16 / 396
第一章 輪廻のアルケミスト
第16話 託児所の初日
しおりを挟む
託児所の初日は、はっきり言って酷いものだった。
酷いと一言で言っても、今の僕にとっての酷さであって、それがあったとしてもグラスとしての人生とは比べるまでもなく天国ではあるのだけれど。
それでも、僕よりも小さなアルフェを護りながら、遠慮を知らない子供たちの輪の中で一日を過ごすのはかなりのハードモードだった。
アルフェの浄眼はお人形さんみたいだと、僕たちよりもお姉さんな子供たちに人気だったし、アルフェは僕以外には拒絶反応を示して泣きじゃくるので大変だった。
最終的にジュディさんの従姉らしい託児所の職員が、僕とアルフェをバリケードの中に入れてくれて安寧を得たのだが、それまでが大変過ぎて、滅多にしない昼寝を寝落ちという不本意なかたちですることになった。
「アルフェってば、託児所でもリーフちゃんにべったりだったみたいね」
「一緒に入れて良かったわ。明日からも宜しくね、アルフェちゃん」
目が覚めた時、アルフェがしっかりと僕に抱きついていたのが印象的だったらしく、迎えに来た母親たちがしきりにその話題を口にしている。
二人きりになった後のアルフェは、いつもよりも興奮気味に遊んでいて、普段よりも僕へのスキンシップが多かった。多分彼女なりに、環境の変化に戸惑っていたのだろうな。
「それにしても大きな子もたくさんいたのね。びっくりしちゃった」
「そうなの。これから小さい赤ちゃんたちも預かる予定だから、アルフェとリーフが来てくれて従姉も色々改善点を見つけたみたいよ」
なるほど。トントン拍子に話が進んだのが気になっていたが、どうやら僕とアルフェは実験台のようだ。
「しばらくは二人だけを別室で預かって、この年齢向けに工夫してみるって」
このままでは僕の身が保たないので、是非そうしてもらいたい。
「よかったわね、リーフ」
「あー……」
母に微笑みかけられて返事をしようとしたが、間の抜けた声が漏れた。
「リーフ?」
「リーフちゃん、どうしたの?」
どうも僕の様子がおかしいらしく、母親たちが揃って顔を覗き込んでくる。その顔も涙かなにかで滲んでぼやけて見えた。
「らいよー……」
大丈夫、ちょっと疲れただけだから。そう言おうと思ったが、舌がもつれて上手くいかなかった。熱が出る予兆なのか、あるいは既に熱が出ているのか身体の末端が冷えて酷く寒い。どういうわけか眠くて仕方がなく、そのことが酷く怖かった。
◇◇◇
深い闇に落ちるような眠りだった。僕の目を覚まさせたのは、両親が話す声だった。
「――そろそろ君も休んだらどうだい、ナタル」
「いいえ。私がリーフに無理をさせてしまったの。私が責任をもって看病しなきゃ」
いつの間にか夜になったらしい。まだ熱が上がっているのか、毛布にくるまれているのに身体の震えが止まらなかった。
――ああ、嫌だな、この感覚……。
大抵の不快なものは我慢できるが、この発熱の状況だけは本能的な危機を感じて嫌だった。熱が出るという感覚は、黒石病の初期症状を彷彿とさせ、グラスとしての僕の人生との因果を想像させるからだ。
女神が転生させたこのリーフとしての命が、こんなところで終わるなんて思いたくないものだが……。
「家のことを任せきりにしていた私の責任でもある。とにかく休みなさい」
「あなたは外で大切なお仕事をしてきたのよ、ルドラ。そんなふうに言わないで」
こうして父の声を聞くのも久しぶりだ。もしかして僕の不調を聞いて駆けつけてきてくれたのかな。だったらかなり申し訳ないのだが。
「……君には頭が上がらないな。では、こうしよう。君の言う通り先に休む。ただし、起きたら君と交代だ。いいね?」
「……ええ」
父の提案に母は渋々と言った感じで了承している。僕のことが心配でならないのだろうな、と素直に思った。
「……部下も話していたが、赤ん坊の発熱なんてしょっちゅうだよ。これまで熱も出さずに過ごしてくれたリーフに感謝こそすれ、自分を責める必要はないんだ」
「……でも、私、育児から少し離れたら錬金術の仕事を――。なんて自分のことを考えてしまって」
確かに僕を託児所に預けられれば、母は自分のために時間を使える。それはなにも悪くないし普通のことだ。そう伝えたいが、僕がいきなり喋り出したら気味悪がられるだろうな。
「それは、君のためでもあり、我々家族のためでもある。気に病むことはなにもないよ」
