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第三章 暴風のコロッセオ
第157話 ファラとホムの適性
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機体の準備が調ったので、予定どおり測定が開始された。
機兵適性値の測定は、機兵を使った簡単な動作を通じて総合的に測定される。まずは、膝を抱えるようにして駐機している機兵に乗り込み、機兵を立たせた後、指定されたエリアを一周し、タヌタヌ先生に倣い、格闘技の簡単な型を模倣した後、機兵を駐機させて終了だ。素早さは加点となるので、機兵を走らせたり、タヌタヌ先生の格闘技の型に素早く反応することで、適性値の上限を引き上げることが可能になる。
「よし、はじめるぞ。適性値80越えがどれだけ出るか、わしも楽しみだ」
機兵適性値は100が上限値となっており、適性値が80を越える生徒は、武侠宴舞・カナルフォード杯への参加申請が可能となる。参加申請の後、第二審査が行われるため、本戦へ進めるのは、三人一組を1チームとした合計15チームのみだ。
早くに測定を始めたA組は、もう半分以上が測定を終えたらしく、自分たちの適性値を喜んだり嘆いたりしている姿が目立つ。
「軍事科の生徒でしょうか……」
「そうだろうね。授業内容を考えると、成績の序列が出来るようなものだから」
軍事科において、機兵適性値が高いことはかなり有利に働くが、タヌタヌ先生が言っている80という値は、中央値のかなり上の値だ。80を目標にしている大抵の生徒は、そこに到達できないことも多い。A組の悲観的な様子の生徒たちは、おそらく80に及ばなかったのだろうな。
そうでなくても、武侠宴舞・カナルフォード杯で結果を残した生徒は、大学部への推薦の他、帝国軍への登用も行われるため、軍事科でなくともそこを目標としている生徒は多いはずだ。
セント・サライアスとは異なるが、このカナルフォード学園も実力主義であることには変わりないので、生徒会は成績優秀者で構成されている。当然機兵適性値も上位のため、武侠宴舞・カナルフォード杯において、生徒会にはシード権が与えられているほどだ。
それを考えると、ホムはきっと武侠宴舞・カナルフォード杯の参加申請権を得られる成績だろうな。僕がそのように造ったわけだし。
「……ホムは、武侠宴舞に出たいかい?」
「その方が、マスターのお役に立てますので」
もうすぐ僕たちの番だ。心づもりを聞いておきたくて確認すると、ホムは笑顔で即答してくれた。
「それを聞いて安心したよ」
問題は、このF組で同じくらい適性値の高い生徒が出てくるかどうかだな。僕もアーケシウスで測定するのでそれなりの適性値になるだろうけれど、戦うとなるとアーケシウスをもっと改造する必要がありそうだ。
この先のことを考えながらレギオンを見ると、ちょうどファラが指定エリアを走っているところだった。ほとんどの生徒が駐機姿勢の機兵を立たせることすら出来ない中、機兵を歩ませたりするだけでもかなり注目されているのに、軽々と走らせているのには驚かされた。
しかも、映像盤に投影されているファラは、かなり落ち着いている様子だ。父親の愛機を受け継いでいて、機兵に慣れているという話だったが、かなり適性がありそうだ。
ファラはそのままタヌタヌ先生の格闘技の型を難なく模倣し、滑らかな動きで機体に駐機姿勢を取らせた。
「マジか、すげぇ!!」
測定値が出たのか、クラス委員長として測定をサポートしていたヴァナベルの大声が聞こえてくる。
「ファラ殿、98! 98でござるよ~!」
興奮した様子でアイザックが測定値を叫ぶと、ざわめきは一気に広がり、他のクラスの生徒たちが集まって来た。
「にゃはっ、100じゃなかったか~」
ファラが照れたように笑いながら、操縦槽から移動を始める。その発言からもかなりの自信があったことが窺えた。
「次、リーフとホム」
ああ、僕の場合はアーケシウスだから同時に測定出来るようだな。
「行って参ります、マスター」
「普段どおりでいいからね、ホム」
ホムを見送り、久しぶりのアーケシウスに乗り込むと、外のざわめきが少し遠くなったが、ほどなくして爆発的な歓喜の声が響き渡った。
やれやれ、クラスのこの喜び様を考えるとホムはきっと適性値100を出しそうだな。
