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二人の関係性
第三話
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「なんかサーセン、うるさくて。
菜々の奴イケメン好きなんスよ」
「俺は大丈夫」
「いや、嫌な事は嫌って言っていいッスからね!!
でないと優しさに付け込まれちゃいますよ」
「あ、はい……」
唯人がそう謝罪する所を見て、この子もお兄ちゃんなんだなぁと思った。
やんちゃそうだけど渚の教育の賜物か、こう言う所はちゃんとしてると思った。
「ところで……」
「何?」
ここで唯人が改まった様子になり、叶芽も背筋を伸ばす。
「俺もカナちゃんって呼んでいいッスか……?」
一方渚は家事をこなしていた。
散らかった部屋の掃除を終わりリビングへ様子を見に行った。
勝手に弟の面倒を見させてしまったのは悪かったと思う。
「カナちゃん、唯人……」
見に行くと2人は何やら話し込んでいた。
勉強を真剣にしているのだろうと、そっとお茶のおかわりを持っていこうと思っていると、話の内容がこちらまで聞こえてくる。
「え、そんな広いの!?」
「うん。うちのクラスだと理科室まで一番遠いから10分近く掛かるんだよね~。
ほんとどうにかして欲しい……」
「マジかやべぇ……
他の学校と違うとこって他なんかあんの?」
「他の学校と違うって言うのが他の高校を知らないからなんとも言えないけど、中学と比べて談話室あるのは個人的に好きだな」
「談話室!?何それやべぇ!!」
明らかに勉強している会話ではない。
唯人は集中力が続くタイプではないので心配していたが、案の定勉強から脱線している。
しかも唯人のやべぇしか感想が無い辺りが、語彙力の無い我が弟にガッカリだ。
「お~い勉強してたんじゃないの?」
「あ、兄ちゃん聞いてよ。
聖雷ってマジやべぇよ!!
めっちゃ広いし、めっちゃ色々ある!!
やっぱ兄ちゃん勿体無かったと思う」
叶芽から聞いた聖雷学園高校に興奮しっぱなしだ。
「そんな金持ちばかりいる所行ってもこの家を見なさいよ。
完全に場違い、惨めになるだけだよ」
そう、背伸びして通っても現実は貧乏な家庭であることには変わりはないので、家に帰る度に現実を突き付けられガッカリするだけである。
菜々の奴イケメン好きなんスよ」
「俺は大丈夫」
「いや、嫌な事は嫌って言っていいッスからね!!
でないと優しさに付け込まれちゃいますよ」
「あ、はい……」
唯人がそう謝罪する所を見て、この子もお兄ちゃんなんだなぁと思った。
やんちゃそうだけど渚の教育の賜物か、こう言う所はちゃんとしてると思った。
「ところで……」
「何?」
ここで唯人が改まった様子になり、叶芽も背筋を伸ばす。
「俺もカナちゃんって呼んでいいッスか……?」
一方渚は家事をこなしていた。
散らかった部屋の掃除を終わりリビングへ様子を見に行った。
勝手に弟の面倒を見させてしまったのは悪かったと思う。
「カナちゃん、唯人……」
見に行くと2人は何やら話し込んでいた。
勉強を真剣にしているのだろうと、そっとお茶のおかわりを持っていこうと思っていると、話の内容がこちらまで聞こえてくる。
「え、そんな広いの!?」
「うん。うちのクラスだと理科室まで一番遠いから10分近く掛かるんだよね~。
ほんとどうにかして欲しい……」
「マジかやべぇ……
他の学校と違うとこって他なんかあんの?」
「他の学校と違うって言うのが他の高校を知らないからなんとも言えないけど、中学と比べて談話室あるのは個人的に好きだな」
「談話室!?何それやべぇ!!」
明らかに勉強している会話ではない。
唯人は集中力が続くタイプではないので心配していたが、案の定勉強から脱線している。
しかも唯人のやべぇしか感想が無い辺りが、語彙力の無い我が弟にガッカリだ。
「お~い勉強してたんじゃないの?」
「あ、兄ちゃん聞いてよ。
聖雷ってマジやべぇよ!!
めっちゃ広いし、めっちゃ色々ある!!
やっぱ兄ちゃん勿体無かったと思う」
叶芽から聞いた聖雷学園高校に興奮しっぱなしだ。
「そんな金持ちばかりいる所行ってもこの家を見なさいよ。
完全に場違い、惨めになるだけだよ」
そう、背伸びして通っても現実は貧乏な家庭であることには変わりはないので、家に帰る度に現実を突き付けられガッカリするだけである。
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