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すれ違い
第二話
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あんな最期を迎えたニンゲンだ。
このままケイが研究所に閉じ込められていたら彼と同じ結末を辿るかもしれない。
そう思ったノイルは急いでケイのいる研究所へ向かった。
「所長、キーク所長はいるか?」
「一体何用でしょうか?
話なら私がお聞きしますが?」
着いた早々ある人物を呼び出すが、出てきたのは目当ての人物ではなく下っ端だった。
「ここに妙な成りをしたネコ科の青年が連れてこられた筈だ。
彼に会わせろ」
「青年……ですか……?
申し訳ないのですが何のことだか」
「嘘を吐くな。
確かにここにいる筈だ!!」
どんなに聞き出そうとしても一切ケイについて話そうとはしない彼に、埒があかないので強引に中を探そうとするも止められる。
「お止め下さい!!
勝手に入られては困ります!!」
「離せ!!
私は彼に会うまでは帰らんぞ!!」
この騒ぎを聞きつけ、周りには人集りが出来ている。
「何の騒ぎだ?」
「……っ!?」
「しょ、所長……」
するとそこにケイを閉じ込めたネズミのギャペラが現れる。
「キーク所長」
「おや、誰かと思えばノイル殿ではありませんか。
暫く見ない内に随分偉くなったようで。
今では大尉でしたかな?」
落ち着いた様子で語り掛けるネズミのギャペラ、キークにノイルは詰め寄る。
「ケイは、ネコ科の青年は何処です?」
「はて、何のことやら?」
「とぼけるな!!
うちの部下が連れてきた筈ですよ?
彼を返せ!!」
「……残念だが、君に話すことは何もない。
お引き取りを……」
そうキークが言うと駆け付けた警備員がノイルの腕を掴み外へと連れ出そうとする。
「ふざけるな!!
話は終わってない!!
ケイを返せ!!」
だがノイルの抵抗も虚しく、研究所から追い出されてしまった。
このままケイが研究所に閉じ込められていたら彼と同じ結末を辿るかもしれない。
そう思ったノイルは急いでケイのいる研究所へ向かった。
「所長、キーク所長はいるか?」
「一体何用でしょうか?
話なら私がお聞きしますが?」
着いた早々ある人物を呼び出すが、出てきたのは目当ての人物ではなく下っ端だった。
「ここに妙な成りをしたネコ科の青年が連れてこられた筈だ。
彼に会わせろ」
「青年……ですか……?
申し訳ないのですが何のことだか」
「嘘を吐くな。
確かにここにいる筈だ!!」
どんなに聞き出そうとしても一切ケイについて話そうとはしない彼に、埒があかないので強引に中を探そうとするも止められる。
「お止め下さい!!
勝手に入られては困ります!!」
「離せ!!
私は彼に会うまでは帰らんぞ!!」
この騒ぎを聞きつけ、周りには人集りが出来ている。
「何の騒ぎだ?」
「……っ!?」
「しょ、所長……」
するとそこにケイを閉じ込めたネズミのギャペラが現れる。
「キーク所長」
「おや、誰かと思えばノイル殿ではありませんか。
暫く見ない内に随分偉くなったようで。
今では大尉でしたかな?」
落ち着いた様子で語り掛けるネズミのギャペラ、キークにノイルは詰め寄る。
「ケイは、ネコ科の青年は何処です?」
「はて、何のことやら?」
「とぼけるな!!
うちの部下が連れてきた筈ですよ?
彼を返せ!!」
「……残念だが、君に話すことは何もない。
お引き取りを……」
そうキークが言うと駆け付けた警備員がノイルの腕を掴み外へと連れ出そうとする。
「ふざけるな!!
話は終わってない!!
ケイを返せ!!」
だがノイルの抵抗も虚しく、研究所から追い出されてしまった。
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