「さあ、僕たちも頑張ろうか、アーケシウス」
話しかけながら起動すると、アーケシウスは僕の手足のように動いてくれた。
機兵適性値の測定は、機兵を使った簡単な動作を通じて総合的に測定される。まずは、膝を抱えるようにして駐機している機兵に乗り込み、機兵を立たせた後、指定されたエリアを一周し、タヌタヌ先生に倣い、格闘技の簡単な型を模倣した後、機兵を駐機させて終了だ。素早さは加点となるので、機兵を走らせたり、タヌタヌ先生の格闘技の型に素早く反応することで、適性値の上限を引き上げることが可能になる。
「よし、はじめるぞ。適性値80越えがどれだけ出るか、わしも楽しみだ」
機兵適性値は100が上限値となっており、適性値が80を越える生徒は、武侠宴舞・カナルフォード杯への参加申請が可能となる。参加申請の後、第二審査が行われるため、本戦へ進めるのは、三人一組を1チームとした合計15チームのみだ。
早くに測定を始めたA組は、もう半分以上が測定を終えたらしく、自分たちの適性値を喜んだり嘆いたりしている姿が目立つ。
「軍事科の生徒でしょうか……」
「そうだろうね。授業内容を考えると、成績の序列が出来るようなものだから」
軍事科において、機兵適性値が高いことはかなり有利に働くが、タヌタヌ先生が言っている80という値は、中央値のかなり上の値だ。80を目標にしている大抵の生徒は、そこに到達できないことも多い。A組の悲観的な様子の生徒たちは、おそらく80に及ばなかったのだろうな。
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セント・サライアスとは異なるが、このカナルフォード学園も実力主義であることには変わりないので、生徒会は成績優秀者で構成されている。当然機兵適性値も上位のため、武侠宴舞・カナルフォード杯において、生徒会にはシード権が与えられているほどだ。
それを考えると、ホムはきっと武侠宴舞・カナルフォード杯の参加申請権を得られる成績だろうな。僕がそのように造ったわけだし。
「……ホムは、武侠宴舞に出たいかい?」
「その方が、マスターのお役に立てますので」
もうすぐ僕たちの番だ。心づもりを聞いておきたくて確認すると、ホムは笑顔で即答してくれた。
「それを聞いて安心したよ」
問題は、このF組で同じくらい適性値の高い生徒が出てくるかどうかだな。僕もアーケシウスで測定するのでそれなりの適性値になるだろうけれど、戦うとなるとアーケシウスをもっと改造する必要がありそうだ。
この先のことを考えながらレギオンを見ると、ちょうどファラが指定エリアを走っているところだった。ほとんどの生徒が駐機姿勢の機兵を立たせることすら出来ない中、機兵を歩ませたりするだけでもかなり注目されているのに、軽々と走らせているのには驚かされた。
しかも、映像盤に投影されているファラは、かなり落ち着いている様子だ。父親の愛機を受け継いでいて、機兵に慣れているという話だったが、かなり適性がありそうだ。
ファラはそのままタヌタヌ先生の格闘技の型を難なく模倣し、滑らかな動きで機体に駐機姿勢を取らせた。
「マジか、すげぇ!!」
測定値が出たのか、クラス委員長として測定をサポートしていたヴァナベルの大声が聞こえてくる。
「ファラ殿、98! 98でござるよ~!」
興奮した様子でアイザックが測定値を叫ぶと、ざわめきは一気に広がり、他のクラスの生徒たちが集まって来た。
「にゃはっ、100じゃなかったか~」
ファラが照れたように笑いながら、操縦槽から移動を始める。その発言からもかなりの自信があったことが窺えた。
「次、リーフとホム」
ああ、僕の場合はアーケシウスだから同時に測定出来るようだな。
「行って参ります、マスター」
「普段どおりでいいからね、ホム」
ホムを見送り、久しぶりのアーケシウスに乗り込むと、外のざわめきが少し遠くなったが、ほどなくして爆発的な歓喜の声が響き渡った。
やれやれ、クラスのこの喜び様を考えるとホムはきっと適性値100を出しそうだな。
「さあ、僕たちも頑張ろうか、アーケシウス」
話しかけながら起動すると、アーケシウスは僕の手足のように動いてくれた。
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