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片割れは傍らに在り(下)
第四話
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真尋のネコ発言に、忘れかけたこれの正体。
「犬神だよね?」
「そう、利音さんの」
そう、これは犬神だ。
とても強い式神であり、蠱術である。
使役するにしても相当な能力を有していないと逆に喰われてしまう危険な式だ。
そんな犬神を飼っている彼は一体何者なのか……
「利音君は俺と同業者?」
天明道を知っていて、且つ犬神を従える。
どう考えても同業者である。
だが利音はその質問に不快感を露にした。
「天明道の犬のアンタらと一緒にしないでくれる?
俺は…ただのしがない骨董屋だよ」
「犬って……」
よっぽど天明道が嫌いなのか、不機嫌になる。
それにただのしがない骨董屋なわけが無いが、あまり突っ込むと悪鬼退治に支障がでそうなので刺激するような事は言わないでおこうと思った。
「それで何?
さっきみたいにネコに臭いを追わせるんですか?」
妖気をネコに覚え込ませ廃屋まで行ったように追わせるのかと思った真尋に利音は頷いた。
「まぁさっき戦ったからこっち来る前よりもすぐに追える筈。
ネコ、悪鬼を追え」
そう命じられるとネコは辺りをクンクンと臭いを嗅ぎ、すぐに走り出した。
それを三人で追う。
すると竜樹はちょっと待ってと立ち止まった。
「実は秋人さんと一緒に来てるんだ。
手分けして探してて、さっき電話してこっち来るって言ってたんだけど……」
そう、肝心な秋人がまだ合流していない。
「げ、秋人さんも来てんの?」
秋人も来ていると知った真尋は残念な表情を浮かべた。
「げって……
会いたくないの?」
「竜樹さんと会いたくなかった理由と同じ」
「全く君は……」
真尋が小学生の頃から知っているが、その頃からたまに言動が読めない事があった。
それは彼が子供だからだと思っていた。
子供は大人の斜め上な発想をする事があるからだが真尋の場合、現在も不思議な言動を取ることから今はもう天然な子なのだと理解している。
秋人が中々来ないので竜樹は電話を掛け始めたが、出ない。
あまりゆっくりしてはいられないのでメッセージを入れ、先を急ぐことにした。
その電話に出ない秋人は今、少々困っていた。
「犬神だよね?」
「そう、利音さんの」
そう、これは犬神だ。
とても強い式神であり、蠱術である。
使役するにしても相当な能力を有していないと逆に喰われてしまう危険な式だ。
そんな犬神を飼っている彼は一体何者なのか……
「利音君は俺と同業者?」
天明道を知っていて、且つ犬神を従える。
どう考えても同業者である。
だが利音はその質問に不快感を露にした。
「天明道の犬のアンタらと一緒にしないでくれる?
俺は…ただのしがない骨董屋だよ」
「犬って……」
よっぽど天明道が嫌いなのか、不機嫌になる。
それにただのしがない骨董屋なわけが無いが、あまり突っ込むと悪鬼退治に支障がでそうなので刺激するような事は言わないでおこうと思った。
「それで何?
さっきみたいにネコに臭いを追わせるんですか?」
妖気をネコに覚え込ませ廃屋まで行ったように追わせるのかと思った真尋に利音は頷いた。
「まぁさっき戦ったからこっち来る前よりもすぐに追える筈。
ネコ、悪鬼を追え」
そう命じられるとネコは辺りをクンクンと臭いを嗅ぎ、すぐに走り出した。
それを三人で追う。
すると竜樹はちょっと待ってと立ち止まった。
「実は秋人さんと一緒に来てるんだ。
手分けして探してて、さっき電話してこっち来るって言ってたんだけど……」
そう、肝心な秋人がまだ合流していない。
「げ、秋人さんも来てんの?」
秋人も来ていると知った真尋は残念な表情を浮かべた。
「げって……
会いたくないの?」
「竜樹さんと会いたくなかった理由と同じ」
「全く君は……」
真尋が小学生の頃から知っているが、その頃からたまに言動が読めない事があった。
それは彼が子供だからだと思っていた。
子供は大人の斜め上な発想をする事があるからだが真尋の場合、現在も不思議な言動を取ることから今はもう天然な子なのだと理解している。
秋人が中々来ないので竜樹は電話を掛け始めたが、出ない。
あまりゆっくりしてはいられないのでメッセージを入れ、先を急ぐことにした。
その電話に出ない秋人は今、少々困っていた。
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