僕の考えていることと、父の考えが偶然にも一致する。やはり、父が居た方が母も心強いのだろう、相槌を打つ声に安堵の響きが混じっていた。
「……そもそも君の錬金術がなければ、この命はなかっただろうからね。君は命の恩人でもあるんだよ、ナタル」
「私たちもあなたに日々守られているんですから、おあいこですよ」
会話の端々に両親の馴れそめが散らばっている。軍人の父と錬金術師の母の出逢いに、少しだけ興味が湧き、耳をそばだてながら身体の向きを変えた。
「そうだといいな。この先も――」
寝返りを打つ僅かな衣擦れの音に気づいたのか、父が言葉を切る。そしてそのまま、僕のベッドへと大股で歩み寄ってきた。
「リーフ、目が覚めたか?」
久しぶりに見る父の顔だった。その目は今にも泣きそうに潤んでいる。
――これ以上、心配をかけてはいけないな。
そう思って僕は笑顔を作り、父に向けて手を伸ばした。
「……おかえり」
「ははは、リーフ! パパにお帰りが言えるのか!? 凄いぞ!」
だが、逆効果だったらしい。
「本当に、リーフ……。優しい子……」
父も母も僕の手を握り、溢れる涙を隠そうともせず泣いている。やっぱり大丈夫、と伝えた方がよかったのだろうか。熱に浮かされながら自分の判断について悩んでいると、額に母が手を当てた。
「まだ少し熱が高いわ。冷やしましょうね」
そう言って、母は前掛けで涙を拭くと、手際良く新しい氷嚢を用意して頭と首の後ろに当て、氷水に浸して絞った冷たい布を額に乗せてくれた。
「できるだけ眠って、ゆっくり休んでね」
頭が冷やされたことでかなりすっきりした。あれほど酷かった寒気も引き、熱が身体に回っているような感覚がある。だが、その熱もすぐに下がりそうな予感がして、希望が持てた。
「早く熱がさがりますように」
おまじないのように唱えながら、母が額の布が温くなる前に冷たく冷やしたものに取り替えてくれる。
僕は冷たい布と氷嚢の心地良さにウトウトと目を閉じた。
そのまま細切れの眠りの中に落ちた僕は、短い覚醒で両親の存在に安堵してまた眠るのを繰り返した。
目覚めている間、頭の布は交換され、常に冷たいままだった。
あるときは母が、あるときは父が交互に世話をしていたらしい。朝になって目を覚ますと、二人が自分の傍に寄り添うようにして眠っていた。
熱はすっかり下がっている。
こんなに大事にされることは、本性を現す前の養父でさえやらなかったことだ。
――養父……。
もうすっかり忘れていたと思ったが、前世の記憶はそっくりそのまま残されているらしい。
乾いたパンと水が食料として部屋の前に置かれて、床を這いながらそれを取りに行く。声をかけられることもなく、個室に何日も放置される――。僕がグラスだった頃に唯一受けた看病だ。
両親の看病はそれとは全く違う。
――この二人は、僕にかなりの愛情を注いでくれてる。
そのことが改めて有り難く、彼らに対する信頼を強いものにしていた。だが、同時に自分はそれにどうやって応えられるのだろうか。どうやったらこの恩に報いることができるのだろうかという不安めいた問いを僕は自らに与えることになった。
早く成長して、その術を見いだせると良いのだが。
酷いと一言で言っても、今の僕にとっての酷さであって、それがあったとしてもグラスとしての人生とは比べるまでもなく天国ではあるのだけれど。
それでも、僕よりも小さなアルフェを護りながら、遠慮を知らない子供たちの輪の中で一日を過ごすのはかなりのハードモードだった。
アルフェの浄眼はお人形さんみたいだと、僕たちよりもお姉さんな子供たちに人気だったし、アルフェは僕以外には拒絶反応を示して泣きじゃくるので大変だった。
最終的にジュディさんの従姉らしい託児所の職員が、僕とアルフェをバリケードの中に入れてくれて安寧を得たのだが、それまでが大変過ぎて、滅多にしない昼寝を寝落ちという不本意なかたちですることになった。
「アルフェってば、託児所でもリーフちゃんにべったりだったみたいね」
「一緒に入れて良かったわ。明日からも宜しくね、アルフェちゃん」
目が覚めた時、アルフェがしっかりと僕に抱きついていたのが印象的だったらしく、迎えに来た母親たちがしきりにその話題を口にしている。
二人きりになった後のアルフェは、いつもよりも興奮気味に遊んでいて、普段よりも僕へのスキンシップが多かった。多分彼女なりに、環境の変化に戸惑っていたのだろうな。
「それにしても大きな子もたくさんいたのね。びっくりしちゃった」
