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ノ73 雅綾と府刹那
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「我が名は翠重架雅綾(すいじゅうかがりょう)!」
「我が名は怒涛混府刹那(どとうこんふせつな)!」
上手い下手は別として、こよなく将棋を愛する老仙人の二人が意気揚々と名乗り出た。
先に名乗った翠重架雅綾の手に持つ専用武器は、目に見えぬ空間の重力を自在に変化させることが可能な累重杓(るいじゅうしゃく)。その武器は黒光りして高級感こそ漂うものの、普通に水汲みをする杓にしか見えないのだが...
次に名乗った怒涛混府刹那が手に持つは、銀色の長く太い棍棒に美しい女性の姿を形どった模様が刻まれており、その名も天祥棍(てんしょうこん)と云った。この武器は、攻撃され触れたものを不思議な力で跳ね飛ばす力が備わっていて、その威力の強弱は怒涛混府刹那の気分次第ということらしい...
「おいおい兄ちゃん。千歳を超える仙人の二人が名乗っておるのじゃ。ここはお主も礼儀として名を名乗るべきではないんかのう?」
自分らが名乗ったのにも関わらず、まるで「馬鹿」でも観るような冷たい視線を送ったまま黙ている亜孔雀に対し、この世で千年以上生きて来た雅綾が教育的指導をビシッとしたのだった。
顔が城太郎のままの亜孔雀がようやく表情を崩して不敵に笑う。
「我が名は怒涛混府刹那(どとうこんふせつな)!」
上手い下手は別として、こよなく将棋を愛する老仙人の二人が意気揚々と名乗り出た。
先に名乗った翠重架雅綾の手に持つ専用武器は、目に見えぬ空間の重力を自在に変化させることが可能な累重杓(るいじゅうしゃく)。その武器は黒光りして高級感こそ漂うものの、普通に水汲みをする杓にしか見えないのだが...
次に名乗った怒涛混府刹那が手に持つは、銀色の長く太い棍棒に美しい女性の姿を形どった模様が刻まれており、その名も天祥棍(てんしょうこん)と云った。この武器は、攻撃され触れたものを不思議な力で跳ね飛ばす力が備わっていて、その威力の強弱は怒涛混府刹那の気分次第ということらしい...
「おいおい兄ちゃん。千歳を超える仙人の二人が名乗っておるのじゃ。ここはお主も礼儀として名を名乗るべきではないんかのう?」
自分らが名乗ったのにも関わらず、まるで「馬鹿」でも観るような冷たい視線を送ったまま黙ている亜孔雀に対し、この世で千年以上生きて来た雅綾が教育的指導をビシッとしたのだった。
顔が城太郎のままの亜孔雀がようやく表情を崩して不敵に笑う。
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