ギャペラ～獣の世界に落ちて～

未知

第八話

 ケイを熱い眼差しで見つめるシルヴァは徐に立ち上がり、思わずケイは何かされるのかと体をビクッと震わせた。

 だがその考えは外れ、彼は自信のバッグからごそごそと何かを取り出し、また席に戻ってきた。
 そしてそれをテーブルに置いた。 

 見るとそれは前にいた街で購入していたあの葉巻タバコの様なものだった。

 更に掌サイズの丸い金属製の物を取り出す。
 火が着いた事からどうやらライターの様だ。
 そのライターで咥えたタバコの様な物に火を付けた。

 するとシルヴァはまだ使用してないタバコをケイに一本差し出した。

｢………俺タバコ苦手なんだけど｣

 タバコの臭いが苦手なので喫煙所にはなるべく近づかないようにしているのだか、断りきれずタバコを受け取るとシルヴァが持っていたライターで火を着け、タバコを吸った。

 タバコ自体初めてだった為使い方が合ってるのすらよく分からないが、甘い香りが鼻から抜けるのが分かった。
 自分の知っているタバコの臭いとは違う。

 だがその後すぐの事だった。
 段々体が熱くなり、何だかふわふわする。

｢はっ……｣

 このタバコのせいなのかとシルヴァに目を移すと、彼も様子がおかしい。
 微睡んでいるような目付きで少し顔が赤くなっている。

 これは普通のタバコでは無いと怖くなり、捨てようかと思うが、体がそれを拒んだ。

 何とも言えない高揚感と気持ち良さに、無意識にタバコを吸ってしまう。
 しかもその高揚感は下半身も刺激してきて、思わず声が漏れてしまったのをシルヴァは聞き逃さず、ケイの腕を掴むとそのままベッド押し倒した。