「そうなの。これから小さい赤ちゃんたちも預かる予定だから、アルフェとリーフが来てくれて従姉も色々改善点を見つけたみたいよ」
なるほど。トントン拍子に話が進んだのが気になっていたが、どうやら僕とアルフェは実験台のようだ。
「しばらくは二人だけを別室で預かって、この年齢向けに工夫してみるって」
このままでは僕の身が保たないので、是非そうしてもらいたい。
「よかったわね、リーフ」
「あー……」
母に微笑みかけられて返事をしようとしたが、間の抜けた声が漏れた。
「リーフ?」
「リーフちゃん、どうしたの?」
どうも僕の様子がおかしいらしく、母親たちが揃って顔を覗き込んでくる。その顔も涙かなにかで滲んでぼやけて見えた。
「らいよー……」
大丈夫、ちょっと疲れただけだから。そう言おうと思ったが、舌がもつれて上手くいかなかった。熱が出る予兆なのか、あるいは既に熱が出ているのか身体の末端が冷えて酷く寒い。どういうわけか眠くて仕方がなく、そのことが酷く怖かった。
◇◇◇
深い闇に落ちるような眠りだった。僕の目を覚まさせたのは、両親が話す声だった。
「――そろそろ君も休んだらどうだい、ナタル」
「いいえ。私がリーフに無理をさせてしまったの。私が責任をもって看病しなきゃ」
いつの間にか夜になったらしい。まだ熱が上がっているのか、毛布にくるまれているのに身体の震えが止まらなかった。
――ああ、嫌だな、この感覚……。
大抵の不快なものは我慢できるが、この発熱の状況だけは本能的な危機を感じて嫌だった。熱が出るという感覚は、黒石病の初期症状を彷彿とさせ、グラスとしての僕の人生との因果を想像させるからだ。
女神が転生させたこのリーフとしての命が、こんなところで終わるなんて思いたくないものだが……。
「家のことを任せきりにしていた私の責任でもある。とにかく休みなさい」
「あなたは外で大切なお仕事をしてきたのよ、ルドラ。そんなふうに言わないで」
こうして父の声を聞くのも久しぶりだ。もしかして僕の不調を聞いて駆けつけてきてくれたのかな。だったらかなり申し訳ないのだが。
「……君には頭が上がらないな。では、こうしよう。君の言う通り先に休む。ただし、起きたら君と交代だ。いいね?」
「……ええ」
父の提案に母は渋々と言った感じで了承している。僕のことが心配でならないのだろうな、と素直に思った。
「……部下も話していたが、赤ん坊の発熱なんてしょっちゅうだよ。これまで熱も出さずに過ごしてくれたリーフに感謝こそすれ、自分を責める必要はないんだ」
「……でも、私、育児から少し離れたら錬金術の仕事を――。なんて自分のことを考えてしまって」
確かに僕を託児所に預けられれば、母は自分のために時間を使える。それはなにも悪くないし普通のことだ。そう伝えたいが、僕がいきなり喋り出したら気味悪がられるだろうな。
「それは、君のためでもあり、我々家族のためでもある。気に病むことはなにもないよ」
僕の考えていることと、父の考えが偶然にも一致する。やはり、父が居た方が母も心強いのだろう、相槌を打つ声に安堵の響きが混じっていた。
「……そもそも君の錬金術がなければ、この命はなかっただろうからね。君は命の恩人でもあるんだよ、ナタル」
「私たちもあなたに日々守られているんですから、おあいこですよ」
会話の端々に両親の馴れそめが散らばっている。軍人の父と錬金術師の母の出逢いに、少しだけ興味が湧き、耳をそばだてながら身体の向きを変えた。
「そうだといいな。この先も――」
寝返りを打つ僅かな衣擦れの音に気づいたのか、父が言葉を切る。そしてそのまま、僕のベッドへと大股で歩み寄ってきた。
「リーフ、目が覚めたか?」
久しぶりに見る父の顔だった。その目は今にも泣きそうに潤んでいる。
――これ以上、心配をかけてはいけないな。
そう思って僕は笑顔を作り、父に向けて手を伸ばした。
「……おかえり」
「ははは、リーフ! パパにお帰りが言えるのか!? 凄いぞ!」
だが、逆効果だったらしい。
「本当に、リーフ……。優しい子……」
父も母も僕の手を握り、溢れる涙を隠そうともせず泣いている。やっぱり大丈夫、と伝えた方がよかったのだろうか。熱に浮かされながら自分の判断について悩んでいると、額に母が手を当てた。
「まだ少し熱が高いわ。冷やしましょうね」
そう言って、母は前掛けで涙を拭くと、手際良く新しい氷嚢を用意して頭と首の後ろに当て、氷水に浸して絞った冷たい布を額に乗せてくれた。
