158 / 396
第三章 暴風のコロッセオ
第158話 それぞれの適性値
しおりを挟む
「はぁ~い、注目、注目~!」
マチルダ先生が、映像盤に測定値の速報を出して行く。ホムの名前が一番に表示されると、クラスメイトたちから祝福の拍手が沸き起こった。
ホムは僕が錬成時に骨格強度強化、筋力強化、動体視力強化、反射神経強化を全て最大化とし、柔軟性、細胞活性、自然治癒力、エーテル適応値、機兵適応力、空間認識力を向上させてあるのだ。
この機兵適応力が、レギオンとの適性を最大化させ、100という適性値を出すことは想定されていたので、きちんと結果が伴ったことで僕の錬成が正しく作用していることに安堵を覚えた。
ホムに次いでファラの名前が浮かぶ。機兵適性値は、アイザックが叫んでいたとおり、適性値98だ。その次に95の僕の名前が浮かぶと、ヴァナベルが素っ頓狂な声を上げた。
「はぁ!? リーフに負けただぁ!?」
「まあ、僕のは自分のための専用機だからね。もし同じ機体で測ったなら違う結果になったと思うよ」
ヴァナベルは93、リリルルが90、ヌメリンが88、アルフェも健闘して81だ。F組で80を越えたのは8名で、適性値順でいくと、ホムとファラ、僕のメンバーで武侠宴舞・カナルフォード杯の参加申請を行うことになりそうだ。
「……しかし、100ってのはすげぇな。ホム、お前もなんか機体を作ってもらったりしてんのか?」
「いえ、わたくしは、マスターにそのように造っていただきましたので」
「へ?」
ヴァナベルはホムの応えがいまひとつ理解できなかったらしく、きょとんと目を丸くしている。
「にゃはっ! ホムンクルスだから、自分の方を合わせたってわけか。すごいな、ホム、リーフ!」
「ファラ様の98も、ほぼ満点です。素晴らしいと思います」
「ありがと。実は結構自信あったんだよ」
苦笑を浮かべながらファラは猫耳族の耳を掻き、それから改まってタヌタヌ先生の方に向き直った。
「ところでさ、タヌタヌ先生。あたし、やってみたいことがあるんだ」
「意欲的なのは良いことだぞ。なんだ?」
タヌタヌ先生が、ファラの発言に興味深げに問い返す。
「100と98の模擬戦なんて、今から出来たりする?」
ファラはそう言って、ホムと目を合わせた。思いがけない発言だったが、ホムも驚いているというよりは喜んでいるような表情だ。
「はっはっは、やる気だな、ファラ! わしも見てみたいと思っていたところだぞ!」
「さっすが、タヌタヌ先生! ノリがちげぇな!」
タヌタヌ先生の承諾に、ヴァナベルが興奮した様子で拳を握っている。
「すごいねぇ、ファラちゃんも、ホムちゃんも」
アルフェも二人の戦いに興味津々と言った様子だ。他の生徒たちも賛成とばかりに拍手を送り、二人をレギオンの前に促した。
ホムとファラでレギオンを使った模擬戦か、かなり面白いことになりそうだな。ホムは機兵を動かすこと自体が初めてだが、どんな戦いを見せてくれるのか僕も楽しみだ。
マチルダ先生が、映像盤に測定値の速報を出して行く。ホムの名前が一番に表示されると、クラスメイトたちから祝福の拍手が沸き起こった。
ホムは僕が錬成時に骨格強度強化、筋力強化、動体視力強化、反射神経強化を全て最大化とし、柔軟性、細胞活性、自然治癒力、エーテル適応値、機兵適応力、空間認識力を向上させてあるのだ。
この機兵適応力が、レギオンとの適性を最大化させ、100という適性値を出すことは想定されていたので、きちんと結果が伴ったことで僕の錬成が正しく作用していることに安堵を覚えた。
ホムに次いでファラの名前が浮かぶ。機兵適性値は、アイザックが叫んでいたとおり、適性値98だ。その次に95の僕の名前が浮かぶと、ヴァナベルが素っ頓狂な声を上げた。
「はぁ!? リーフに負けただぁ!?」
「まあ、僕のは自分のための専用機だからね。もし同じ機体で測ったなら違う結果になったと思うよ」
ヴァナベルは93、リリルルが90、ヌメリンが88、アルフェも健闘して81だ。F組で80を越えたのは8名で、適性値順でいくと、ホムとファラ、僕のメンバーで武侠宴舞・カナルフォード杯の参加申請を行うことになりそうだ。
「……しかし、100ってのはすげぇな。ホム、お前もなんか機体を作ってもらったりしてんのか?」
「いえ、わたくしは、マスターにそのように造っていただきましたので」
「へ?」
ヴァナベルはホムの応えがいまひとつ理解できなかったらしく、きょとんと目を丸くしている。
「にゃはっ! ホムンクルスだから、自分の方を合わせたってわけか。すごいな、ホム、リーフ!」
「ファラ様の98も、ほぼ満点です。素晴らしいと思います」
「ありがと。実は結構自信あったんだよ」
苦笑を浮かべながらファラは猫耳族の耳を掻き、それから改まってタヌタヌ先生の方に向き直った。
「ところでさ、タヌタヌ先生。あたし、やってみたいことがあるんだ」
「意欲的なのは良いことだぞ。なんだ?」
タヌタヌ先生が、ファラの発言に興味深げに問い返す。
「100と98の模擬戦なんて、今から出来たりする?」
ファラはそう言って、ホムと目を合わせた。思いがけない発言だったが、ホムも驚いているというよりは喜んでいるような表情だ。
「はっはっは、やる気だな、ファラ! わしも見てみたいと思っていたところだぞ!」
「さっすが、タヌタヌ先生! ノリがちげぇな!」
タヌタヌ先生の承諾に、ヴァナベルが興奮した様子で拳を握っている。
「すごいねぇ、ファラちゃんも、ホムちゃんも」
アルフェも二人の戦いに興味津々と言った様子だ。他の生徒たちも賛成とばかりに拍手を送り、二人をレギオンの前に促した。
ホムとファラでレギオンを使った模擬戦か、かなり面白いことになりそうだな。ホムは機兵を動かすこと自体が初めてだが、どんな戦いを見せてくれるのか僕も楽しみだ。
0
お気に入りに追加
798
あなたにおすすめの小説

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです
ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。
女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。
前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る!
そんな変わった公爵令嬢の物語。
アルファポリスOnly
2019/4/21 完結しました。
沢山のお気に入り、本当に感謝します。
7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。
2021年9月。
ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。
10月、再び完結に戻します。
御声援御愛読ありがとうございました。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

元ゲーマーのオタクが悪役令嬢? ごめん、そのゲーム全然知らない。とりま異世界ライフは普通に楽しめそうなので、設定無視して自分らしく生きます
みなみ抄花
ファンタジー
前世で死んだ自分は、どうやらやったこともないゲームの悪役令嬢に転生させられたようです。
女子力皆無の私が令嬢なんてそもそもが無理だから、設定無視して自分らしく生きますね。
勝手に転生させたどっかの神さま、ヒロインいじめとか勇者とか物語の盛り上げ役とかほんっと心底どうでも良いんで、そんなことよりチート能力もっとよこしてください。

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる