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1.好きな人
しおりを挟む9月1日--
夏休みが明けてしまいました。
森山 綾、16歳、ひじょーに困っています!
それも透夜君とその友達の会話をきいてしまった日から続いている。
7月25日 -
私は今日、婚約者をデートに誘う!!
そう!私の彼氏……、いや、私の婚約者の九条透夜君とはもうだいたい婚約して3年と3ヶ月くらいだ。
そろそろ初デートくらい行きたい!
そんな風な願いをこめて。気持ちを伝える。
きっとこれは告白にもなるのだろう。
小さな時から私の家はお金持ちだとは思っていた。
しかし、まさか、かなりの大企業の1人娘だとは私も小学5年生になるまで知らなかった。
そして私が小学6年生の時に流行った少女漫画のように、私の将来の結婚相手が中等部に上がると同時に決まった。
私は漫画とかでは素敵な話だと思いつつも、その時すきな人がいたので父からの言葉はすごくショックだったのを覚えている。
それは9月頃だった。
9月17日 -小学6年の秋だ。
ずっと言われてきた婚約についての話を父とすることになった。
雨が降っていて空気もじめじめした嫌な天気の日だったのは今でも覚えている。
そんな雨の音と空気は私の心音のようではやく止んでほしい。そう思っていたが。
「綾、綾の婚約が決まった。君を将来支えうちの会社も向こうの家も幸せになれる婚約なんだ。今度紹介するから仲良くしなさい」
私は泣きそうだった。
なぜなら、小6になってから、同じクラスの九条透夜君という男の子が好きだ
ったからだ。
片想いなのは分かっていたけど、気持ちを伝えられずに終わるのかと思いそれが一番悲しかった。
優しいお父さんだとは思っていたけど、仕事に関して怖いのは家でも分かる時があった。
だから、嫌だなんて言うことはまだ私には出来なかった。
--しかし、奇跡が起きたと私は思った。
2月ぐらいのギリギリまで私は透夜君に気持ちを言おうか迷っていた。
彼はすごく優しくて、きっとありがとう。と言ってくれる!そう信じて。
でも、お父さんに婚約相手の名前を聞いた瞬間気持ちを伝えるという考えがなくなった。
「あぁ。いっていなかったな…。あの財閥の九条家の長男の透夜君だ。」
……えっ……?
「透夜君って私と今同じクラスの?」
「あぁ、そうだ。実は今言いそびれていたふりをしたが、すまない。隠していたんだ。もし、透夜君の名前をきいて、嫌だと言われるのが嫌だったんだ。
あの時期に言われると、婚約が破綻になってしまうと思ってしまった。本当にすまない。」
「う、ううん……別に大丈夫だよ……」
「そうか……名前を綾がきいてこない間、親として最低だなとずっと考えていた。でも、綾がこの婚約を受け入れてくれるのなら、嬉しい」
「うん……」
顔が緩んでいることくらい自分でもわかった。
内心すごく嬉しかった。
すきな人と本当に結ばれるんだって、きっと神様が与えてくれたチャンスなの
かもって。そう思ってた。
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