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ノ83 闘気

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 不愉快そうに羅賦麻が老仙人の二人を睨む。

「おい!老いぼれ仙人ども!可笑しそうに何をコソコソと話してやがる。この羅賦麻を前にして結構な余裕ぶりじゃないか?」

「...カッカッカッ。そうかい、お主には儂らが愉快気に見えたのかい。カッカッカッそうかいそうかいカッカッカッ」

 羅賦麻から逃げず、戦う腹を決めた府刹那が吹っ切れて気が軽くなったかおかしくなったのか、府刹那はさも嬉しそうに高笑いしたものだ。

 羅賦麻が亜孔雀を手招きし耳打ちする。

「...おい息子。奴らのことはオレに任せろ。お前は今すぐ人間の姿に戻り、例の任務を急ぎ達成できるよう知恵を絞って行動するんだ。いいな?」

「しょ、承知しました。父上、必ず、必ずや任務は果たしてご覧にいれます。そ、その暁には例の件を...」

「ん、あぁあれか...ふん、分かっておるわ。それよりウダウダしておれば仙人達が集まるやも知れん。とっとと此処を立ち去れ」

「...では」

 悪魔の父と子のやり取りが済むと、亜孔雀は場を去り、羅賦麻は仁王立ちして老仙人の二人を見据えた。

「さぁて老いぼれ仙人ども!派手に殺し合いを始めようじゃないか!と言っても時間は与えてやらんぞ!」

 羅賦麻が言い終えるや否や、身体全身から黒く禍々しい闘気が溢れ出した。
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