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第152話 発動

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 掌に乗ったヘアピンに人差し指と中指を揃えて触れる。

 そして僕は静かに呟いた。

「想いよ、導け」

「ポッ!」

 ヘアピンからアポロチョコ大の青白口小さな光球が現れ、掌から10cmほど上に浮かび上がり例の如く一直線に光の線が伸びる。

 光の線が新川頼子の方へ伸びなかったことを安堵すると共に、驚きの感情が瞬時に湧き上がる。

 それもそのはず、光の線は淀鴛さんの胸に突き刺ささるように伸びていたのだから...

 嘘だろ!?

 心臓の鼓動が高鳴り驚くこと真っ最中の僕に向かって、当の淀鴛さんが訊いてくる。

「一輪君、これは一体どういうことかな?是非とも説明してくれないか」

 淀鴛さんの表情から明らかなる動揺が見て取れた。

 新川老夫婦を無惨にも殺した犯人は淀鴛刑事なのか!?
 「想いの線」が指し示した人物が間近にいる淀鴛さんであることに、いつもは沈着冷静な僕を混乱させた。

 いやちょっと待て、その前に今起こっている現象を淀鴛さんは目で確認できているのか?
 この「想いの線」は超能力のようなもので誰もが目視できる代物ではない。

 もし仮に全ての人にこの光の線が見えるのであれば、大騒動になるのは間違いないだろう。

 まずは確かめなければならない。

「淀鴛さん、一つ訊きますが、もしかして青白い光の線が見えてますか?」

 

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