「できるだけ眠って、ゆっくり休んでね」
頭が冷やされたことでかなりすっきりした。あれほど酷かった寒気も引き、熱が身体に回っているような感覚がある。だが、その熱もすぐに下がりそうな予感がして、希望が持てた。
「早く熱がさがりますように」
おまじないのように唱えながら、母が額の布が温くなる前に冷たく冷やしたものに取り替えてくれる。
僕は冷たい布と氷嚢の心地良さにウトウトと目を閉じた。
そのまま細切れの眠りの中に落ちた僕は、短い覚醒で両親の存在に安堵してまた眠るのを繰り返した。
目覚めている間、頭の布は交換され、常に冷たいままだった。
あるときは母が、あるときは父が交互に世話をしていたらしい。朝になって目を覚ますと、二人が自分の傍に寄り添うようにして眠っていた。
熱はすっかり下がっている。
こんなに大事にされることは、本性を現す前の養父でさえやらなかったことだ。
――養父……。
もうすっかり忘れていたと思ったが、前世の記憶はそっくりそのまま残されているらしい。
乾いたパンと水が食料として部屋の前に置かれて、床を這いながらそれを取りに行く。声をかけられることもなく、個室に何日も放置される――。僕がグラスだった頃に唯一受けた看病だ。
両親の看病はそれとは全く違う。
――この二人は、僕にかなりの愛情を注いでくれてる。
そのことが改めて有り難く、彼らに対する信頼を強いものにしていた。だが、同時に自分はそれにどうやって応えられるのだろうか。どうやったらこの恩に報いることができるのだろうかという不安めいた問いを僕は自らに与えることになった。
早く成長して、その術を見いだせると良いのだが。
1
お気に入りに追加
794
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします
天宮有
恋愛
国王ドスラは、王妃の私エルノアの魔法により国が守られていると信じていなかった。
側妃の発言を聞き「何もできない王妃」と言い出すようになり、私は城の人達から蔑まれてしまう。
それなら国から出て行くことにして――その後ドスラは、後悔するようになっていた。
夫に離婚を切り出したら、物語の主人公の継母になりました
魚谷
恋愛
「ギュスターブ様、離婚しましょう!」
8歳の頃に、15歳の夫、伯爵のギュスターブの元に嫁いだ、侯爵家出身のフリーデ。
その結婚生活は悲惨なもの。一度も寝室を同じくしたことがなく、戦争狂と言われる夫は夫婦生活を持とうとせず、戦場を渡り歩いてばかり。
堪忍袋の緒が切れたフリーデはついに離婚を切り出すも、夫は金髪碧眼の美しい少年、ユーリを紹介する。
理解が追いつかず、卒倒するフリーデ。
その瞬間、自分が生きるこの世界が、前世大好きだった『凍月の刃』という物語の世界だということを思い出す。
紹介された少年は隠し子ではなく、物語の主人公。
夫のことはどうでもいいが、ユーリが歩むことになる茨の道を考えれば、見捨てることなんてできない。
フリーデはユーリが成人するまでは彼を育てるために婚姻を継続するが、成人したあかつきには離婚を認めるよう迫り、認めさせることに成功する。
ユーリの悲劇的な未来を、原作知識回避しつつ、離婚後の明るい未来のため、フリーデは邁進する。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
わがまま姉のせいで8歳で大聖女になってしまいました
ぺきぺき
ファンタジー
ルロワ公爵家の三女として生まれたクリスローズは聖女の素質を持ち、6歳で教会で聖女の修行を始めた。幼いながらも修行に励み、周りに応援されながら頑張っていたある日突然、大聖女をしていた10歳上の姉が『妊娠したから大聖女をやめて結婚するわ』と宣言した。
大聖女資格があったのは、その時まだ8歳だったクリスローズだけで…。
ー---
全5章、最終話まで執筆済み。
第1章 6歳の聖女
第2章 8歳の大聖女
第3章 12歳の公爵令嬢
第4章 15歳の辺境聖女
第5章 17歳の愛し子
権力のあるわがまま女に振り回されながらも健気にがんばる女の子の話を書いた…はず。
おまけの後日談投稿します(6/26)。
番外編投稿します(12/30-1/1)。
作者の別作品『人たらしヒロインは無自覚で魔法学園を改革しています』の隣の国の昔のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる