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第144話 場違い
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無論、と言っても良いだろう。
僕の試したいこととは、犯人が意図せず残したかも知れない手がかりを探し出し、特殊能力である「想いの線」を発動させることであった。
僕に訊かれた淀鴛さんは僅かなあいだに遺体安置室を一通り見渡し。
「...ちょっと待っててくれないか」
と言って壁に掛けられた電話の受話器に手に取って耳にあてると、恐らく受付かナースステーションであろうところに内線電話を入れ、被害者の衣服の在処を訊き出していた。
その間、助手の未桜がもう一人の被害者である新川頼子の死体を確かめる。
年老いた熟女であるとはいえ被害者は女性。こういったケースでも男の僕は多少気が引けるというもので、助手が女性だったことを密かに感謝すらしていた。
人の手によって殺されてしまった死体は、病死や自然死で亡くなった人の遺体と比べると、やはり目を覆いたくなるような外傷がある場合もあり、今回の殺人事件は鋭利な刃物によるものと予測され、死体には大きな外傷があるはずなのだが、経験が浅い筈の我が助手は、少しも臆することなく遺体をマジマジと眺めている。
「助手よどうだ。犯人に繋がりそうな手がかりはありそうか?」
「...ん~、お婆ちゃんにるとこうなっちゃうのかぁ...ちょっと残念だし怖いなぁ...」
やれやれ、この娘は何を場違いでおバカなことを言っているのだろうか...
僕の試したいこととは、犯人が意図せず残したかも知れない手がかりを探し出し、特殊能力である「想いの線」を発動させることであった。
僕に訊かれた淀鴛さんは僅かなあいだに遺体安置室を一通り見渡し。
「...ちょっと待っててくれないか」
と言って壁に掛けられた電話の受話器に手に取って耳にあてると、恐らく受付かナースステーションであろうところに内線電話を入れ、被害者の衣服の在処を訊き出していた。
その間、助手の未桜がもう一人の被害者である新川頼子の死体を確かめる。
年老いた熟女であるとはいえ被害者は女性。こういったケースでも男の僕は多少気が引けるというもので、助手が女性だったことを密かに感謝すらしていた。
人の手によって殺されてしまった死体は、病死や自然死で亡くなった人の遺体と比べると、やはり目を覆いたくなるような外傷がある場合もあり、今回の殺人事件は鋭利な刃物によるものと予測され、死体には大きな外傷があるはずなのだが、経験が浅い筈の我が助手は、少しも臆することなく遺体をマジマジと眺めている。
「助手よどうだ。犯人に繋がりそうな手がかりはありそうか?」
「...ん~、お婆ちゃんにるとこうなっちゃうのかぁ...ちょっと残念だし怖いなぁ...」
やれやれ、この娘は何を場違いでおバカなことを言っているのだろうか...
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