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第49話 淀鴛家
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さて、番外編で僕が述べた、というより願った言葉からある程度は推測できることと思うけれど、あの日、僕の身に何が起こったのかは、また、別の話。
懐中電灯で神殿の中を照らしながら探索を続けていると、外の方から「ゴロゴロゴロ...」と雨雲が雷を蓄える嫌な音が聞こえて来る。
「おかしいな...今朝の天気予報でこの辺りは快晴だったはずなんだが...」
普段なら天気予報の情報を参考程度にしかしていない僕は、今日に限っていつもの何倍も天気予報に信頼を置いていたのだけれど...
窓の汚れをタオルを押しつけて拭き、綺麗になった部分から外を眺めて未桜が言う。
「こりゃぁやばそうだねぇ、急いで引き返さないと一雨降るかも知れやせんぜ、旦那ぁ」
誰だよお前...
彼女の言うことには一理も二理もあるのは承知だが、今や僕にとって当初の目的だった燈明神社本殿よりも重要な物件、30年前に事件のあった淀鴛家の探索というか調査がまだである。
これから仮に大雨が降ったとしても引き返す気にはならなかった。
「じゃあ、燈明神社の探索はこの辺にして、そこに見える淀鴛家に行くとするか」
僕は窓から外を覗く未桜の隣りに移動し、薄暗い空間に不気味と云っていい雰囲気の淀鴛家を指差してそう言った。
懐中電灯で神殿の中を照らしながら探索を続けていると、外の方から「ゴロゴロゴロ...」と雨雲が雷を蓄える嫌な音が聞こえて来る。
「おかしいな...今朝の天気予報でこの辺りは快晴だったはずなんだが...」
普段なら天気予報の情報を参考程度にしかしていない僕は、今日に限っていつもの何倍も天気予報に信頼を置いていたのだけれど...
窓の汚れをタオルを押しつけて拭き、綺麗になった部分から外を眺めて未桜が言う。
「こりゃぁやばそうだねぇ、急いで引き返さないと一雨降るかも知れやせんぜ、旦那ぁ」
誰だよお前...
彼女の言うことには一理も二理もあるのは承知だが、今や僕にとって当初の目的だった燈明神社本殿よりも重要な物件、30年前に事件のあった淀鴛家の探索というか調査がまだである。
これから仮に大雨が降ったとしても引き返す気にはならなかった。
「じゃあ、燈明神社の探索はこの辺にして、そこに見える淀鴛家に行くとするか」
僕は窓から外を覗く未桜の隣りに移動し、薄暗い空間に不気味と云っていい雰囲気の淀鴛家を指差してそう言った。
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