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武器の選択
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カミュは他に手頃な価格の防具が無いかと、店内を一通り探してみたのだが、皮の鎧より安い防具は残念ながら無かった。
諦めて皮の鎧を試着してみたのだけれどサイズが合わない。
「あの、これより小さいサイズの物ってないですよね?」
13歳で成長期にあるカミュだったが身長はまだ150cmに満たない。
「申し訳ありませんがそのサイズが最小になります。特注で作れないことも無いですけど、プラス2万ギラになりますよ?」
メアリに追加料金の話しを聞いたカミュが即答する。
「あ、いえ。自分で工夫して何とかしてみます!これください!」
皮の鎧を持つと荷物にるという理由で、皮の鎧を装備したまま会計を済ませた。
「お買い上げありがとうございましたぁ!」
メアリが元気にお礼の挨拶をすると、カミュとレコは防具屋を出て武器屋へと向かう。
レコがカミュのぶかぶかな皮の鎧姿を眺めている。
「その鎧、帰ったらマリムに頼んで丁度良いサイズにして貰うと良いよ」
「え、マリムさんてそんなことが出来るの?」
「究極の魔女ならそんなの魔法でちょちょいと出来るさ。お金を要求されるだろうけどね」
「やっぱりお金をとられちゃうかなぁ…じゃあ少しはお金を残しておこう」
武器屋は防具屋からそれほど離れておらず、話しているとあっという間に着いた。
木とガラスで作られたドアを開けて中に入ると、カウンターで斧を磨く茶色の髭を生やした身体のごつい男が立っている。
武器屋の店主でドワーフのバーグは身長が低い、だからカウンターから姿が見えるよう椅子の上に立ちながら話す。
「いらっしゃい!?これはこれは若い冒険者だ。一応訊くが、お金はあるんだろうな?」
「子供だと思って失礼なドワーフだな!ちゃんとあるよ!」
バークの言葉に少し怒ったようにレコが答えた。
「若くてすみません!僕は冒険初心者なんです。どの武器がお勧めでしょうか?」
余り金になりそうにないと踏んだのか、バークが面倒くさそうに返事をする。
「ふん、初めての武器選びは自分に合う武器を自分で探すものだ。ここにある武器を手に取ってこれだと思う武器を持って来な」
「…そうなんですね。分かりました探してみます!」
そう言ってカミュは店内の武器を見て回った。
最初に手にしたのは鉄の斧だったが、重さが気になり直ぐに元の場所に戻す。
次に手にしたのは値段が安く、名札カードに「冒険者のナイフ」と書かれたナイフだった。
軽くて持ちやすく使い勝手は良さそうだったが、リーチの長さが気になり元に戻す。
ここでカミュは、己が目指す勇者像がどういうものかをイメージしてみた。
諦めて皮の鎧を試着してみたのだけれどサイズが合わない。
「あの、これより小さいサイズの物ってないですよね?」
13歳で成長期にあるカミュだったが身長はまだ150cmに満たない。
「申し訳ありませんがそのサイズが最小になります。特注で作れないことも無いですけど、プラス2万ギラになりますよ?」
メアリに追加料金の話しを聞いたカミュが即答する。
「あ、いえ。自分で工夫して何とかしてみます!これください!」
皮の鎧を持つと荷物にるという理由で、皮の鎧を装備したまま会計を済ませた。
「お買い上げありがとうございましたぁ!」
メアリが元気にお礼の挨拶をすると、カミュとレコは防具屋を出て武器屋へと向かう。
レコがカミュのぶかぶかな皮の鎧姿を眺めている。
「その鎧、帰ったらマリムに頼んで丁度良いサイズにして貰うと良いよ」
「え、マリムさんてそんなことが出来るの?」
「究極の魔女ならそんなの魔法でちょちょいと出来るさ。お金を要求されるだろうけどね」
「やっぱりお金をとられちゃうかなぁ…じゃあ少しはお金を残しておこう」
武器屋は防具屋からそれほど離れておらず、話しているとあっという間に着いた。
木とガラスで作られたドアを開けて中に入ると、カウンターで斧を磨く茶色の髭を生やした身体のごつい男が立っている。
武器屋の店主でドワーフのバーグは身長が低い、だからカウンターから姿が見えるよう椅子の上に立ちながら話す。
「いらっしゃい!?これはこれは若い冒険者だ。一応訊くが、お金はあるんだろうな?」
「子供だと思って失礼なドワーフだな!ちゃんとあるよ!」
バークの言葉に少し怒ったようにレコが答えた。
「若くてすみません!僕は冒険初心者なんです。どの武器がお勧めでしょうか?」
余り金になりそうにないと踏んだのか、バークが面倒くさそうに返事をする。
「ふん、初めての武器選びは自分に合う武器を自分で探すものだ。ここにある武器を手に取ってこれだと思う武器を持って来な」
「…そうなんですね。分かりました探してみます!」
そう言ってカミュは店内の武器を見て回った。
最初に手にしたのは鉄の斧だったが、重さが気になり直ぐに元の場所に戻す。
次に手にしたのは値段が安く、名札カードに「冒険者のナイフ」と書かれたナイフだった。
軽くて持ちやすく使い勝手は良さそうだったが、リーチの長さが気になり元に戻す。
ここでカミュは、己が目指す勇者像がどういうものかをイメージしてみた。
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