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序章
14話目 シュート!?
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性格的には人に支持されることを特に嫌う環奈であったがここは反論せずに動き、大きなカプセル型の保存機体(SF映画によく出てくる保存タンクを想像)の「OPEN」と書かれた赤いスイッチを押す。
「プシューッ...」
と音を立てて縦型の保存機体の上蓋が開いた。
「これでいいの?」
「結構でございます。では」
「シュッ!」
「「!!??」」
環奈と黒川の二人は、プロメテウスのとった行動にまたもや驚き絶句する。
何故ならば、主人だった桐生要の切断された頭をひょいと掴んだ素っ裸の少女が、それはそれは綺麗なフォームでバスケのスリーポイントシュートを放つが如く蓋の空いた箇所へ向けて投げてしまったのだから...しかたあるまい?
その光景を見て絶句していた二人は共にただ「入れぇ!入れぇ!」と心の中で叫んですらいたものである。
「トプゥン!」
弧を描いて宙を飛んだ桐生要の「ボール」ならぬ「頭」が心地良い音を立てて着水し、透明なシリコンに近い液体の中へゆっくりと沈んでいく。
「計画の第一段階完了。これでもう大丈夫でございます」
「「何がじゃ!!!?」」
もはや困惑極まりない状態の二人が同時にツッコミを入れたのだった。
「ではお二人に一連の経緯とこれからの計画の説明をさせていただきます。とりあえずそこの椅子にお座りください」
「そうだねぇ。プロメには訊きたいことが山ほどあるしゆっくりと説明してもらおうじゃない」
「いやいやプロメさん。話しの前にまずは何か着てください。でないと目のやり場に困ってしまいますから...」
プロメテウスとは真逆の方を向いた黒川が嘆願するも。
「ん?何故でしょうか?統計データによれば男性の方は女性の裸を好む傾向にあるはずなのですが...」
問答になるのが面倒だと思った環奈が仕方なく口を挟む。
「プロメ、人間ってのはねぇ、お前が考えているより結構複雑なの。もうめんどくさいからさっさと何か着てきなよ。じゃないと本当に話しが進まないよ」
「...畏まりました。では暫くお待ちください」
意外にも環奈の言葉を受け入れたプロメテウスは、シェルター奥の個室へと消えたのだった。
突然現れた侵入者達との戦闘からシェルターへの避難、端末上でしかお目にかかったことの無かったAIのプロメテウスが人間の姿で登場し、主人である桐生要の死体が首チョンパされて保存機体へと投げ込まれるまで、ずっとバクバクと激しく動いていた二人の心臓がようやく普段の正常運転を始めていた...
「プシューッ...」
と音を立てて縦型の保存機体の上蓋が開いた。
「これでいいの?」
「結構でございます。では」
「シュッ!」
「「!!??」」
環奈と黒川の二人は、プロメテウスのとった行動にまたもや驚き絶句する。
何故ならば、主人だった桐生要の切断された頭をひょいと掴んだ素っ裸の少女が、それはそれは綺麗なフォームでバスケのスリーポイントシュートを放つが如く蓋の空いた箇所へ向けて投げてしまったのだから...しかたあるまい?
その光景を見て絶句していた二人は共にただ「入れぇ!入れぇ!」と心の中で叫んですらいたものである。
「トプゥン!」
弧を描いて宙を飛んだ桐生要の「ボール」ならぬ「頭」が心地良い音を立てて着水し、透明なシリコンに近い液体の中へゆっくりと沈んでいく。
「計画の第一段階完了。これでもう大丈夫でございます」
「「何がじゃ!!!?」」
もはや困惑極まりない状態の二人が同時にツッコミを入れたのだった。
「ではお二人に一連の経緯とこれからの計画の説明をさせていただきます。とりあえずそこの椅子にお座りください」
「そうだねぇ。プロメには訊きたいことが山ほどあるしゆっくりと説明してもらおうじゃない」
「いやいやプロメさん。話しの前にまずは何か着てください。でないと目のやり場に困ってしまいますから...」
プロメテウスとは真逆の方を向いた黒川が嘆願するも。
「ん?何故でしょうか?統計データによれば男性の方は女性の裸を好む傾向にあるはずなのですが...」
問答になるのが面倒だと思った環奈が仕方なく口を挟む。
「プロメ、人間ってのはねぇ、お前が考えているより結構複雑なの。もうめんどくさいからさっさと何か着てきなよ。じゃないと本当に話しが進まないよ」
「...畏まりました。では暫くお待ちください」
意外にも環奈の言葉を受け入れたプロメテウスは、シェルター奥の個室へと消えたのだった。
突然現れた侵入者達との戦闘からシェルターへの避難、端末上でしかお目にかかったことの無かったAIのプロメテウスが人間の姿で登場し、主人である桐生要の死体が首チョンパされて保存機体へと投げ込まれるまで、ずっとバクバクと激しく動いていた二人の心臓がようやく普段の正常運転を始めていた...
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