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第151話 結ぶ

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 考えている時間も勿体無い、か...

「淀鴛さん、今から僕のやることは地味ではありますが常軌を逸した行為になります。もし、何かが見えたとしても他言無用でお願いします」

 僕は特に言葉を選ばず、自分でも思っているがあからさまに変なことを言い放った。

「お、おぅ。何をおっ始めるのかは知らないが、捜査の進捗のためなら構わない。だが、物を壊すようなことはやめてくれよ」

 突然にして変なことを言われた淀鴛さんが微かに動揺している。
 しかし「物を壊す」とか...この人はどんな想像をしてくれたのだろうか...

「ハハハ、暴れたりしませんから大丈夫ですよ。じゃあそのヘアピンを僕の掌に乗せてください」

「分かった」

 僕が掌を天井へ向け差し出すと、淀鴛さんはヘアピンを摘んだ手を伸ばしそっと置いてくれた。

「ありがとうございます。じゃあ早速始めますね」

 何度か説明した気もするけれど、特殊能力「想いの線」は超能力である「サイコメトリー」に近い能力である。
 一度発動させれば、物(物質)に込められた所有者の思念により、普通の人には見えない線が出現してその本人と結びつけるというものである。

 つまり、「想いの線」がすぐそばの新川頼子に結びつかず、別の方向を指し示したなら、このヘアピンは犯人、若しくは別の誰かの所有物であると判断できるわけだ。
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