元に噛み付く。
大蝦蟇は悲鳴を上げ真尋から長い舌が離れた。
「縛」
真尋から離れたのを確認した利音は痛みを堪えながらも大蝦蟇を拘束する。
白く光るロープのようなものが大蝦蟇の手足や頭を縛る。
「利音さん!!」
膝を付き額から汗を流す利音の姿は今にも倒れそうである。
真尋はすぐに利音の元へ駆け寄った。
「大丈夫ですか?」
「俺の心配より自分の心配しなよ。
君結構強く打ち付けられてたでしょ」
大蝦蟇に攻撃され木に背中を強打された真尋。
「特に怪我も無いです。
多少の掠り傷ならすぐ治りますし」
あれくらい強打してしまえば普通は骨が折れてもおかしくはないのに、やはり彼の天狗としての力は最早人ではない。
そう彼に言えばまた俺は人ですとでも言うのかなと、この状況で利音は呑気な事を考えていた。
大蝦蟇が現れず約1時間。
もしかして今日はもう現れないのではと真尋は考え始めたその時。
「……っ!!」
利音の腕に痛みが走った。
それからネコがウーッと低く唸りだし、遂に来たかと二人は構える。
そして最初に現れた時と同じように上から大蝦蟇が降って来る。
その巨体の重みに地響きが二人に伝わる。
「………っ」
やはり大蝦蟇の影響で利音は動くのもやっと。
しかしそんなことはお構いなしに大蝦蟇は襲ってくる。
「風ノ刃!!」
真尋の羽団扇から放たれた風の刃が大蝦蟇に切り掛かる。
すると大蝦蟇は口から水を吐き出し攻撃を打ち落とす。
だが真尋も次の攻撃を間髪入れず繰り出す。
「斬石」
羽団扇を高く翳し、それを振り下ろすと幾つもの先が鋭く尖った石が一斉に空から大蝦蟇を攻撃する。
大蝦蟇はそれを躱そうとその場から飛び上がるが、全てを避けきる事は出来ずに背中や足にその石が刺さり呻き声を上げる。
行ける………
真尋はこのまま大蝦蟇を倒せるかと思った。
しかし傷つけられた事が逆鱗に触れたようで、大蝦蟇は長い舌を真尋にぶつけ、木に拘束するように押し付ける。
「くっ………」
そして大蝦蟇は舌で真尋の動きを封じたまま、勢いよく飛び掛かってくる。
大きな口を開け、真尋を食べる気だ。
「ネコ!!」
すると利音のその声にネコが大蝦蟇へ飛び付き、首元に噛み付く。
大蝦蟇は悲鳴を上げ真尋から長い舌が離れた。
「縛」
真尋から離れたのを確認した利音は痛みを堪えながらも大蝦蟇を拘束する。
白く光るロープのようなものが大蝦蟇の手足や頭を縛る。
「利音さん!!」
膝を付き額から汗を流す利音の姿は今にも倒れそうである。
真尋はすぐに利音の元へ駆け寄った。
「大丈夫ですか?」
「俺の心配より自分の心配しなよ。
君結構強く打ち付けられてたでしょ」
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「特に怪我も無いです。
多少の掠り傷ならすぐ治りますし」
あれくらい強打してしまえば普通は骨が折れてもおかしくはないのに、やはり彼の天狗としての力は最早人ではない。
そう彼に言えばまた俺は人ですとでも言うのかなと、この状況で利音は呑気な事を考えていた。
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