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第121話 朝食

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 朝っぱらからのつまらぬやり取りはさて置き、僕と未桜はお出かけモードの服に着替えそれなりに身なりを整え、朝食を摂るため一階の食事場へ降りて行った。

 確か民宿の案内によれば、朝食の時間は「7時から9時の間でお好きにどうぞ」との記載があったはずである。

 今の時刻は8時50分。

 つまり大急ぎで朝食を口にかき込まなければならない。

 そう思いつつ台所で忙しく動く女将さんに声をかける。

「女将さん、おはようございます!すみませんが今から朝食摂っても大丈夫でしょうか?」

 作業をする手を休め、女将さんがこちらを見てニッコリと笑う。

「あらぁ、大丈夫ですよぉ。もうあちらに準備しておりますので時間を気にせずごゆっくりどうぞぉ。あっお席の方は昨晩と同様になりますのでぇ」

「ありがとうございます」「ありがとうございます♪」

 僕達はほぼ同時会釈した。

 ギリギリの時間帯であるにも関わらず笑顔での神対応。感謝するとともに恐縮であります。

 食事場には昨晩と変わらず他の宿泊客の分まで席が用意されていたが、時間帯のこともあってか淀鴛さんの姿も見当たらない。

 僕達は女将さんに言われた通り、昨夜と同じ一番奥の席まで進み腰を下ろした。
 
 テーブルには焼き魚や卵焼き、味噌汁など全7品が並べられている。

「未桜、女将さんは親切にもああは言ってくれたがご迷惑をかけるわけにはいかない。さっさと食べて片付けるぞ」

「了解了解♪いっただきま~す♪」

 かくして、僕達はギリギリのところで朝食にありつけたわけだけれど、この時、井伊影村ではある事件が起こり、大変な騒動になっていたことを知る由もなかった...




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