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第146話 看護師

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 ほどなくして遺体安置室のドアをノックする音が聴こえ。

「お二人の衣服をお持ちしました。入ってもよろしいでしょうか?」

「どうぞ」

 看護師の断りに淀鴛さんが応え、ドアを開けて白衣を着た若い女性看護師が衣服の入った透明なビニール袋を抱えて入って来た。

 一般的平均レベルよりも身体が丈夫だと自負している僕は、滅多なことでは病院の世話にはならず、看護師の白衣姿がとても新鮮に見え、その女性の素材が元々良好だったためかかなりの美人さんとして目に映ったものである。

 彼女の着ているナース服の胸部付近のネームプレートには、「時田」と漢字で表示されており、その上に「トキタ」とフリガナが振ってあった。

「こちらが新川さんご夫婦の着用していた衣服になります。どうぞご確認ください」

 時田さんが衣服の入った二つのビニール袋を淀鴛さんへ手渡す。

「忙しいところすまなかったね、ありがとう。こっちで確認が終わったらちゃんと返すからね」

「あっ、はい、分かりました。ではわたしはこれで失礼させていただきます」

 時田さんは落ち着いた表情でお辞儀をし、あっという間に遺体安置室から立ち去ってしまった。

 昨日から何故だか年配の方ばかりが登場し、若い女性と接する機会が無かったためか少し残念な気がする。

 と、そんなことより被害者の衣服を調べなければ...

 
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