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ノ5 その名は「デイダラボッチ」
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くだらぬ押し問答をするくらいならと、仙花は雲峡から視線を外してお銀の方を向く。
「お銀、無理を承知で頼むのじゃけれど、其方の忍術を使いこの地割れを修復出来んもんかのう?」
「ほほほ、手前に不可能はございませぬ。と、申し上げたいところではありますがぁ...超優秀なくノ一である手前であっても流石に無理でございましょう。ただぁ、弧浪(ころう)の力を借り全力を出し切れば可能やも知れませぬ...」
さり気なくして自ら「超優秀」と言ってしまうお銀であったが、彼女の実力からすれば「ごもっとも」なことであったし、「弧浪」とは、彼女が幼き頃に特殊な契約を結んだ怪異の「妖狐」の名であった。
一ヶ月ほど前、鬼武者の韋駄地源蔵との壮絶な戦いの最中にお銀、蓮左衛門、雪舟丸、九兵衛の四人の体内に契約を結んだ怪異が潜んでいることを知った仙花。
無論、此処までの道のりで四人全員に「説明せよ」と納得がいくまで訊き出し、九兵衛以外は大丈夫だと安堵していたのだった。
なぜ九兵衛だけが大丈夫で無いのか?
話しの流れからして詳しくは後々語るとして、敢えてここでは簡単にまた単純に云うならば、九兵衛の契約した怪異が他の三人に憑く怪異とは一線を画すほど強力かつ厄介だったからである。
その怪異の名は「デイダラボッチ」。
っと、話しが逸れ過ぎるのは避けて話しを元に戻そう。
お銀の言った「弧浪」の力を借りるとは、果たしてどのような形で行われるのか?仙花は未だ、彼らが怪異と共闘する不思議な場面には遭遇していない。
「怪異の力を使わねばならぬのか...う~む、お銀には悪いが、初見ゆえ是非とも見てみたい気がするするのう」
「承知致しました。では我が内に潜む怪異のち...」
「待て待て待て待て待ってーーーーーーっ!!!...なぁなぁ其方ら正気なの!?本気で大仙人である我の存在をガン無視しようとしているの!?」
すぐ近くにド派手な存在感を持った仙女がいるというのに、まるで空気のような扱い、否、ガン無視しているのだから空気のような扱いさえされず雲峡がまたまた喚き出した。
「...................」
仙花とお銀の二人は黙したまま、虫けらでも見るような目つきで雲峡に視線を送った。
「なっ何よ!?その人を蔑むような目つきはっ!?もう其方にはな~んにも教えてあげないんだからね!」
「構わんよ。さてお銀、斯くも盛大にうるさい邪魔が入ってしまったけれど、どうにか気を取り直して続きを頼む」
もはや大仙人の即蘭眉雲峡は邪魔者扱いされる仕末であった。
「お銀、無理を承知で頼むのじゃけれど、其方の忍術を使いこの地割れを修復出来んもんかのう?」
「ほほほ、手前に不可能はございませぬ。と、申し上げたいところではありますがぁ...超優秀なくノ一である手前であっても流石に無理でございましょう。ただぁ、弧浪(ころう)の力を借り全力を出し切れば可能やも知れませぬ...」
さり気なくして自ら「超優秀」と言ってしまうお銀であったが、彼女の実力からすれば「ごもっとも」なことであったし、「弧浪」とは、彼女が幼き頃に特殊な契約を結んだ怪異の「妖狐」の名であった。
一ヶ月ほど前、鬼武者の韋駄地源蔵との壮絶な戦いの最中にお銀、蓮左衛門、雪舟丸、九兵衛の四人の体内に契約を結んだ怪異が潜んでいることを知った仙花。
無論、此処までの道のりで四人全員に「説明せよ」と納得がいくまで訊き出し、九兵衛以外は大丈夫だと安堵していたのだった。
なぜ九兵衛だけが大丈夫で無いのか?
話しの流れからして詳しくは後々語るとして、敢えてここでは簡単にまた単純に云うならば、九兵衛の契約した怪異が他の三人に憑く怪異とは一線を画すほど強力かつ厄介だったからである。
その怪異の名は「デイダラボッチ」。
っと、話しが逸れ過ぎるのは避けて話しを元に戻そう。
お銀の言った「弧浪」の力を借りるとは、果たしてどのような形で行われるのか?仙花は未だ、彼らが怪異と共闘する不思議な場面には遭遇していない。
「怪異の力を使わねばならぬのか...う~む、お銀には悪いが、初見ゆえ是非とも見てみたい気がするするのう」
「承知致しました。では我が内に潜む怪異のち...」
「待て待て待て待て待ってーーーーーーっ!!!...なぁなぁ其方ら正気なの!?本気で大仙人である我の存在をガン無視しようとしているの!?」
すぐ近くにド派手な存在感を持った仙女がいるというのに、まるで空気のような扱い、否、ガン無視しているのだから空気のような扱いさえされず雲峡がまたまた喚き出した。
「...................」
仙花とお銀の二人は黙したまま、虫けらでも見るような目つきで雲峡に視線を送った。
「なっ何よ!?その人を蔑むような目つきはっ!?もう其方にはな~んにも教えてあげないんだからね!」
「構わんよ。さてお銀、斯くも盛大にうるさい邪魔が入ってしまったけれど、どうにか気を取り直して続きを頼む」
もはや大仙人の即蘭眉雲峡は邪魔者扱いされる仕末であった。
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